さよならグッドバイ#18
第18章 忘れられない・・・
あの事件から1週間が経った。
彼の頭から由美さんのことが離れる事はなかった。
そして、彼は思い切って由美さんの実家に電話をする。
「もしもし、突然の電話すみません。トリップワンの田島と言います。由美さんとは親しくさせて頂いていました、、、」
「田島さんですか?話しは、由美から聞いてますよ。」
想定外に由美さんのお父さんが電話に出られたので
彼の緊張はマックス状態だった。
「由美からは、田島さんから電話があったら、伝えてほしいと言われたんですよ」
「な・なんて言われていたんですか?」
「今回の事件の事で田島さんには迷惑をかけたくない・・・だから『ごめんなさい』って伝えて欲しいと言われてたんですよ・・・」
「えっ?、、、そうですか?、、、ありがとうございます。」
彼は、その言葉の意味するところが、全く納得できなかったが、お礼を言って電話を切るしかなかった。
「なんで、、、なんで、、、」頭の中が真っ白になる彼、、、
「くそ、、」
彼は、大して強くないのに、ジャックダニエルをガブ飲みした。
そしてベッドの中で大泣きをした。
ひとしきり大泣きした後・・・彼は意識を失った。
夢の中で、彼は由美さんと南の島の白い砂浜で二人きりの夢を見た。
「見て見て、いまイルカがジャンプしたよ!」
「どこどこ?」
「ほら、あそこ!」
「えっ見えないけど?」
「田島君?目悪い?」
「視力2.0ですけど・・・」
「駄目だよ、ちゃんと見てよ・・・・私の事も・・・」恥じらいながら彼を押しのける彼女・・・
夢の中の反動で、彼はベッドから落ちて目が覚めるのだった。
「いてぇ・・・夢か・・・やっぱり忘れられないよ!」