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友だち

新しい朝。
小さな窓から光が差し込み、
少女は眩しそうに瞬きをした。

この白く狭い病室の窓辺で
きらきらとした粒子を浮遊させているのは
遠い夏の想い出と音楽達。  

それは、忘れてしまえば消えそうな御空色。  

眠れない夜、二人で窓から見た桜の色を
想い出すように、わたしを忘れないで。
君の夢と身体が透明になりかけても
わたしは君を想う、青い風船を飛ばして。

わたしと君はいつでも
眠れない夜の越え方と、確かで明るい未来を探していた。

初夏、少女は再び歌い出す。
君が幸せになれるように今は密かに祈っているね。

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