
生きづらい方あるある:名前を呼ばれるのが怖い
みなさんは、自分の名前は好きですか?
生きづらさを抱える方の中には、自分の名前が原因で余計な苦労をする羽目になってしまい、
自分の名前が嫌いになって今も苦しんでいる、という方もいると思います…
(これについては後々取り上げたいと思います。かなり後になるかもしれませんが…)
一方で、自分の名前そのものは嫌いじゃないけど、
名前を呼ばれることが嫌になってしまった、という方も数多くいらっしゃいます。
今回は、名前を呼ばれることに対する恐怖についてのお話です。
親に名前を呼ばれたのはどんな時?
ヒトは、主に他人に用がある時や伝えたいことがある時に、その人の名前を呼びます。
あるいは、特に用がなくても呼んだりすることもあるかもしれません。
生まれて初めて自分の名前を呼ぶのは、だいたい父親か母親です。
(母親はまさに出産のつらさの中にいるので、父親の方が多いと思います)
その後も親は、あらゆる場面で子どもの名前を呼びます。
子どもに何かを伝える時、心配な時、褒める時、叱る時…
本当に様々なシチュエーションで子どもの名前を呼びますが、
このシチュエーションのバランスが悪いと、子どもは名前を呼ばれた時にその後何を言われるかを予想してしまいます。
これが、「名前を呼ばれる恐怖」を生む第1の理由です。
先生に名前を呼ばれたのはどんな時?
子どもは幼稚園や保育園に入ると、先生や同級生からも名前を呼ばれるようになります。
そしてそれは小学校、中学校と続いていきますが…
小学校に入るあたりから、子どもの成長が目に見えて大きくなり多様性も生まれるので、
子どもの成長を促すため、また間違った方向に伸びるのを食い止めるために、親や教師が子どもを叱ることが増えていきます。
この目的を見失い、ただ不快だから怒るとか、怒りたいから怒るみたいになってしまうか、
あるいは叱る頻度が多すぎたりすると、子どもはそれを見抜いて「学習」してしまいます。
結果、「名前を呼ばれる=怒られる」という誤学習をしてしまうことに…
「名前を呼ばれる恐怖」を生む第2の理由です。
上司に名前を呼ばれたのはどんな時?
社会人になると、多くの場合どこかの会社に就職し、研修を受け、上司のもとで働くことになるのですが、
社会人になった時点で、仕事で成果を出すよう求められます。
といっても1~2年目では期待された成果を出せないほうが当たり前なので
(むしろいきなり成果が出ていたら上司の立場がなくなってしまいます)、
大抵は叱責を受けることになります。
ほとんどの場合、名前を呼ばれてから叱られるというふうにセットになっているので、
ここで「仕事を頼む」とか「褒める」とか「他愛のない会話をする」みたいな理由でも名前を呼んでいないと、
「絶対に押すなよ!→押される」とか「ぬるぽ→ガッ」みたいな感じで、
「名前を呼ばれる→叱られる」のお約束が完成してしまいます。
「名前を呼ばれる恐怖」を生む第3の理由です。
もし今後わたしに部下ができたら、本当に気をつけなければならないですね…
原因1:叱られた経験による誤学習
ここまで書いてきた3つに共通するのは、
「名前を呼ばれた後叱られた」という経験の多さや強さです。
こうした経験は程度の差はあれ誰しも持ち合わせているのですが、
生きづらさを抱える方、特にHSPな方はその高い危険察知能力から、
「名前を呼ばれたらよくない事が起こる」と学習してしまいやすいのです…
要因2:自己肯定感の低下による先読みの誤り
こういった誤学習は名前を呼ばれるだけでなく、
電話がかかってくる、メールが来るなど、
何らかの手段で自分が呼び出される時に発生しやすいものです。
この時、自己肯定感が低いと「自分は役に立たない」と思ってしまうため、
「役に立たない自分に用があるということは、自分を怒ってくるんだ」と思い込み、
着信音やメールの通知音が鳴った瞬間に恐怖を抱いてしまいます。
過去に叱られた経験が多すぎると自己肯定感を失いやすく、
それがまた「呼び出し」への恐怖を増長してしまうのです…。
「呼び出し恐怖症」は克服すべきか
と訊かれたら、「どちらともいえない」と答えます。
というのも、あなたがこれからどう生きていくかによって、
より良い結果を招きやすい答えが変わるからです。
例えば、本名を使って仕事をしていくのであれば、本名を呼ばれるのに慣れていないとつらいかもしれません。
そこで「この恐怖の状況を改善したい」と思ったら、克服に向けて行動していくことになります。
恐怖症の克服には様々な方法がありますが、「名前を呼ばれても怒られなかった」という成功体験を積むことが近道ではあります。
ただ、「名前を呼ばれる恐怖」を抱いた状態でそれをやることになるので、メンタルへの負担が大きいという問題があります…
例えるなら、近道用の(ボロボロな)吊り橋のようなイメージでしょうか。
一方で小説家や漫画家などのクリエイティブな仕事では、芸名やハンドルネームを使うことが多い方もいるでしょう。
「名前を呼ばれる恐怖」は、個人差はあるものの、
本名ではない名前(あだ名、芸名、ハンドルネームなど)で呼ばれる場合は恐怖を感じないか、恐怖が大きく軽減されることがあります。
おそらく、その名前を呼ばれた後に嫌な思いをすることがなかったからだと推理しています。
本名を呼ばれる必要がない場合、無理に克服する必要はないでしょう。
意味もなく自分に負荷を強いることは、不要なリスクでしかありません。
対策:あだ名で呼んでもらう
それでも本名で呼ばれるのが怖いと感じるなら、あだ名をつけてもらうという手もあります。
人によってはあだ名が怖いという方もいることでしょう。
これも、いじめなどによる誤学習が原因です。
小学校であだ名が禁止になるのも、「学校が誤学習をしてしまった」からかもしれませんね…
あだ名が怖いのは不適切なあだ名をつけられるからであるため、
そうではなく信頼できる友人と話してお互い同意の上であだ名をつけられたのであれば、次第に恐怖は収まっていくでしょう。
以上、「呼ばれるのが怖いのは、過去のつらい経験による誤学習が原因」というお話でした。
この「生きづらい方あるある」の記事、もしかしたらシリーズ化していくかもしれないし、しないかもしれません。
もし「今後も見たい」という方がいらっしゃいましたら、スキして頂けるとありがたいですし、今後の励みになります。
よろしくお願い致します。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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