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OPS分解から打線を読み解く~Part3~

前項にて、下記のような強力打線共通のエッセンスを用いて、セリーグ6球団の打線の特徴と課題を明らかにしていきました。Part3となる本稿では、残りのパリーグ6球団について、それぞれの打線の特徴と課題を明らかにしていきたいと思います。

タイプ別打者分類
1.主要打者のうち①タイプ4名は必須
2.高出塁型より高長打型を集めた方が得点に繋がる(高長打型最低6名)
3.一芸を持った③タイプは貴重な打線のピースとなりうる
打線の型
1.パワー+スピード型 
2.中距離打者集合型
3.パワー+出塁型
4.長打圧倒型
打順構成
1.3番、4番に①タイプを置くのはマスト
2.2番には高打率+俊足+小技と器用な打者を置けると、打線の潤滑力が上がる
3.5番に高長打型を置くのもマスト
※各球団のメンバーは日本プロ野球RCAA&PitchingRunまとめblogさんの打線アーカイブを参考にしています。

1.西武

エースの菊池雄星のMLB移籍、3番を務めた浅村栄斗と炭谷銀仁朗のFA移籍があり、大幅な戦力低下が危惧された2019年の西武でしたが、圧倒的な野手力は健在で見事2年連続のリーグ優勝に輝きました。ただ、不動のリードオフマンである秋山翔吾のMLB移籍により、2020年は厳しいシーズンとなることが予想されます。果たして、再びソフトバンクの牙城を崩すことが出来るのでしょうか?

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タイプ別打者分類
1.主要打者のうち①タイプ4名は必須→○
2.高出塁型より高長打型を集めた方が得点に繋がる(高長打型最低6名)→○
3.一芸を持った③タイプは貴重な打線のピースとなりうる→○

まず主力選手のタイプ別打者分類を見ると、①タイプが6名、②タイプが0名、③タイプが2名、④タイプが3名となっています。山川穂高、森友哉、中村剛也らタイトルホルダーを含めた6名の①タイプがいることから、1と2はクリアとなります。俊足かつ小技もこなせる源田壮亮が2番に入り、打線の潤滑油として機能していることから、3についてもクリアとなります。浅村という核が抜けたものの、外崎修汰、森、中村が昨年より成績を伸ばし、穴を最低限に抑えてみせました

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打線の型
1.パワー+スピード型 
打順構成
1.3番、4番に①タイプを置くのはマスト→○
2.2番には高打率+俊足+小技と器用な打者を置けると、打線の潤滑力が上がる→○
3.5番に高長打型を置くのもマスト→○

続いて打線の型を見ていくと、シーズン二桁盗塁を記録した選手が5名を数えるなどスピードをウリとする選手が多くいます。森や中村も走塁意識は高く、歴代でも屈指の傑出度を誇った2018年の打線と同様に、パワーとスピードを組み合わせた打線であったと言えましょう。

打順構成については、主に3番入った外崎や森、4番に入った山川や中村はいずれも①タイプであることから、1についてはクリア。2番に源田を配置できていることで、2についてもクリア。①タイプの森や外崎を5番に据えたために、3についてもクリアとなっています。以上より打者の構成や打順構成、ともに優れていたことが分かります。これによって、2018年に次ぐ圧巻の得点力がもたらされたのでしょう。

そんな優れた成績を収めた西武について、2020年への課題としては、
1.秋山の穴をどう埋めるか
となりそうです。

現状に特に問題がないため、2020年に向けたカギは秋山の穴をどのようにして埋めていくかとなるでしょう。①タイプの秋山が抜けることで、中軸へのお膳立てだけでなく、下位打線の出塁も生かせなくなる可能性が高くなります。若手の突き上げも見られないため、当面は④タイプの金子侑司を1番に据えるような形となりそうですが、パワー+スピードの山賊打線の特性を発揮する機会はおそらく減少するため、得点力は伸び悩みそうです。2019年レベルの攻撃力を維持するには、新外国人のスパンジェンバーグなどの新顔の大活躍は必須ではないでしょうか。

2.ソフトバンク

2年ぶりのリーグ王座奪還と日本シリーズ3連覇が至上命題でしたが、柳田悠岐など故障者が続出。日本シリーズこそ圧勝で制しましたが、リーグ戦ではまたもや西武に足元をすくわれる形となりました。楽天やロッテが積極的な補強を見せる中、2020年こそリーグ制覇と日本シリーズ4連覇を果たしたいところです。

