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【浦和明の星女子中学校2020年度入試算数第1問その2】小問集パート2

浦和明の星女子中学校の2回目ですが、前回に引き続き第1問からです。今回は (5) ~ (8) です。

浦和明の星女子中学・高等学校

浦和明の星女子中学・高等学校
2018年9月23日、Urawa-akenohoshi撮影、Wikipediaより

問題

(5) 明子さんが生まれたとき,おばあさんの年齢(ねんれい)はお母さんの年齢の2倍でした。現在,お母さんの年齢は明子さんの年齢の4倍です。2年後には,お母さんとおばあさんの年齢の和は,明子さんの年齢の9倍になります。現在,明子さんは何歳(なんさい)ですか。

(6) 図1 のような 8つの面からなる立体があります。8つの面は全て同じ大きさの正三角形で,青,赤,黄,白,緑,黒,茶,紫(むらさき)の 8色で塗(ぬ)られています。この立体を上から見ると図2 のように見え,下から見ると図3 のように見え,横から見ると図4 のように見えました。この立体の展開図に残り 4色の色を書き入れなさい。

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(7) 次の 2つの表は,ある小学校のクラスで行った算数と国語のテストの結果を整理したものです。ただし,国語のテストでは 1人が欠席していました。次の①~③について,表から読み取れることとして,必ず正しいと言えるものには○,そうでないものには×を解答欄(かいとうらん)に書き入れなさい。

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40点以上60点未満の人数について,それぞれの全体に対する割合は,算数より国語の方が大きい。
国語のテストで,ちょうど真ん中の順位の人の点数は,70点以上80点未満である。
算数の平均点は,60点以上である。

(8) 容器 A には 12% の食塩水が 200g,容器 B には 6% の食塩水が 300g 入っています。2つの容器 A, B からそれぞれ同じ重さの食塩水を取り出して,A からの分を B に,B からの分を A に入れました。その後,容器 A, B の速円錐からそれぞれ水分を全て蒸発させたところ,2つの容器には同じ量の食塩が残りました。容器 A, B から取り出した食塩水は,何g ずつでしたか。

解答解説

前回よりは重めの問題ですが、あくまで小問ですので、いかにスピーディーに解いていくかがカギとなるでしょう。

(5) は案外手間取るかもしれませんが、現在の明子さんの年齢を基準に考えるのが易しいと思います。まず、明子さんが生まれたときと現在のお母さんとおばあさんの年齢を考えます。

・現在のお母さんの年齢は現在の明子さんの年齢の4倍
・明子さんが生まれたときのお母さんの年齢は現在の明子さんの年齢の 4 - 1 = 3倍
・明子さんが生まれたときのおばあさんの年齢は現在の明子さんの年齢の 3 × 2 = 6倍
・現在のおばあさんの年齢は現在の明子さんの年齢の 6 + 1 = 7倍

これで、現在の3人の年齢が分かりましたので、あとは2年後を考えればいいだけです。

・2年後の明子さんの年齢は現在の明子さんの年齢 + 2
・2年後のお母さんの年齢は現在の明子さんの年齢 × 4 + 2
・2年後のおばあさんの年齢は現在の明子さんの年齢 × 7 + 2

です。2年後のお母さんとおばあさんの年齢を足すと、現在の明子さんの年齢 × 11 + 4 となります。これが、2年後の明子さんの年齢の9倍、すなわち、現在の明子さんの年齢 × 9 + 18 になると言っています。すると、現在の明子さんの年齢の 2倍が 18 - 4 = 14 になるといっているので、現在の明子さんの年齢は 14 ÷ 2 = 7歳 となります。

説明のために丁寧に書いていますが、実際に解くときにはこんな風に文章として書くことはないでしょう。必要な情報だけでテキパキと解いていくことが重要です。

ところで、明子さん7歳、お母さん28歳、おばあさん49歳…昔ならともかく、今の時代としては若すぎますね。(^^;;

(6) は、何色と何色が隣り合っているかを追っていけばいいと思います。上から見たときの図2に対して、裏側の色が何になっているかが重要で、それが分かればそれほど難しくはないと思います。

実際に求めてみると、図4に青と赤の裏側が書いてあるので、それを参考に黄と白の裏側を図3から求めると
・青⇔黒
・黄⇔紫
・白⇔茶
・赤⇔緑
となります。ですので、展開図に書き入れると、(黒、緑、茶、紫)、黄、青、赤、白、となります(下図参照)。

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(7) は一つ一つ確かめるだけです。

は、分子にあたる40点以上60点未満の人数が両方15人ですが、分母にあたるテストを受けた人数が国語の方が1人少ないので、国語の方が割合が大きくなります。したがって、答えは○になります。

は、問題文から即答で×です。

理由をお話しすると、表には60点以上80点未満でしか情報が与えられておりません。その中の分布がどうなっているかが分からないので、全員が60点かもしれないし、全員が79点かもしれない。

そんな中で、仮に真ん中の20番目の人が60点以上80点未満であったとしても、70点以上80点未満かどうかは判断できません。だから、この問題を見ただけで×と書くことができます。

実際、80点以上が 14人、60点以上が 14 + 15 = 29人となりますので、60点以上80点未満に20番目の人がいることになりが、上記の通り×になります。

は少し難しく感じたかもしれません。算数の平均が60点以上というのが必ず正しいと言えるためには、それぞれの点数の範囲で一番小さい点数を全員が取っていたとしても平均が60点以上である必要があります。ですが、

(20×4+40×9+60×15+80×12)÷40 = 2+9+22.5+24=57.5

であり、60点以上ではないので、答えは×となります。

この③ですが、平均が60点以上かどうかをはんだんするだけなので、
・20点=60点に40点足りない人が4人⇒40×4=160点足りない
・40点=60点に20点足りない人が9人⇒20×9=180点足りない
・80点=60点より20点余分な人が12人⇒20×12=240点余分
と数えると、160+180-240=100点分足りないので、平均は60点より小さいとわかります。

いわるゆ仮平均という考え方ですが、これを使えると、普通に平均を求めるよりも出てくる数が小さいので、計算が楽だと思います。

余談(よだん)ですが、仮平均を使うと、仮平均60点で合計100点足りなかったので、

60 - (100 ÷ 40) = 60 - 2.5 = 57.5点

と平均が求まります。(この辺りは中学で習うのかな?)

(8) は、まず容器 A, B の食塩の重さを計算します。
・容器A: 200×(12/100)=24g
・容器B: 300×(6/100)=18g
で、容器A の方が 6g だけ多いので、3g を容器 A から容器 B に移す必要があります。

ところで、容器 A と B の間で 100g の食塩水を入れ替えると、12 - 6 = 6g が容器 A から B に移ることになるので、3÷6×100 = 50g を入れ替えればよいことになります。

今回は前回以上にいかに効率よく解くかが問われる問題となっています。問題によってはすぐに解けないということもあったかもしれません。そういうときは、一度問題を飛ばす勇気も必要かもしれません。

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