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湖と摩訶不思議な茶室たち

昨年、飛行機にのって仙台へ行ったときのこと。窓の外の景色を見ていて気になるものがありました。湖だったんですが、「長方形っぽい」って、上から見下ろしたときの形が面白いと感じました。
飛行機を降りてからGoogle Mapを開いて調べてみたところ、それが諏訪湖だということが分かりました。
あれからほぼ1年後、長野を旅することになりまして、岡谷市にまずは到着しました。だったら間近で見てみようということで、その諏訪湖にやって来ました。

曇っていたせいか朝はぐっと気温が低く、湖畔に立つとぐっと背筋が伸びるような心地がしました。とても気持ちがいい。
天気悪いのかな、と思っていたのですが、諏訪大社に着いたころにはすっかり晴れて暖かくなりました(半袖しかなかったのでちょっとホッとしました)。

諏訪大社、本当に素晴らしかったです。
神聖な空気が伝わってきて(またしても)背筋が伸びる面白い。茅葺き屋根の拝殿の美しさと言ったら、、、!参拝者が他にいないのをいいことにしばし見惚れてしまいました。
諏訪大社から少し車を走らせたところに次なる目的地があったのですが、看板が小さくて通り過ぎてしまいました。慌ててバックして駐車場に車を入れたのですが、住宅街の周りと溶け込んで「本当にここで良いのか?」と不安になってしまいました。

一見すると民家のような門構え。恐る恐る入ってみると、、、

特徴的な建築が姿を現しました。
こちらは神長官守矢史料館というところ。諏訪大社上社の「神長官(じんちょうかん)」という神官を明治時代まで務めてきた守矢家に伝わる文書を保管・公開する史料館です。
建築を手がけたのは藤森照信氏。茅野の出身でこの建物が氏の建築家としてのデビュー作になるそうです。
常設展示室ではかつて諏訪大社で行われていた「御頭祭」を復元しています。江戸時代のスケッチを元に復元されたそれは、今行われているものとはまったく異なる様相を呈しているそうで、、、画像を以下に載せますが、なかなか衝撃的なビジュアルなのでご注意を。

えぐっ、と思わず言葉が漏れそうになってしまいました。さすが昔の日本はワイルドですな。というか、祭事というのは昔はもっと生々しかったんでしょうね。それが月日を経るうちに形式だけが残って洗練されたものが今行われているものなんだろうなと。
さて。神長官守矢史料館のそばには藤森照信氏が手がけた建築がまだあります。
普通に畑が広がっているなかに、あまりに独創的すぎる茶室が3つ、点在しているのです。
まずは空飛ぶ泥舟

ワイヤーで宙吊りになっているというインパクトあるビジュアル。
この空飛ぶ泥舟は「あいちトリエンナーレ2013」の出品作として名古屋市美術館に展示されたこともあります。このときは予約制でなかに入ることができて、私も予約して見学してきました。複数人で入った気がしますが、意外と不安定感はなくて景色を眺める余裕がありました。
続いては、高過庵

2本の木の上にちょこんと乗っているような見た目が危なっかしく感じられます。大丈夫だと言われても梯子を上るのをためらってしまいそう。
更には、低過庵

地面に埋れているかのような外観ですが、段々畑の段差を利用しているので裏に回ると普通に壁や煙突が見えます。笑
もちろん今回は外から眺めるだけですが、なかに入るツアーなんかもあるようです。機会があったら内部がどんな風になっているのか見てみたいです。

茶室を見たあとはぐるっと諏訪湖を車で回ってみることにしました。

うん、とても良い景色です。
上諏訪エリアが旅館なんかも集まっていて賑わっているようで、車を下りて歩いてみたくなりましたが我慢。次回来たときに散策してみたいと思います。
さて。岡谷市に戻ってきました。ゴールに設定したのは釜口水門です。

諏訪湖に流れ込む川は複数あっても、諏訪湖から流れ出る川はこのひとつだけなんだそうです。川の名前は天竜川。飯田を通って、山間部を抜けて、浜松で太平洋に注ぎ込みます。東名高速を走っていると天竜川を渡るわけですが、ここが源流なんですね。

ここから遠くはるばる浜松へ。川というひとつの線でつながっているのがどことなく不思議な気がしてしまいます。
水門の上から見た諏訪湖の景色。

遊覧船が岸に着くのと同時に噴水が水を吹き上げていました。
長野旅はまだまだ続きますが、それはまた次回に持ち越しです。

おまけ。
西友に寄ってみたら信州名物の「おやき」が売られていました。さすが地元。しかも定番の野沢菜だけでなく、いろんな餡を入れたものが売っていました。他にきのこの入ったものとかもあってそのバリエーションの豊かさには驚かされました。
そのなかからピックアップしたのはこの3つ。

ピリ辛なすとくるみ味噌は自分で食べましたが、どちらも味つけが濃くて(ピリ辛なすは後を引く辛さがあってびっくりしたほど)、あっという間に食べ切ってしまいました。美味しかったです!

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