「嘘つき」は「嫌い」の始まり

「なぜ嘘をついてはいけないの?」って訊かれたら、あなたは何と答えますか?

昔なら「相手に迷惑がかかるから」とか「自分の信用を失うから」というのもあるけど、今は「自分を嫌いになるから」だと、あたしは思う。

ひとつ嘘をつくと、その嘘を正当化しようとして、また嘘を積み重ねる。その嘘を守ろうとして、更に嘘を重ねる。だんだん自分の「本当」と乖離して、どんどん苦しくなる。逃げたくて、その相手と疎遠になったり、自分を傷つけたり…。

結局、自分の事を嫌いになって、自分で自分を否定する。「自分は価値の無い人間だ」とか「自分に生きてる意味はあるのか?」とか、「自分みたいなダメ人間は、消えてしまった方がいい」とか。

でも、そもそも、何で嘘をつくんだろう?あたしは「短期的な自己防衛」だと思っています。

その時その場では、自分の「何か」を守るために、嘘をつく必要があった。プライドだったり宝物だったり家族や友達や恋人だったり、自分の恥部だったり…。

守りたいもののために、明かす事ができなかったり、相手を信じる事ができなかったり、きっと誰しも経験があるんじゃないかな?もちろん、あたしもたくさん嘘をついたし、正直今も嘘をつく事があります。でもあたしが「嘘」で手に入れる「つらい」を、受け止めてくれる人が、今のあたしにはいます。その人には「こんな嘘をついて、自分でイヤだなぁって思った」って、正直に話しています。彼女からすれば「いい迷惑」かも知れないけど、逆に彼女もあたしには「本当」を話してくれます。

あたしは「嘘をついてはダメ」って言えない。けど「その嘘を評価せずに、ただ聞いてくれる人」の存在が、結果的にあたしの嘘の回数を減らしてくれるし、「正直になれる自分」に戻してくれる。これでやっとバランスを保っています。

正直者でいると、その場は苦しむけど、その「正直」を受け止めて、アドバイスが得られたりする。時には叱られたり、お説教をもらう事も必要。人は自分に無関係でいて欲しい人には期待しないので、アドバイスやお説教をしないもの。全てを受け止めるのは難しいけど、自分に必要と思った事を取り入れたり、真似たりすれば、きっとそれでよいんじゃないかな?

あと、自分では「冗談」と思っても、受け止める側が「嘘」と思えば、それは嘘だから。

くれぐれも、自分を傷つけないでね。

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