ドン底まで落ちたら、幸せになった話。(10)
前回のお話はコチラ↓
どんな些細なことでも「好きな方を選ぶ」という、
心のリハビリを続けていたある日。
ボクは、あるブログに出会いました。
自分の好きなモノの写真を載せたりしている、
ごくごく普通の趣味ブログ。
しかし、驚くことに、
そこで紹介されているモノ全てが、
ボクが子どもの頃に好きだったモノだったのです。
あとになって分かったことですが、
このブロガーさんとボクは同い年。
なので、
同じモノを好きになることは、そうそう偶然ではないかもしれません。
ボクらが子どもの頃というのは、
今のように娯楽に多様性が無かった時代なので、
みんな同じモノを追いかけていたものです。
でも、
そういうレベルではないのです。
そういうことを上回る、ピンポイント具合なのです。
そのうち、
そのブログの更新が、ボクの毎日の楽しみになりました。
「あー、これも好きだったー!」
「これも超分かるー!」
もう共感の連続で――
人生のあるポイントで、切って捨ててきたモノたちが、
まとめて戻ってきたような感覚でした。
その中でも、特に印象的だったのは、
「スレイヤーズ」というアニメ。
ボクが学生時代、アニメファンになったきっかけは、
声優の林原めぐみさんとの出会いでした。
ボクが住んでいる宮城県には、テレビ東京系列の局がないため、
当時流行っていたアニメのほとんどが観れない状況にあったのですが、
林原さんが出演されていた、
「新世紀エヴァンゲリオン」と「スレイヤーズ」はネットされていたため、
ビデオに録画して繰り返し観たものです。
「そうだったなぁ……スレイヤーズも好きだったなぁ……」
と、感慨にふけっていると、
どうやらその「スレイヤーズ」の30周年を記念して、
トークショーが開催されるという情報が出てきました。
「いやぁ、でも、すごい倍率だろうなぁ〜……」
と、ダメ元で抽選に申し込むと、
なんと、まさかの当選。
しかもその会場が、
ボクがかつて所属していた劇団のホーム、
杉並区荻窪だというではありませんか!
(しかも、会場は劇団の公演で使用したこともあるホール)
ここまでくると、
もはや、何かに導かれているとしか思えません。
その後、
ファン同士のオフ会にも参加することになり。
それがきっかけで、
同じ宮城県に住んでいるスレクラ(スレイヤーズクラスタ=スレイヤーズのファン)さんと知り合うことになり。
地元に戻ってきても、
たびたびオフ会を繰り返し遊びまくるようになるという――
激動の日々すぎて、
もう一体、何が起こっているのか分かりません。
少し前のボクには、
全く考えられなかった、この状況。
「好き」に従って生きていくだけで、
こんなにも変化が訪れるとは……!
そして、
そんな日々を送っていた、ある日。
とうとう、ボクは気がつきます。
数年前の「片づけの魔法」が、
すでに発動していたということに。
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