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3ヶ月予報(8〜10月)

7月21日発表の3ヶ月予報です。
夏は暑さが非常に厳しく、初秋にかけても残暑が厳しいでしょう。

1.一般向け

猛烈な暑さも

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向こう3ヶ月の気温は北日本で平年並みか高くその他は高い予想です。

太平洋高気圧の西への張り出しが強く

南から暖かい空気に覆われやすいためです。

真夏は非常に厳しい暑さとなり、

猛暑日は頻発し初秋に入っても残暑が厳しく、熱中症に要警戒です。

太平洋側は多雨傾向

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向こう3か月の降水量は、沖縄・奄美と西日本太平洋側で平年並みか多く

その他は平年並みの予想です。

太平洋高気圧の西への張り出しが強いため

高気圧の縁を回る南からの湿った空気が沖縄や西日本太平洋側に流れ込みやすいためです。

その他の地域も、上空の寒気の影響で大気の状態が不安定になる時期があり

局地的には降水量が多くなるかもしれません。

2.専門向け

ラニーニャ的

ラニーニャ現象は終息したが、SST偏差は

太平洋赤道域の中部~東部で負偏差、西部は正偏差となっており

ラニーニャ的な傾向となっている。

また、インド洋では東側で正偏差となっており

負のダイポールモードとなる予測である。

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海面水温(3か月)

海面水温と対流活動の応答

200hPa速度ポテンシャルはSST正偏差によりインドネシア付近で負偏差

SST負偏差により太平洋赤道域の中部で正偏差となっていてコントラストが明瞭。

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200hPa速度ポテンシャル(3か月)

チベットHの傾向変わる

前回予報では8月以降はチベットの東への張り出しが強い予想だったが

上述の対流活動がインドネシア付近で対流活発とやや赤道寄りになったために

チベット高気圧の張り出しが弱まった。

また、アフリカ付近の対流活発がロスビー波により

チベットHの西への張り出しを強めていることも寄与している可能性がある。

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200hPa流線関数(3か月)

下層循環への影響

インドネシア付近の対流活発により

インド洋は西風偏差が生む低気圧性循環偏差、

太平洋低緯度帯は東風偏差が生む高気圧性循環偏差となる。

インド洋の低気圧性循環偏差はモンスーン域の対流活発にも関連していると思われる。

太平洋低緯度帯の高気圧性循環偏差は太平洋Hの西への張り出しの強化に結び付いている。

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850hPa流線関数(3か月)

チベット弱くても高温傾向

海面気圧を見ると太平洋Hの西への張り出しが強く

中国東北区には低気圧が予測され、周辺は負偏差となっている。

南高北低の気圧配置となるため、チベットが弱くても

南から暖気は流れ込みやすく、高温傾向が予想されているものと思われる。

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海面気圧(3か月)

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850hPa気温(3か月)

台風増加?

200hPa流線関数で日本の南東海上では低気圧性循環偏差が予測されており

これは上層寒気が滞留することを示唆している可能性がある。

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200hPa流線関数(3か月)

UCLによる対流活発により降水量偏差は太平洋の20°N付近で正偏差が予測されている。

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降水量(3か月)

また、850hPa流線関数でも日本付近は相対的な低気圧性循環偏差となっており

UCLと下層循環強化による熱帯擾乱が発生しやすい可能性がある。

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850hPa流線関数(3か月)




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