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この時期お寺の玄関によく蓮の花が置いてあります。蓮を見ると芥川龍之介の”蜘蛛の糸”の冒頭の文章を思い出します。

ある日の事でございます。御釈迦様は極楽の蓮池のふちを、独りでぶらぶら御歩きになっていらっしゃいました。池の中に咲いている蓮の花は、みんな玉のようにまっ白で、そのまん中にある金色の蕊からは、何とも云えない好い匂が、絶間なくあたりへ溢れて居ります。極楽は丁度朝なのでございましょう。

中学高校と放送部だった私は、高校生の時に朗読でよく蜘蛛の糸の冒頭の部分を練習していたのですが、この始まりの文章が大好きで蓮の花を余計に好きになったように思います。本を見なくても今でも言えるくらい好きなのですが、花の咲く姿も凛としていてとても美しく、思わずハッと立ち止まってしまいます。池にいくつも咲いているのはそれは素晴らしい景色です。

今ちょうどこれから蓮が咲き始める時期です。雨と似合って早朝に咲く花なので、早起きして少しでも多く見れたらなと思います。6/19

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