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タイプ別打者分類
1.主要打者のうち①タイプ4名は必須→×
2.高出塁型より高長打型を集めた方が得点に繋がる(高長打型最低6名)→○
3.一芸を持った③タイプは貴重な打線のピースとなりうる→×

まず主力選手のタイプ別打者分類を見ると、①タイプが2名、②タイプが5名、③タイプが4名、④タイプが2名となっています。①タイプが柳田とデスパイネの2名のみのため、1についてはクリアならず。グラシアルや松田宣浩など高長打型は多くいたため、2についてはクリア。③タイプで際立った個性を持つ選手が、打線に組み込まれることはなかったため、3についてはクリアとはなっていません。強大な戦力を保持しているという印象のあるソフトバンクですが、このような分類を行ってみると①タイプは案外少なく、こと打線という面では①タイプが6名を数える西武の方が役者ぞろいと言えましょう。

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打線の型
4.長打圧倒型 
打順構成
1.3番、4番に①タイプを置くのはマスト→×
2.2番には高打率+俊足+小技と器用な打者を置けると、打線の潤滑力が上がる→○
3.5番に高長打型を置くのもマスト→○

続いて打線の型を見ていくと、③タイプを挟みながらも、①タイプもしくは②タイプが多く配置されており、高長打型の多い編成となっています。7名が二桁本塁打を記録し、2番を主に打った今宮健太や9番を主に打った上林誠知が②タイプということからも、長打圧倒型の打線となっていると言えるでしょう。

打順構成については、万全なら柳田が3番でしたが③タイプの内川聖一が座るケースも多く、1についてはクリアならず。打率は平均レベルですが、14本塁打を放ち、時には小技も決めることのできる今宮が2番に座ることから、2についてはクリア。5番には、②タイプのグラシアルや松田が入ることの多かったため、3についてもクリアとなります。柳田を故障で欠いたのが痛く、強力打線の必須項目である1をクリアできていませんが、元々タレントは多く故障者さえ戻れば十分強力打線を作り上げられる素地はありそうです。

以上より、ソフトバンクの2020年に向けた課題としては、
1.高出塁型を増やす
2.1番打者の強化
3.①タイプの打者を打線に配置する

の3点が挙げられるように思います。

まず高長打型が多くいて、7名が二桁本塁打を放つなど、長打が応酬しながら得点が伸びなかったのは、ひとえに本塁打の効率が悪かったためと言えそうです。その改善には、走者を溜めた状態を作り出す必要があるため、高出塁型をもっと増やす必要があるでしょう。2019年は柳田中村晃といった、高出塁型を欠く期間が多かったため、この両名が健康体であれば本塁打の効率は上がりそうです。

上位打順の1番や3番に然して特徴もない③タイプが配置されているのも課題です。3番については、柳田が万全であれば簡単に埋められますが、1番についてはどうでしょうか?正直出塁能力も長打力も低い牧原大成を置くのは、得点効率的にはマイナスでしょうし、ここには他の選手を起用したいところです。中でも上林なんかは、2019年は不振だったものの長打力とスピードを兼ね備えているため、かつての仁志敏久的な1番打者になれる素質はあると思います。

①タイプが2名しかいない構成となっているのも、強力打線を形成するうえで大きな課題です。4名は欲しいところですが、このオフに①タイプのバレンティンの補強に成功したため、1名は増やすことに成功しています。もう1名について、その他に候補となりそうな選手は現状いませんが、そのような選手が仮に出てくれば、秋山の抜ける西武を上回る強力打線の形成も可能でしょう。

3.楽天

浅村栄斗、ブラッシュの長距離打者の補強が功を奏し、打線の得点力は大幅改善。前年から100得点以上増加させ、エース格の則本昂大や岸孝之が長期離脱しながら2年ぶりのAクラス入りとなりました。今オフにはロッテから鈴木大地を獲得し、更なる打線の強化に成功。西武やソフトバンクの牙城を崩せるか、期待がかかります。

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タイプ別打者分類
1.主要打者のうち①タイプ4名は必須→×
2.高出塁型より高長打型を集めた方が得点に繋がる(高長打型最低6名)→×
3.一芸を持った③タイプは貴重な打線のピースとなりうる→○

