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マスコミ就職 求められるスキル5選

ちょっと癖の強いマスコミ業界で打ち勝つ!

公務員の前は新聞記者をしていたyukoyamasan。
今回は、マスコミ業界を目指して就職活動をしている(これからする)学生に向けた記事です。

かくいう私は、社会人1年目、地方新聞社の報道部社会班に配属。新聞記者としては一番ハードと言われる「警察担当(通称、サツ回り)」として、事件事故の取材を担当しました。
初めて取材した、火災現場では、自宅が燃えて泣き叫ぶ人を目の当たりにし、炎にカメラを向けることができず、泣きながら先輩に電話したほど、へっぽこ記者でした。

朝から晩までネタを求めて駆け回る日々。
人間らしい生活ではなかったものの、一生ものの友人ができたのはころ。
10年ほど前の貴重な記者時代(3年間)に感じた、マスコミ業界で求められる能力について紹介したいと思います。

エントリーシート作成時のアピールポイントの参考になればうれしいです。私が紹介しようと思う能力は、次の5つです。

  1. 湧きたつ好奇心

  2. コミュニケーション能力

  3. 粘り強く成し遂げる力

  4. 体力があり、心も強い

  5. 公平な視点で情報を見る力

順にみていきましょう!

湧きたつ好奇心

「好奇心旺盛です」くらいでは足りないです。
マスコミ業界、好奇心が次から次へと湧いてくる人が多いです。

新聞やテレビのコンテンツは、日々の出来事を記事にして紹介するニュースだけではなく、最近話題になっている、もしくはこれから話題になりそうなトピックをまとめる特集まで様々です。

日々どういう物事が世界が起き、社会が反応しているのかを興味を持って観察している人たちが、ワクワクするものを生み出すことに長けていたと思います。

新聞記者の場合、自分でテーマを見つけて、記事化できるか否か、記事化の際の見せ方や方向性を考えます。
もちろん、読者が面白いと思えるレベルに達していなければ、ボツです。

社会ニーズがあるネタというのは、自分の世界に閉じこもっている限りは到底見つからないので、他社の記者や警察、消防、行政機関の人たちとたくさん話をしたりして、あーでもない、こーでもないと頭をひねり、記事のネタを探していましたね。

コミュニケーション能力

関係者との信頼関係の構築、社内での信頼関係の構築、いずれにおいてもコミュニケーションを円滑にできる人が強いです。
特に、取材の際に人の話を「引き出す」能力は必要不可欠に思います。

この能力は、いかに相手の懐に飛び込み、話を引き出し、他社には掲載されていない話を書けるかというところにも関係します。

粘り強く成し遂げる力

自分ではうまく取材できた!うまく書けた!
というような記事でも、必ず手直しが入ります。
これは学びのチャンスです。

とはいえ、最初は落ち込むんですよね。

私の一発目の記事は、「とりあえず好きに書いてみて」と言われ、一生懸命、“自分の思う新聞スタイル”にはめて書きあげました。

デスクは、私に質問しながら、ファクトチェックをし、“新聞記事”に仕上げてくれました。

去り際には、「新聞、ちゃんと読んでな」。
いろいろ言葉を選んですごい小声でかけてくれた言葉が胸にしみました。笑

事件事故の記事は基本的に「短信」と呼ばれるもので、新聞各社それぞれのルールがあります。
先輩の書いた記事をデータベースで探し出し、見様見真似で記事の型を覚えるのが記者の始まりです。

業務に慣れてくると、読ませもの(読み物として面白い題材を取り扱った記事)を任されるようになるのですが、これは短信とは全く違い、表現力が求められます。締め切りまで数日ある場合が多いのですが、日常のルーティン+突発的な事件事故対応の合間に、今度は他社の記事も読んで、自分のスタイルを手探り。

最初の方は、デスクが読んで、構成を変えたり、追加取材をしたり、新しいエッセンスを追加して書き直したり・・・。
簡単にはいきません。
ファクトを抑え、取材者への気配りを忘れず、腐らずに記事を一つ一つ丁寧に仕上げることができる粘り強さは必要不可欠です。

体力があり、精神的にも強い

なんといっても当時は稼働時間が長かった・・・。
稼働時間はほぼ毎日、朝7時から深夜までです。(当時)

最近はワークライフバランスの関係で昔よりは早く帰ることができるようになったと友人たちは言っていましたが、面白い話や気付きというのは足で稼ぐというのは今も変わらないように思います。

もちろん、精神面でのタフさも必要です。
デスクから怒られるだけならまだしも、取材先で怒鳴られたり、掲載記事にミスが見つかり、読者からお叱りの言葉をいただいたり。

悲惨な事件・事故の発生直後、被害者や遺族の方から、当時の状況や心境について話を聞かなければならない場面もあります。

私はこういった場面が、記者業務の中で最も苦手でした。
人の心の痛みを掘り下げて記事を書くことに意味を見出せなかった・・・。(自分がつらいとき、放っておいてほしいじゃないですか?)

もちろん、面白がって話を聞きたがるような記者もいます。
そういったマスコミが増えるよりは、苦痛に寄り添える記者(会社の利益にはならないけれど)が多い方が、人間コミニティの在り方としては、ベターだと思っていました。

あと、ここが結構重要なのですが、張り切り過ぎて仕事に一心不乱になって体調を壊すようなタイプはまずいませんでした。今も昔も優秀な記者の多くは自分の体調管理、心のケアをうまくできる人だと思います。

公平な視点で情報を見る力

殺人事件などが発生すると、取材の邪魔になるのが「あいつが犯人なんじゃないか?」という根拠のない思い込み。(コナン、金田一あるある)

事件発生直後、報道記者には、警察から報道メモとして事件概要をまとめた情報の提供があります。警察から事件概要について話を聞き、記者たちは、その情報を元に様々な関係者に聞き込みを開始します。

この時、根拠のない思い込みが強すぎると、取材の手間が増えたり、ミスリーディングな書きぶりの記事の根源になってしまいます。

マスコミが出す情報というのは影響力が強いため、公平な観点に立ち、固定観念や思い付きに引っ張られないように、ファクトだけを拾った記事を書いくことがマストになります。
関係者に話を聞いていると、ふとした瞬間に自分のこれまでの考えの浅はかさだったり、幼稚さに情けなることも多々ありました。

まとめ

つらつらと5つの能力について紹介しました。どのような人かイメージできたでしょうか?

いかに情報を見極め、人を見極めるか。
強いて、6つ目の能力を上げるとするなら、5つの能力の根底には、真に人を思う(想う)心がある人が多かったと思います。

マスコミ業界に興味のある人たちの参考になればうれしいです!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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