ゆい丸

摩耗しきる前に、書きたいことを書きたいだけ。

ゆい丸

摩耗しきる前に、書きたいことを書きたいだけ。

最近の記事

  • 固定された記事

過去を振り返ると自分の卑小さが笑えてくる

「カフェに入った。適当に期間限定のものを頼む。 パンプキンなんちゃらというやつだ。オレンジのクリームが乗っていて、うまい。 それをちびちびと飲みながら本を読む。 駅前の書店で買ってきたもの。気の抜けるような表紙のコミックエッセイと、タイトルが衝撃的なノンフィクション。 私がのんびりとページをめくっていると、すぐ隣に美人が座った。美人は美人でもチャラい系。ゆるゆるに巻いた金髪に真っ赤なルージュ、持っているバッグは小さいけどゴテゴテしてる。 彼女は席に腰かけるとホットコ

    • 己の時間に価値は無いのか

      待ちました。 1時間待ちました。 連日の仕事に疲れ果て、睡眠に充てたかった1時間。 翌日の仕事がハードだと分かっているから、休息に充てたかった1時間。 貴重な休日の、1時間。 時間指定をしてきたのは相手側。 遅れるという旨の事前連絡も無く、こちらから尋ねてようやく返ってきた返事。 悪びれもせず朗らかに接してくるその態度。 ふざけるな。 家族だからという甘えが大嫌いだ。 この1時間は、自分にとって無駄な1時間となってしまった。 本当はやるべきことも、やりたいことだってあ

      • お盆休み、気付けば残機僅か

        お盆休み、約一週間ほどありました。 けれどそれも、残り僅かとなりました。『あっという間』という言葉は、まさしくその通りだと思います。 上司からの「帰省するの?」という質問に「しません」と答えて。 バイトの子たちの「甲子園見に行こうと思って」「海外旅行に行く予定です」などという話を聞いて。 私も何か特別なことをしようか、とは何度も頭を過った考えです。それこそ旅行とか。 普通の会社員ですが、大なり小なり責任のある立場にいるため、普段は連休なんて滅多に取れません。いや、制度とし

        • 『欠勤連絡』に出る人間性

          「休もうと思ってて…」 …ん? 一瞬引っ掛かるような感覚があったものの、そのまま会話を進め、電話を切った。 バイトの子からの欠勤連絡。 受話器を置いてから会話を思い返し、やっぱり、…ん?と思った。 「休ませていただきたいと思いまして…」 うん、事前に連絡してくれてありがとう。 「休みたいと思って…」 うん、連絡ありがとう。 「休もうと思ってて…」 …ん?やっぱり違うな。 「休もうと思ってて…」 この言葉から察するに、彼の中では休むことが既に確定しているのだと分かる。 勿

        • 固定された記事

        過去を振り返ると自分の卑小さが笑えてくる

          体が拒否反応を示している

          ゴールデンウィークも終わり、日常が戻った。 出勤日、体調を崩した。吐いた。熱が出た。 前日から予兆は出ていた。ふとした瞬間にえずくようになったり。体が重くなったり。頭痛がしたり。夜なかなか寝付けなかったり。 この感覚には覚えがある。前職で大きなストレスを抱えた時と、同じだ。 体が仕事に行くのを拒否している。 でも今の仕事は大丈夫だと、行ってしまえばあとはすぐに時が流れるからと、そう思っていた。 駄目だった。体が仕事に行くのを拒否している。 思うように体は動かない

          体が拒否反応を示している

          働くために生きてるわけじゃないのだから

          「仕事でやりがいを感じる瞬間ってないの?」 先日、上司から言われた言葉だ。 昇進に興味はなく、むしろ降格を望む私に対して、素直な疑問だったのだろう。 「無いですよ」 即答したら、驚かれた。 むしろその反応に驚いたのは私の方だ。なぜやりがいを持って働くことが当たり前だと思っているのだろうか。 働くために生きてるんじゃない。生きるために働いてるんだ。そう思っている人は少なくないはず。 仕事は嫌いだ。と言うか、働くことが嫌いだ。家でぼーっとしたり、動画を見たり、漫画を

          働くために生きてるわけじゃないのだから

          変わらず渦巻くものもある

          「たまに、無性に舌打ちをしたくなる。 無性に、と言うと、「無性に泣きたくなる」だとか、「無性に腹が減る」だとか、どちらかと言えば負を連想させる言葉が続くのだろう。 例によって、舌打ちという行為もあまり良い意味のものではない。 自分の育ちが悪いのかとも思うが、然程そうでもないはずだ。金はあまり無いが食事はよその家より豪華だったし。代わりに衣服代をちょっぴり削るような、普通の家。 父も母も健在。ちなみに兄も健在。両親は高齢だが割かしまともな人間だし、躾だって一般的だった。

          変わらず渦巻くものもある

          自分の声が好きじゃない

          声って、思い通りにならない。 自分の声が嫌いです。女の割に少し低くて、はっきりしなくて、卑しさの滲む声。もっと綺麗な声に生まれたかったと何度思ったことか。 自分の声を自覚したのは、中学生の頃。ニコニコ動画全盛期。歌ってみたが流行っていて、キャラの声真似動画なんかも多かった。自分も何かやってみたいと試しに録音してみたら、思ってた声と全然違った。なんだこの声は。気持ち悪い。 骨を通した音が自分の聞こえている声。周りに聞こえたのは空気を通しただけの声。理科の授業でそれを知って

          自分の声が好きじゃない

          呼吸するのが難しい

          酸素を吸って、二酸化炭素を吐く。ただそれだけの動作が煩わしく、億劫で、ひどく苦手です。 常に肺は重くて、何かの病気なんじゃないかと危惧するも、結局はただの気の所為だったりする。思い通りにできない、ならない。 生きるって、究極を突き詰めれば「呼吸」だと思うんです。必要なものを吸って、不要なものを吐き出す。その繰り返し。 食事と排泄。愛と無関心。買と売。酸素と二酸化炭素の関係で成り立つ営みです。ひどくシンプル。 でも、シンプルだからこそ難しい。生きるのが難しい。 何も考

          呼吸するのが難しい