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ペルソナを使ったアイデア開発

ペルソナを使うことでアイデアを生み出す際に、顧客目線で思考することができる。
例えば、「書店をイノベーション」するということを考えたときに、企業のゴールとしては「書籍の売り上げを10%アップする」ということが目標になります。
しかし、顧客のゴールに焦点を合わせると「テーマパークやエンターテインメントのようにワクワクする書店」という要望があるかもしれません。

もし、企業のゴールにのみ焦点を当ててしまうと、無意識のうちに自社の事業領域や既存のリソースに囚われ、自社の制約から離れることはないでしょう。
しかし、ペルソナによって顧客のゴールに焦点を当てることができれば、自社の制約から離れ、これまででは考えつかなかったようなアイデアが生まれる可能性があります。

こうした顧客志向のイノベーションへ結びつけることが企画立案におけるアイデア開発には必須になります。

では実際にペルソナを使ってアイデアを出していくにはどうすれば良いのか?

以下のような表が本書では紹介されています。

横マス
・製品、サービスの利用前
・製品、サービスの利用中
・製品、サービスの利用後

縦マス
・意味レベルのゴール:自分の人生のゴール(「自分らしくこだわりを持って生きる」「穏やかで心豊かな生活を楽しみたい」)
・感情レベルのゴール:顧客が商品やサービスを受けることでどんな気分になりたいのか。
・具体的なゴール:顧客が具体的に達成したいこと。
を付箋に書いて貼っていく。

全てのマスにアイデアが入り、概ね目標数のアイデアが出揃ったところで、フレームからアイデアを取り出し、グループ分けをする。
30程度のグループに再編成できたら、各アイデアグループの中から、3グループほど抽出し、ユニークな組み合わせを考える。

この時、常識ではあり得ないような組み合わせも検討してみると良い。
組み合わせの指標は「ペルソナにとってポジティブな感情は生まれるか」ということである。
そして、各組み合わせが、具体的な施策を作成するコンセプトの仮設候補になる。

組み合わせが終わったら、これらのコンセプト仮設候補を評価し絞り込む。
基準となるのは「ペルソナの視点から見て強い共感が得られるか」「独自性が高いか」の2つである。
評価の高い候補をコンセプト仮設とし、その特徴を端的に示すタイトルをつけ、具体的な施策の企画やプロトタイピングへ進む。

次に顧客の潜在課題を見極め、ニーズの顕在化を図る必要があります。
顧客の要望である「テーマパークやエンターテインメントのようにワクワクする書店」のテーマパークやエンターテインメントについてもアイデアを考えてみる。
すると、「顧客を感動させるようなイベントも行う書店」のようなイメージが浮かんでくる。
また、異なるカテゴリーのプロにアイデア創出に参加してもらう方法もある。
例えば、書店のプロジェクトにスポーツ選手や医師き加わってもらうと斬新なアイデアが湧くことがある。

これらのアイデアを創出するための活動は一回で終わらせるのではなく、定期的に何度か繰り返すことが重要である。

2回目に行う際には以下の3点について考察すると良い。
1. 評価が高かったコンセプト仮設は何が良かったか
2. 評価が低かったコンセプト仮設や使われそうにないアイデアは、なぜ評価されなかったのか
3. 評価が低かったコンセプト仮設や使われそうにないアイデアは、何が変われば評価されるのか

いかがだっただろうか。
普段のアイデアの集積も大切だが、チームでアイデアを創出する際にはこうしたワークを行うと効果的だろう。
もちろん、個人でアイデアを創出する際にも同じ方法で行うことでペルソナを意識したアイデアを生むことができる。

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