Yumihiko Yokoyama〝未来世代へのメモ〟

ジャーナリスト/ 教員&霞ヶ関を経て、立法府/ 受験・発達障害サポート等に取り…

Yumihiko Yokoyama〝未来世代へのメモ〟

ジャーナリスト/ 教員&霞ヶ関を経て、立法府/ 受験・発達障害サポート等に取り組んだ後、現在は、エネルギー・環境問題、原発、厚労政策を中心に。 ※ここでの発言は個人的見解ですので、あしからず。

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PFAS汚染を追って〜明石川流域、10万ngという“脅威値”

“基地由来のPFAS汚染”という表現が変わってきたと感じる昨今。 いわゆる工場ではなく、“産廃由来”の汚染が岡山吉備中央町に続き、兵庫県明石川流域でも発覚した。 急遽、勉強会が開催されるという情報を耳にし、現地調査を兼ね新神戸へと向かった。 汚染発覚は、県議の気づきから13日、新神戸から地下鉄で約30分、西神中央駅へ。 ショッピングモールにマンション群など整備された綺麗な駅周辺。そこで待ってくださっていたのが、汚染発覚を明らかにした丸尾まき兵庫県議だ。 丸尾さんは、尼崎

    • PFAS汚染を追って〜どうなる!?使用済み活性炭、食品など新たな対策

      4月5日、衆議院環境委員会でPFAS問題が立て続けに審議された。 大河原議員は、多摩地域の現状、泡消火剤の動向、吉備中央町の事例を紹介し、環境省へ今後の更なる対策を要望した。 阿部議員は、広がる汚染エリアを例に、これまでの水質対策や血液検査の必要性はもちろんだが新たな汚染の食い止めも必要だと指摘。 というわけで、後者の質問を中心に紹介する。 PFAS最近トピックス広がるPFAS汚染。筆者もここ1年各地を見てきたが、水質管理や血液検査(バイオモニタリング)は最重要とはいえ、新

      • “原発がなくてよかった”石川・珠洲市と自然

        元旦に発生した、能登半島地震。 震度7の揺れを観測し、現在も復興・復旧が進めれられている。 震災直後の津波被害に加え、土砂災害などにより、想定されていた〝避難計画〟の機能不全が明らかになった。 北陸電力志賀原発は、幸い過酷事故を起こさなかったものの、2003年12月に凍結された珠洲原発が立地されていたらどうなっていたことか…。 原発と地震の共存は不可、再稼働政策を進める国の〝安全神話〟は幻想だ。 前史:珠洲原発をめぐる攻防今回も超党派「原発ゼロ・再エネ100の会」の視察に同

        • 私見ーパレスチナ支援、UNRWA拠出金再開、そして人道とは

          2年前の2月24日、ロシアによるウクライナ侵攻が開始。 戦術核の使用示唆やドローンによる攻撃は、これまでの戦争の姿を一変させた。 さらに、“平和利用”であるはずの、原発(ザポリージャ)が攻撃対象にも。 仮に原発事故が発生し、運転制御ができない状態に陥ったら、「爆発すれば、チェルノブイリ(原発事故)の10倍」とも言われた。幸い、最悪の状態は免れているものの、3月9日に、「ウクライナ“ザポリージャ原発 事故に向かっている”」という見出しが飛び込んできた。 人間自らが作り出したモノ

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        PFAS汚染を追って〜明石川流域、10万ngという“脅威値”

          「奇跡の海」と原発ー突如浮上した中間貯蔵施設計画ー

          元旦に発生した石川・能登半島沖地震。志賀原発は運転停止中だったので、原発事故を起こすことはなかったが、次々と問題が明らかになっている。 仮に事故が発生した際、原子力災害対策指針に基づき避難をすることになるが、実際はそれどころではなかったと。〝原発災害〟は免れたものの、改めて〝安全神話〟は虚構だといわざるを得ない。政府は、それでも原発を推進するのか?という問いを多くの方がお持ちではないだろうか。 遠く離れた山口・上関でも、この〝スイシン〟をめぐる議論が突如再燃。 今、「奇跡の

