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「参加者データください」について思うこと

この企業からよくメルマガがくるけどどこで会ったんだっけ?そんな風に思うこと、最近増えていませんか。主催者に預けたはずの個人情報が別のスポンサー企業に譲渡されること自体は、事前同意があれば問題ないのですが、それでも一定のラインはあっていいのではないか、と最近感じます。

その境界線がどんどんうやむやになった結果、イベント(ウェビナー)は参加した途端に知らない企業から沢山連絡がくるからもうやめよう、という負のスパイラルに業界全体が陥ってしまわないかと危惧しています。それは、参加者と企業、双方にとっても不利益ですよね。

実際、最近は弊社にも「参加者データください」のようなお問い合わせをいただくことが、ビフォアコロナと比べて格段に増えました。

もちろん、ビジネスなので、何かが無料であるならばその裏に必ずからくりがあります。情報提供が悪いと言っているのではありません。スポンサーがついているならばその対価が発生します。それもビジネスですし、データイズマネー論には私も大賛成です。

ただ、昨今のウェビナー・イベント乱立時代にぜひ注意したいことがあります。

参加者:情報登録をしたら、この情報はどこにいくのだろうか?
スポンサー企業:得た情報はだれがどこからどういう風に仕入れたのか?そして情報の主は本当に譲渡に納得しているのだろうか?

個人情報の第三者(スポンサー等)譲渡が参加者規約に含まれているといないとでは、その後の情報の扱われ方が全然違うのです。
色々な表現はあるのですが、これからの時代、対象団体の「個人情報」関連のタブをみてみる癖はつけたほうがいいかもしれません。個人情報を求め、それへの対価を払っているスポンサー企業でさえも、のぞまれない形で収集されている情報へはアプローチしたくないはずです。参加者側の気持ちはなおさらです。

ちなみに、弊社主催のイベントでは、参加者情報(弊社の場合は主にブランド広告主さまの情報)の第三者譲渡は一切行っていません。もちろん引き合いは沢山いただくのですが・・・。お断りしている理由は、プッシュ型の営業のリターンを信じていないから。より良いコンテンツを、より正しい多くの方に届ければ、その中の誰かのニーズには必ず刺さる。受け取った人自らの意思で問い合わせや商談に進んだほうが、中長期スパンでのビジネスリターンは絶対に大きい、そう思っています。
こう強く主張できるのも、そのようなプル型のイベント開催の実績があるからです。その理念をライブ配信にそのまま応用しましたが、オンラインでも同じく成果がでてホッと安心しているところです。
(また欧州系の会社なので、そもそもで個人情報の取り扱いがめちゃめちゃ厳しいという裏背景もあります。)

話を戻すと、この時代に、企業側も敢えてプッシュしてリスクを取る必要はないのではないでしょうか、ということです。他にも確実なリード獲得の方法はあるのではないでしょうか。だって、全く知らない人から急に親しげに連絡がきたら、ちょっと気持ち悪いですよね?
BtoBマーケティングは原則プル型が理想だと強く思う、今日この頃です。

「参加者データください」熱がコロナ禍でさらに高まっていくだろうなぁと思って、少し不安になって、独りごとながらつづってみました。

個人情報は皆さまが思っている以上にすーごく貴重で繊細だ、ということが伝われば嬉しいです。


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