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Your Art is My Drug

タイトルに別に深い意味はないんですけれども(ある曲のタイトルをもじっただけです)、先日の話。

いつものように展示回りをしていたのですが、蒸し暑くて汗もかいていたせいか、何だか身体がダルくてテンションが上がらない。遂には動きたくなくなり、コメダ珈琲に緊急避難することに。
冷たい飲み物をいただきつつ小一時間ほどウダウダしていたのですが、あまり長居するとギャラリーが閉まって時間切れになってしまうし、仕方なくトボトボとふたたび歩きはじめました。

が。
とあるギャラリーで展示を見て、勢い余って作品を購入したんですね。そうしたらギャラリー出るころには倦怠感なんか吹き飛んで足取り軽く次の展示へ向かう自分がいました。この豹変ぶり。自分でも怖くなってしまうほどでした。アートほど効力のあるクスリなんて自分にはないんじゃないか!?って、何とまあ単純な人間なんだ、と同時に思ったりもするわけですが。
でも、作品を買うこと以上にテンションが上がる瞬間ってなかなかないですよね。作品を買う楽しみを一度知ってしまうと。で、あとあと支払いに苦労するわけです、、、笑

で、どこのどんな展示だったかと言いますと、大阪はTEZUKAYAMA GALLERYさんで行われていた「FOCUS -Four Painters」です。
ギャラリーのディレクター2人が注目するペインターをピックアップして開催しているグループ展です。今回は4人の作家さんが参加されていたのですが、私が購入を決めたのはこちらの方。

御村紗也さんです。
ペインティングの地の部分とシルクスクリーンで刷ったと思しき線とのバランスが非常に良くて気になりました。

選んだ作品は、こちらの「flowers-3」という作品です。

花屋さんでしょうか。極力シンプルな線ではあるものの、植物の勢いが感じられて素敵な作品です。お値段も、零細コレクターでも気軽に手を出せるぐらいで、非常にありがたかったです。笑

ちょうどこの日が展示初日だったのでこの展示に参加されている作家さんが在廊されていて御村さんともお会いできました。
作品を見たときにマンガとかイラストを意識されているのかな?と思い訊いてみたら特にそうでもないとのこと。影響を受けている作家はという問いにはデヴィット・ホックニーと、あとホセ・マリア・シシリアというスペインの作家の名前が挙がりました。ホセ・マリア・シシリアは三重県立美術館で見たそうで、一度見てみたくなりました。

御村さんの作品、どこかで見たことがあるなと思っていたら、今年の京都造形芸術大を卒業されたということで、卒展で見たわけですね。卒展の作品はすべて完売だったとか。素晴らしいです。
卒業後は京都造形芸術大の大学院に進まれたのですが、この状況下でまだ一度も学校の敷地には入れていないそうです。早く落ち着いて制作と展示発表ができるといいですね。

メインルームでは築山有城さんの個展「Exhibition 2020」が開催されていました。

250kgもある大きな楠の塊を奥にかけてある大きな鋸を使って自分の手で切断するという作業の痕跡がそこにはありました。どれだけの労力がそこにかかっているんだろう?自分には何だか気が遠くなるように感じられました。

TEZUKAYAMA GALLERYさんでは築山さんの個展を毎年連続で(10年だったっけ)行うことになっているのですが、だいたいART OSAKAと個展のスタートが重なるように設定されていたんですよね。あまり日程を意識していなかったんですが、本来であればこの日がART OSAKAのプレビューの日でした。今年はオリンピックがあるからいつもより会期が早くて、なんて言ってた時期が遠く、今となっては懐かしいです。
3月に開催予定で一度9月に延期されたART in PARK HOTEL TOKYOも正式に中止がアナウンスされました。まだまだアートフェアは時期尚早だと分かっていても、何だか残念ですね。

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