          「奇跡の海」と原発ー突如浮上した中間貯蔵施設計画ー

          廃炉への今ー1Fと中間貯蔵施設②

          本稿では、福島第一原発の現況を中心に。 進む“廃炉作業”を見ていただきたい。 ※前半記事はこちら 廃炉資料館で考える事故の状況はじめに、前半記事で掲載しそびれた「中間貯蔵施設」内展望スペースからの1Fを見ていただきたい。廃炉作業が進んでいる様子、皆さんはどう思われますか。 筆者にとって、2度目の東電廃炉資料館へ。 事故前は、福島第二原子力発電所をPRする目的で建設された「エネルギー館」。 現在は、大型シアターが設置され、当時の状況等を見ることができる。 展示エリアでは、原

          廃炉への今ー1Fと中間貯蔵施設②

          廃炉への今ー1Fと中間貯蔵施設①

          新年あけましておめでとうございます。 はじめに、石川で大きな地震が発生しました。 被災された皆様へ、心からお見舞いを申し上げ、ご無事をお祈りいたします。 また、救助活動等に尽力される皆様へ敬意を表します。 noteを本格始動した昨年、多くの方に読んでいいただきました。 本年も様々なことをお伝えできればと思います。 先月、2度目の1Fへ。今回は写真が多いので、こちらは前半。 原発政策と1F関連、昨年の動きを振り返る事故から13年が経とうとしている。 昨年は、「GX脱炭素電源

          廃炉への今ー1Fと中間貯蔵施設①

          PFAS汚染を追って〜岡山・吉備中央町〜

          拡大するPFAS汚染の発覚。これまで原因のほとんどは、PFASを製造・使用していた工場や米軍基地周辺からの流出であったが、岡山では、PFASを除去する活性炭が原因ではないかとの憶測が広まっている。 現地の方のお話を伺うべく、吉備中央町へ向かった。 原因が工場からの排出ではない12月26日、所属先の年内最後の視察。 2日間にわたる行程の1日目。岡山県のど真ん中、吉備中央町へ。新幹線で新横浜から乗車、岡山駅下車。ここから車で1時間という距離。 デジタル田園健康特区に指定され、人

          PFAS汚染を追って〜岡山・吉備中央町〜

          PFAS汚染を追って〜静岡市清水区〜

          12月13日、第212臨時国会が閉会。“政治とカネ”問題で、与党の腐敗が露呈し、今本稿を書いているときにも事が動きそうな予感だ。 話はそれたが、ここ1年くらいで全国各地の河川等でのPFAS高濃度汚染が明らかになり、国会で取り上げられる機会が増えた。 環境省でもPFASに対する総合戦略検討専門家会議をこれまで4回開催し、国も一定の対策への姿勢は示しつつあるものの、道半ば。 他方、1日には、WHOのがん専門機関である「IARC(国際がん研究機関)が「PFOAの発がん性は確実」と見

          PFAS汚染を追って〜静岡市清水区〜

          歴史・社会にみる、差別と偏見とは何かー国立ハンセン病資料館を訪れて

          去る11月中頃、国立ハンセン病資料館(東京都東村山市)を見学する機会があった。「ハンセン病」と聞いて皆さんは何を思い浮かべるだろうか。 今回は、常設展・企画展を訪れた筆者の感想をしたためる。 ハンセン病とは何か「ハンセン病」とネット検索すると、厚労省と日本財団の説明が上部ヒットする。以下引用の通り。“最も感染力の弱い感染病”とされる一方、その症状(外見)から、聖書でも書かれるように、差別の対象となってしまったと。 (聖書では、「重い皮膚病」とあり、想定される:諸説あり) 筆

          歴史・社会にみる、差別と偏見とは何かー国立ハンセン病資料館を訪れて

          神宮外苑の“今” 進むスクラップ アンド ビルドを現地から

          10月31日(火)、衆議院議員会館内で『「神宮外苑再開発を止め、自然と歴史・文化を守る」東京都議会議員連盟 』の会合が開催。「神宮外苑の自然と歴史・文化を守る国会議員連盟」との懇談とこの間、同計画の見直しを訴えられている石川幹子氏(東京大学名誉教授/日本イコモス理事)によるレクチャーが行われた。 国政・都政と徐々にその動きは変わりつつある中、今外苑がどうなっているのか、現地の様子も合わせて紹介する。 改めてこの計画はどのようなことか10月5日、外苑再開発計画の見直しを求めて

