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本当にあったイソップ寓話のようなお話


ちょっと疲れてくると、

うっかりやらかしちゃうことってありますよね?

 

その日はわたしも疲れていました。

 一日の仕事を終えて、やれやれ・・・

 

 家に着いて、車を降りて、ふと見ると・・・

 

ガソリンタンクの扉が開けっ放し!

中を見ると・・・

 

キャップがない!!!

 

「やばい!やばい!」

「さっき給油したときだ!」

 

 わたしはあわててガソリンスタンドに戻りました。

 

もう遅い時間だったので、

店は薄暗く、

「誰かいるかな~?」

と思いながら、

「すみませ~ん!」

と訪ねると・・・?

 

中から、昼間は見かけたことのない、

初老のおじさんが出てきました。

 

 夜間のお留守番のおじさんかな?

この人でわかるかな?

そもそもタンクのキャップを忘れて取りにくるなんて、

まぬけなやつと思われるかな?

 

そんな不安な気持ちで、

おそるおそる尋ねました。

 

「あのお~、ガソリンタンクのキャップ、

 置き忘れちゃったみたいなんですけど、

 ありますかね~?」

 

すると、おじさん、

「あ~ちょっとお待ちください。」

と、奥へ。

 

そしてまもなく、

「今日の忘れ物はこの2つです。」

と、両手にキャップを持って登場したのです。

 

 わたしはなんだかうれしくなっちゃいましたよ。

 

 「他にもいたんだ~こんなまぬけな人」

って・・・( *´艸`)

 

そして、その2つのキャップをよ~く見比べました。

 

 ひとつはつやつや。

ひとつはがさがさ。

 

 一瞬よぎりました。

昔読んだこんなお話が・・・

 

 あなたが落としたのは、

金の斧ですか?

 

それとも・・・

銀の斧ですか?

 

そうです!

「金の斧」というイソップ寓話です。

 

 あ~これは、たしか

欲をかいちゃいけないんだよな。

正直に答えると、

全部もらえるって話だったよな~

 

 そして、わたしは正直に・・・

・・・というか、

どっちかよくわかんないけど、

がさがさした古ぼけたキャップを指さし、

「たぶん・・・こっちかな~?」

って答えたんです。

 

 すると、おじさんは、

そんなわたしの正直な姿に

胸をうたれたのか?

 

「ちょっとお待ちくださいね。」

と言って店の奥へ・・・

 

 そして、 

手に持ってきたのは

箱に山積みのキャップ!

 

 げげげ!

こんなに?!

 

 「ちなみに、持ち主の出てこないキャップ、

これだけありますから、

どれでも気に入ったのをお持ちください。」

 

 「いくつでもどうぞ~」

 

 わたしは思いましたよ。

 

本当だったんだ~

あのお話・・・ (';')



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