まず主力選手のタイプ別打者分類を見ると、①タイプが3名、②タイプが0名、③タイプが4名、④タイプが4名となっています。①タイプが浅村、ブラッシュ、ウィーラーの3名のみということから、1はクリアならず。前述の3名以外に高長打型がいないことから、2についてもクリアならず。③タイプながら打率.304を記録する銀次がラインナップに名を連ねることから、3についてはクリアとなっています。浅村やブラッシュと言った、攻撃の核となる選手は出来たものの、それ以外の選手は長打力に欠ける小粒な打線で、まだまだ改善の余地のある構成と言えそうです。

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打線の型
3.パワー+出塁型
打順構成
1.3番、4番に①タイプを置くのはマスト→○
2.2番には高打率+俊足+小技と器用な打者を置けると、打線の潤滑力が上がる→○
3.5番に高長打型を置くのもマスト→×

続いて打線の型を見ていくと、高出塁型に該当する①タイプと④タイプの選手が6名ラインナップに名を連ねているという点から、打線全体の長打力不足感は否めないものの、パワー+出塁型の型が最も近いように思います。

打順構成については、新加入で①タイプの浅村とブラッシュが3番、4番に座っていることから1についてはクリア。様々な球種への対応力も高く、日本的な2番としての適性を兼ね備える島内宏明が2番を打っているため、2についてもクリア。高打率ながら③タイプの銀次が5番を打つことが多かったため、3についてはクリアには至っていません。3番、4番に右打者が並ぶために、左打者でチーム随一のコンタクト力を持つ銀次が入ることが多くなっていたと推測されるため、鈴木大地の加入する2020年には5番の問題は解消されそうです。2019年の並びをキープできれば、2020年も強力打線の要件を備えた打順構成を実現できるはずです。

以上より、楽天の2020年に向けた課題としては、
1.高長打型を増やす
2.打線の厚み強化

の2点となるのではないでしょうか。

まず、楽天打線における一番の課題は、いまだに少ない高長打型を増やすことでしょう。浅村とブラッシュが加入したにも関わらず、高長打型が3名と他球団と比較しても少なめの人数となっています。ここへの対策としては、ロッテから①タイプの鈴木大地を獲得したことが一番でしょう。その他にも、2018年に18本塁打を放った田中和基茂木栄五郎も①タイプに至れる能力は持っているため、彼らの長打力が遺憾なく発揮されれば自然と解決する課題だと考えられます。

また、5番以降に③タイプが固まっており、得点源を上位打線に依存し、下位打線の破壊力に乏しい構成となっています。鈴木大地の加入で改善は見込めますが、もう一枚②タイプの打者なんていると、敵チームからすると気の抜けない打線へと変貌するように思います。また、辰己涼介がその俊足を生かせれば、西武の金子侑司のように9番から足技で敵投手を崩していくも可能になるでしょうから、そのような打順構成を考えてみても面白いかもしれません。

4.ロッテ

日本一に輝いた2010年以降、毎年年間本塁打が二桁に止まっていたのが、2019年はラグーンの設置やチーム戦略部の創設の効果もあってか、158本塁打をマーク。それに伴い得点力の向上し、最後まで楽天とCSを争いました。鈴木大地こそ楽天へ移籍しましたが、まだ強力なメンバーは残っているため、パリーグのダークホースとなってもおかしくないチームです。

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タイプ別打者分類
1.主要打者のうち①タイプ4名は必須→○
2.高出塁型より高長打型を集めた方が得点に繋がる(高長打型最低6名)→○
3.一芸を持った③タイプは貴重な打線のピースとなりうる→×

まず主力選手のタイプ別打者分類を見ると、①タイプが6名、②タイプが1名、③タイプが4名、④タイプが1名となっています。①タイプを実に6名揃える充実ぶりで、1についてはクリア。それに伴い、2についてもクリア。③タイプに際立った特徴を持つ選手はいないことから、3についてはクリアとはなっていません。①タイプの鈴木大地は移籍したものの、その他にも5名の①タイプの選手がおり、かつ②タイプの福田秀平をソフトバンクから迎え入れたことから、2020年も高い得点力を期待できそうです。