          神宮外苑の“今” 進むスクラップ アンド ビルドを現地から

          〝知らないうちに決まっている〟政策!?ー臨時国会に向けてー

          秋の臨時国会が10月20日に召集する方針が固められた。 冒頭解散説も出る中、各事務所は選挙体制をどうするかとやきもきしていると察するところ、休会中は内閣改造だけでなく、政治家の質が問われる事案が散見された。 臨時国会に向け、大きな各種法案審議はないものの、先の通常国会の審議も踏まえ、原子力関連政策等について頭の整理を以下メモする。 GX脱炭素電源法と運転期間について先の通常国会では、原発の運転期間40年(+20年=60年)ルールが撤廃された「GX脱炭素電源法」が5月31日に

          〝知らないうちに決まっている〟政策!?ー臨時国会に向けてー

          戦後78年に想う、遺骨収集が語る今

          戦後78年、世界ではロシアによるウクライナ侵攻という戦禍が続き、我が国でも“台湾有事”を扇るかのような報道、沖縄の島々では自衛隊拠点が増え、“新しい戦前”と危惧されているが、「遺骨収集事業」をご存知だろうか。根拠法の改正が今国会でされたが、まだ課題は残るという。戦争を知らない世代が今、“いのち”とどう向き合うか、本事業を通し考えてみたい。 戦後78年目の夏、千鳥ヶ淵で玉音放送ー昭和20年8月15日正午、昭和天皇がラジオを通して、戦争に負けたことを国民に知らせた。 それから7

          戦後78年に想う、遺骨収集が語る今

          1F事故から12年、“反省と教訓”は何処へ

          台風が過ぎ去り、暑さが戻ってきた17日〜18日、1F関連の会合が相次いで開催された。原発推進に舵を切った我が国だが、1F事故後の課題はどうするつもり?地域・市民の理解は得られているの?ALPS処理水の放出が間近に迫る今、政府の姿勢は?各会合のメモを記す。(各論には踏み込んでません…) 原発事故被災者への改善を求める17日午前、原発事故被災者への支援施策等の改善を求める要請書手交・ヒアリング。 「原発事故子ども・被災者支援法」推進自治体議員連盟と福原発震災情報連絡センターから

          1F事故から12年、“反省と教訓”は何処へ

          静岡で考えた、防衛・原子力・環境問題

          静岡と聞いて、何を思い浮かべるだろうか。雄大な駿河湾、緑あふれるお茶畑、そしてもちろん富士山。他にも、桜エビ・生シラスといった海産物に自然環境豊かな当地は、国内有数の観光地。 筆者は、学生時代&20代を静岡で過ごしたが、改めて様々な問題に取り組む中で、今回思い立って幾つか尋ねてみた。 航空自衛隊浜松広報館で、防衛・外交を考えた筆者にとって、静岡は18年ほど暮らした第二の故郷である。今回の旅は、「航空自衛隊浜松基地」に隣接する「同広報館エアパーク」からスタート。 浜松という

          静岡で考えた、防衛・原子力・環境問題

          GX“グリーントランスフォーメーション”【脱炭素電源法】にみる原発運転期間と安全性

          5月31日、5つの法律(原子力基本法、原子炉等規制法、電気事業法、再処理法、再エネ特措法)を束ねた〝原発回帰〟「GX脱炭素電源法」が成立。 原発の運転期間について、“推進官庁”である経産省資源エネルギー庁が、東日本大震災後の翌2012年に“規制”と“推進”の分離のもと発足した原子力規制委員会の事務局である原子力規制庁と、さらには内閣府とも“非公開面談”を繰り返し実施していた。 官僚機構の崩壊もさることながら、委員会審議は実質1ヶ月。拙速な議論で、原発の安全性は担保されるのか。

          GX“グリーントランスフォーメーション”【脱炭素電源法】にみる原発運転期間と安全性