見出し画像

1人ランチで「有言実行」してはいけない

1人ランチを最高の時間にしたいのであれば、「有言実行」の考えを捨てる必要がある。何の理由もなく、コロコロ考えを変えてこそ、1人ランチは最大限幸せになるのだ。

以前「和牛ハンバーグを食べたい」と思い立ち、会社から少し離れたお店へ向かったときがある。数日前から食べたいと思っていたハンバーグ、お店の場所も営業時間も事前に調べた口コミもかなり評価がいい。行列ができない時間にお店へ向かう。準備は完璧で、あとはお店に行って食べるだけだ。

ところが、私はそのハンバーグを食べられなかった。営業終了や混雑、メニュー終了が原因ではない。道中にあったラーメン屋に惹かれてしまったのだ。何の変哲もない醤油ラーメン680円。ラーメンは別に今日じゃなくたっていい、今日はハンバーグハンバーグ……。そう思っても、香ばしいスープの香りは一瞬で私の心をつかんだ。あぁ、もう無理だ。あんなに楽しみにしていたハンバーグを諦めて、私はたまたま見かけた醤油ラーメンを選んだ。味は普通だった。

夢に見たハンバーグを諦め、気まぐれで普通の醤油ラーメンに心変わりしてしまった私は不幸だろうか?あの時、誘惑を振り切ってハンバーグを食べるべきだったんだろうか?いや、私の判断は完璧に正しかった。あれこそ「1人ランチ」の理想だ。普通の醤油ラーメンも、食べなければ「普通」だと分からなかった。それに食べなければ、あのラーメンが絶品だった可能性は捨てきれない。もし醤油ラーメンをスルーしていれば、絶品だった時に後悔してしまう。

1人ランチは、たとえ心に決めた食事があったとしても、気まぐれで変更できる自由さが最大の魅力だと思う。2人以上の食事だと、気まぐれな変更は難しい。だから一人の時には「有言実行」を忘れ、フラフラと適当なランチをするのが鉄則だ。

少しずつ、出勤する日々が戻りつつある。リモートワークの自由さが恋しいのであれば、お昼休憩の1時間くらい「有言実行」から離れ、自由な1人ランチを楽しんでみてはどうだろうか。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?