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打線の型
4.長打圧倒型
打順構成
1.3番、4番に①タイプを置くのはマスト→○
2.2番には高打率+俊足+小技と器用な打者を置けると、打線の潤滑力が上がる→○
3.5番に高長打型を置くのもマスト→○

続いて打線の型を見ていくと、5番までが高長打型の選手で固められており、またマーティン加入後はそれが6番までに伸びたことから、近い型としては長打圧倒型となるでしょうか。

打順構成については、①タイプの中村奨吾や井上晴哉が3番、4番に座ることが多かったことから、1についてはクリア。①タイプの鈴木大地やマーティンという、セリーグ各チームに見られた強打者を2番に配置する形を採用していることから、2についてもクリア。5番については、角中勝也や清田育宏が中盤以降は務めることが多かったですが、最多出場はレアードいうことで、3についてもクリアとなります。上位に強力な打者を並べる形を取るような打線構成も、得点力の大幅アップに繋がったのでしょう。

以上より、楽天の2020年に向けた課題としては、
1.鈴木大地の穴をどう埋めるか
2.一芸を持った③タイプを見出す

の2点となるのではないでしょうか。

最も大きな課題は、FA権を行使し楽天へ移籍した鈴木大地の穴をどう埋めるかという点になってくるでしょう。②タイプの福田秀平を獲得して、一定の穴埋めは出来そうですが、出塁能力も高い上に近年は長打力も増し、2番打者として非常に高い適性を見せていただけに、完全な穴埋めは難しそうです。2019年に2番を打ったマーティンが機能すれば、2番鈴木大地の穴は埋められるでしょうが、打線全体の厚みが落ちてしまうことは覚悟しなければならないかもしれません。

高長打型が上位に並ぶ形となっているロッテ打線についてですが、更に階段を上るには、打線の中で生きる③タイプの選手を見出す必要もあるように思います。どうしたって一人は③タイプの選手がラインナップには入ってくるでしょうから、その③タイプの選手が西武の源田壮亮のような、俊足で小技もこなせる選手だと、攻撃の幅も広がって一発頼みにならないもう一次元高い攻撃力を持てるようになるでしょう。

5.日本ハム

2016年以来3年ぶりの日本一を目指した2019年シーズンでしたが、期待された新戦力の王拍融や2年目の清宮幸太郎が不発に終わり、得点力不足に悩まされます。8月には月間20敗を喫するなどして、5位に沈むシーズンとなりました。大きな補強もない中、9年目を迎える栗山政権がどのような立て直しを見せるのか注目が集まります。

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タイプ別打者分類
1.主要打者のうち①タイプ4名は必須→×
2.高出塁型より高長打型を集めた方が得点に繋がる(高長打型最低6名)→×
3.一芸を持った③タイプは貴重な打線のピースとなりうる→×

まず主力選手のタイプ別打者分類を見ると、①タイプが1名、②タイプが2名、③タイプが7名、④タイプが4名となっています。①タイプは中田翔ただ1名のみのため、1についてはクリアならず。高長打型は中田、大田泰示、石井一成の3名のみのため、2についてもクリアならず。実に7名を数える③タイプの中にも際立った特徴を持つ選手はおらず、3についてもクリアとなっていません。西川遥輝や近藤健介といった強力なテーブルセッタータイプはいるものの、それを返す選手に乏しく、そこが得点力不足に結びついたと考えられます。

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打線の型
2.中距離打者集合型
打順構成
1.3番、4番に①タイプを置くのはマスト→×
2.2番には高打率+俊足+小技と器用な打者を置けると、打線の潤滑力が上がる→○
3.5番に高長打型を置くのもマスト→×

打線の型について確認すると、散布図を見ると分かりますが、NPB平均付近に選手の多くが固まっています。ということから、さすがに2005年のロッテほどではありませんが、4つの中で最も近い型は中距離打者集合型と言えるように思います。

打順構成については、そもそも①タイプが1名しかいないことから、1についてはクリアならず。セリーグ各チームやロッテに見られた、強打者を2番に配置する形を大田を起用することで採用していることから、決して器用なタイプではないですが、2についてはクリアとなります。5番に主に配置されたのが、③タイプの王であり渡邉諒であることから、3についてはクリアとなっていません高長打型が圧倒的に不足していたために、強力打線をベースとした打順を構成することが出来ていませんでした。

