日記 20241024THU
寒い朝。日中は暑かった。
それでも熱い飲みものが欲しくなるあたり、秋ではあるんだな、と思う。
秋ではあるのだが、ツクツクボウシが鳴いていた。一瞬、耳を疑い立ち止まって確認したが、間違いなかった。勘違いして出て来ちゃったかな。夕方になれば寒くなるだろうに、もう土の中には戻れない。時機、タイミング。いずこの世界もシビアだなぁ、などと思う。
帰宅して話題にしたところ、父も河川敷のあたりで聞いたという。「彼岸までには聞こえなくなるものなんだけどなぁ」と珍しがっていた。なるほど。暑さが彼岸までじゃなかったもんね。
さすがにもう出番はなかろうと、かき氷機を片付けた。刃に綿棒で油を塗って、もとの箱におさめ、廊下の物入れに収納。今年もたくさん働いてくれた。お疲れさま。また来年もよろしく。
「氷みつ」のストックは、主にクリームソーダ、それからゼリーにもなる。ちょうどよく、青いシロップと練乳が使いかけ。久しぶりに富士山に見立てたゼリーでも作ろうかな。甥っ子が小さい頃、よく作ったっけ。「富士山たべたい!」とリクエストもされたけれど、覚えてるかなー。覚えてないだろうな。まぁ、私が楽しかったからいいのである。
練乳を牛乳でゆるめて、まずは冠雪部分のゼリーを作る。カルピスで作るもよし。固まったら、青いシロップのゼリー液を流し込んで冷やし固める。それだけ。当時は、プッチンできるプラスチック型で作った。百均で1パック5個くらい入ってたかな。チビッコは楽しいよね、プッチン。
にこにことプッチンしながら、「なんてこったパンナコッタ」と歌うように繰り返していた甥っ子。それはゼリーであるぞ。「パンナコッタ美味しいよねぇ」と言ったら目を見開いて「パンナコッタって食べられるのぅ?」と驚いていた。どこで知ったものか、語感を楽しんでいただけだったらしい。一緒に作ったら「おいしーい」と目をキラキラさせながら食べ、そして「なんてこったパンナコッタ」と歌い、また食べる。おもしろい生きもの。
向田邦子のエッセイに「子供を持たなかったことを悔やむのは、こういう時である」という一文がある。ふとした瞬間に、思い出す。