人工知能と共存するために

AIとはArtificial Intelligence、すなわち人工知能のこと。ただし、AIの定義はまちまちで、定まってはいない。

人工知能の種類

①特化型人工知能
一つの技術に特化した人工知能。例えば画像認識や音声認識 といった技術や自動運転技術やPONANZAなどの将棋AIなど。メッセージアプリLineの女子高校生AI「りんな」や感情エンジンを搭載したロボット「Pepper(ペッパー)」も、特化型人工知能といえる。

②汎用人工知能
人と同じようなこと全てができる人工知能。与えられた情報をもとに自ら考え、応用することができる。ドラえもんや鉄腕アトムなどのイメージ。まだ汎用人工知能といえるようなものは実現していない。完成した時、シンギュラリティが起き、人間最後の発明になるとも言われている。
(※シンギュラリティ:技術的特異点。人間が人間を超える人工知能を発明することができたということは、その人工知能は、さらに賢い人工知能を生み出すことが可能になる。つまり、爆発的(再帰的)に知能の高い人工知能が開発され、生活が一変すると言われている。)

人工知能の歴史

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①第一次AIブーム (1950年代後半~1960年代)
この時代、コンピュータで「推論・探索」をすることによって問題を解決するといった研究が進んでいた。
ジョン・マッカーシー、マービン・ミンスキー、アレン・ニューウェル、ハーバード・サイモンと言った著名な学者が参加していた1956年に開催されたワークショップで初めて「人工知能」という言葉が使われた。このワークショップでは、ニューウェルとサイモンが「ロジック・セオリスト」という人工知能プログラムのデモを行った。この自動的に定理を証明するプログラムが世界初の人工知能プログラムと言われていた。
第一次AIブームではコンピュータプログラムにおける様々なアルゴリズムが考案され、特にトイプロブレムと呼ばれる、迷路からの脱出やパズルを解いたりなどを得意としていた。このブームの中で、一見知的に見える問題をコンピュータが次々と解いていき世間を驚かせた。しかし、解いている問題はすべて明確なルールが定義されているものであった。実際に現実にある問題については、その複雑な計算を処理する術がなく、解くことができなかった。このことが発覚すると人工知能に対する失望感が増していき、1970年代に冬の時代に突入してしまった。

②第二次AIブーム (1980年代)
「エキスパートシステム」の開発・導入がきっかけとなり、第二次AIブームが起こった。
「エキスパートシステム」は、知識表現に重きを置いて作られた、専門家の知識から得たルールを用いて特定の領域についての質問に答えるプログラムである。しかし、コンピュータには人が生活の中で習得していく「常識」がなかった。例えば、“熱を下げるには”という質問に対して、「解熱剤を飲ませる」または「殺す」と答えてしまった。このような問題に直面し、第二次ブームは収束した。

③第三次AIブーム (現在)
ディープラーニング(深層学習)の発展、 ビックデータの普及などによって第三次AIブームが起きた。
これらの技術によって、画像や映像から情報を抽出したり、音楽や文字の生成などが可能となった。今までのブームでは、与えられた知識を取り出してくることしかできなかったが、AIが目指すべきところは、「自ら学習し、推測する」ことである。それを可能にする技術がディープラーニングである。


人の仕事とAIの仕事

現在、アメリカにおいてでさえ、AIがまだ導入されていない企業が多い。
しかし、AIが仕事を奪うという話は多く、AIとまでは行かないがデジタル化によって人員削減が行われている業界は多数ある。

では、そのような世界において、生き抜いていくためにはどうしたら良いのであろうか?
英オックスフォード大学のオズボーン准教授らが論文において、人工知能に奪われそうな仕事ランキング1位になっている小売店販売員を例に考えてみよう。
渋谷でボサノヴァのバーを経営している林伸次さんはよく「ファミレスなどと高級店・ユニークな店が残り、中間の店は無くなっていく」とおっしゃっている。ファミレスのような店はどんどん人員削減に向かい、AIなどの導入も積極的にな離、ますますコストが抑えられる。高級店においては、その場での雰囲気やコミュニケーションを含めた”体験”を人は買いに来る。また、質問コーナーにおいて「お店を経営したいのですが」という質問が来た際には、例えば地方でカフェをするのであれば、ただランチを売るのではなく、その地方の野菜を都会に向けて送るサブスクリプションを行うことを提案している。ここでも、ただご飯を食べる・美味しいというだけではない体験の提供をおこなうことが生き残る術になっている。ご飯を作るだけであれば、AIの方が食材の水分や糖分量に合わせてより的確な調理をしたり、レジもeコマースなどに取って代わることができる。しかし、コミュニケーションや体験の提供は人にしかできない。

AIが発達するにつれて、我々はより「人間らしい」ことを提供する、およびにEQと呼ばれるようなものを身につけていくべきなのではないかと考える。


参考資料

今さら聞けない「AI・人工知能」とは?
https://ainow.ai/artificial-intelligence-3/

林伸次さんnote 「bar Bossa林真司の毎日更新日記と表では書けない話」