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中編小説

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短編よりもちょびっと長め。 『アクセサリーを探して。』完結 『人生の戦友の話をしようか。』連載中
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アクセサリーを探して⑦Fin.

アクセサリーを探して⑦Fin.

テーブルの上に並ぶ非売品のSNOWMANのストラップと、
彼が私の為に探してくれたブレスレットと、
子犬の様な目でこちらを見る真正面に座る彼を見て、

私は「ありがとうございます」としか言えなかった。

貸し切り

あれからまた月日は流れ、4月になり、私は変わらず東京に居る。

世間は相変わらずコロナで大変で、でもその今、私は生きている。

大変という言葉で片付けるのはよくないと分かりながらも、

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アクセサリーを探して⑥

アクセサリーを探して⑥

「同じもの頂けますか?」

店に到着し軽めの挨拶を済ませた後、店内に唯一いる男性にカフェラテを注文した。

私自身、カフェをすること自体は慣れている。

しかし、男性とカフェをする事が慣れていない事と、思ってた以上に落ち着いた雰囲気のある店内で、周りをきょろきょろしてしまった。

先ほどのオーナーらしき男性が気に入ってそうなアンティーク調の家具に、レコードから流れるジャズミュージック。

思ってい

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アクセサリーを探して⑤

アクセサリーを探して⑤

「来てくれてありがとう。
メンバーに相談したら、ファンじゃないなら来てくれない可能性あるかもよ、って言われてたから不安だったんだ」

そう言われた直後、彼と待ち合わせをしているのは本当に私で間違いないのか、を自分自身に問いただしていた。

Cメール

あの夜、初回限定版のCDをあげると言われた後、
「迷惑かな?」
とまた子犬の様な目で首を傾げて見てきたが、「貰えるなら貰います」
という可愛くない返

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アクセサリーを探して④

アクセサリーを探して④

ストーカー被害の相談を先輩にして以降、
「東京の夜道は話しかけられても無視しなさい。危ないからね」と忠告されていた。

私はそれをずっと守っており、今夜もまた守って帰宅するはずだった。

カイロ

実家で年末年始を迎えた時に、妹にあるお願いをされていた。

「誕生日プレゼントは、SNOWMANの3rdシングルの初回限定版を含めた3つのCDが欲しいから、予約して郵送して」と。

まさか妹がいつの間に

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アクセサリーを探して③

アクセサリーを探して③

先輩が好きなアイドルのCDのジャケット写真を見て真っ先に思ったのは、
面接に来ていた彼の事でもサクマ君の事でも無く、交差点で出会った彼の事だった。

すぐに気づけなかったけど、分かった時には自分の中で時が止まり、
まばたきを忘れ、呼吸が一瞬止まり、思い出した時に目をぱちぱちさせた。

メール受信1件

あれから数か月が経ち、間もなく忘年会やらで盛り上がる頃になった。

あの衝撃的なCDを見てから、

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アクセサリーを探して②

アクセサリーを探して②

「東京、どう?」
そう聞かれる度に、そんなだなぁと答えてしまっている自分がいた。

サービス業の会社勤めだからといって、友達作りが上手いわけでは無く、どこかにふらっと呑みに出かける事も無く、
ただ本社で毎日、ホテルの現場とは全く違う、人事課の仕事に取り組んでいた。

引き出しのCD

「今日面接に来る子、可愛い系のイケメンらしいよ」
そう先輩方がはしゃいでいる姿を見て、この会社は顔採用なのかな?

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アクセサリーを探して①

アクセサリーを探して①

信号待ちして周りを見渡すと、
「あ、私、本当に東京に居るんだ」と心底実感できる。

周囲にある高い建物ばかりが私を見下ろし、イヤホンをしても車の騒音は消える事が無い。
信号待ちには大勢の人が並び、同じ方向に向かって行く人も居れば、違う人も、急いでる人も、マイペースに歩く人もいる。

似ている服装をしている人や、持ち物はそれぞれ違う為、
毎日一緒の通勤を繰り返す日々では、この人は駅行きとか、あの人は

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