以上より、日本ハムの2020年に向けた課題としては、
1.高長打型を打線に組み込む
2.5番以降の弱さ

の2点となると考えられます。

最大の課題は、やはり高長打型を打線内に増やせるかという点でしょう。レアードやアルシアといった高長打型の選手が抜け、その穴を埋める予定であった清宮や王の不振でこの歪な状態が形成されてしまいました。2020年に向けての補強も①タイプとはいえ通年で打撃成績を残せなかったビヤヌエバくらいのため、前述の両名が期待に応えるような活躍を出来なければ得点力が上昇することはないでしょう。ですので、キーマンは清宮と王の両名と言えそうです。

③タイプが続く5番以降の薄さも気になる点です。1番から4番までで得点を奪う想定は出来ますが、5番以降では中々得点を奪う形を想定しづらくなっていました。前述の清宮や王、常に期待の高い横尾俊健あたりの長打を期待できそうな存在が成長すれば、5番以降の薄さも改善されるでしょうし、ここについても大きな補強もない中で個々の成長を期待するしかないでしょう。

6.オリックス

吉田正尚という球界屈指の好打者を擁しながらも、テーブルセッタータイプだらけのメンバーの中では、完全にその能力を生かすことが出来ず、リーグ最少の544得点に止まりました。ただ今オフには、MLBで実績十分のアダム・ジョーンズを獲得し、最弱の得点力の解消に期待がかかります。

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タイプ別打者分類
1.主要打者のうち①タイプ4名は必須→×
2.高出塁型より高長打型を集めた方が得点に繋がる(高長打型最低6名)→×
3.一芸を持った③タイプは貴重な打線のピースとなりうる→○

まず主力選手のタイプ別打者分類を見ると、①タイプが1名、②タイプが2名、③タイプが6名、④タイプが5名となっています。①タイプは吉田のみなため、1についてはクリアならず。吉田を含め高長打型は3名のみなため、2についてもクリアならず。交流戦首位打者に輝いた中川圭太や俊足で打撃も悪くない大城滉二など、一芸を兼ね備えた③タイプがいることから、3についてはクリアとなります。全体的には、日本ハムと非常に似たタイプ分類となっており、高長打型不足が顕著な構成と言えましょう。

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打線の型
該当なし
打順構成
1.3番、4番に①タイプを置くのはマスト→×
2.2番には高打率+俊足+小技と器用な打者を置けると、打線の潤滑力が上がる→×
3.5番に高長打型を置くのもマスト→○

打線の型については、高長打型が少なく④タイプが多いのは日本ハムと似ているものの、リーグ平均付近の選手が固まることもなく、強力打線に共通する4つの型には当てはまるものはないように思います。

打順構成については、①タイプが1名のみのため、1についてはクリアならず。2番には小島脩平だけでなく、福田周平、佐野皓大、西野真弘が入るケースが多かったですが、30盗塁を記録した福田以外はパンチに欠ける構成であったため、2についてもクリアならず。シーズン途中で中日から②タイプのモヤを獲得したことが功を奏して、3についてはクリアとなっています。そもそもの駒が不足しており、強力打線仕様の打順構成が出来なかったのでしょうし、その中でも2番に特徴のない打者を置くケースが多かったことも、得点力不足に拍車をかけたのではないでしょうか。

以上より、オリックスの2020年に向けた課題としては、
1.高長打型を打線に組み込む
2.一芸タイプを機能させる打順構成

の2点となると考えられます。

何といっても、高長打型を打線に組み込むことが最大の課題となるでしょう。②タイプのロメロは退団となってしまいましたが、2019年にMLBで16本塁打を放っているアダム・ジョーンズ、マイナー通算174本塁打のロドリゲスの補強に成功しており、課題に対する補強はしっかり行っています。見込み通り彼らが活躍すれば、打線の得点力は伸びてくるでしょう。

④タイプで30盗塁を決めた福田や、③タイプながら.300に迫る打率を記録した中川など、決して長打力はないものの一芸を持った選手も案外多くいます。この辺りの選手を生かすような打順構成を行えば、得点力は伸びてくるのではないでしょうか?例えば、高打率で決して鈍足ではない中川を2番に配置するだけでも、クリーンナップへの繋がりはだいぶ変わってくるように思います。打てる打者が少ない中で、如何にして得点効率を上げていくかという発想が大事になってくるのではないでしょうか。

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