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ひぃじいじ、手術終わったんやってさ

仕事がようやく終わった18時。


午前中の手術の結果を
病院のドクターに聞きに行かなきゃならない。


遅い昼寝から覚醒しかけていたムスコ。
謎にギャン泣き。


なぜ今?


『母さん、今から病院に行かなきゃでしょ?
ちゃんといい子でお留守番、できるよね?』

言い聞かせてみるけど無理。


昨日と同じく
バトンタッチで子供らをお願いしたが、
ギャン泣き過ぎて申し訳ない。


でもこのまま私が家にいたって
何も変わらない。


どうにかそのまま家を出てきたが、
道中もムスコが気になって仕方ない。


こっちが切羽詰ってる時に限って
子供はこうなる。
私が独りでいたら、きっと手をあげていた。


ワンオペ母が追い込まれるのって、
大体こういう瞬間。


『泣いててもいいよ。行ってきな。』


ほんまにありがたいなぁ。
優しくしてもらってんなぁ。。
いてくれてよかったなぁ。。


でもでも
もちろん道中モヤモヤしながら病院に到着。

気になって家に電話すると、
先ほど泣き止んで
ようやく夕食をとり始めたと。


少し安心。


ドクターにレントゲンを見せてもらいながら
術後の経過を聞く。

手術は成功。大成功。


ホッとした。


ほんまは許されてはいないけど、
術後の経過だけ見るために
そっと祖父の病室へ。

私の顔を見てビックリする祖父。


『なんで来たの?』
(今日脚の手術やったから、ドクターに話聞きに来たよ!手術、大成功よ!)


『今は朝か?』
(夜よ。窓が見えないから、そら時間が分かんないよね〜。)


『どうやって来たんだ?』
(車で30分よ!コレ、お決まりの質問やから安心するわ!)



『いやぁ〜
こうやって孫が会いに来てくれて、
本当にありがたい。本当に幸せだぁ。

手術が失敗してたら、
今頃オレは土の中だもの。
でも今こうやって手術がうまくいって
まだ息してるから
こうやって会いに来てくれた孫に会えて...

オレは本当に幸せ者だ。
本当に生きててよかったぁ〜。』

(私も嬉しいよ!
おじいちゃん、ほんまにありがとう!
ありがとう!)


『いつお迎えが来て、
いつまで生きるかは分かんないけんども、
でも今オレは
生きててよかったぁ〜。

生きてなくちゃ、
こうやって会えなかったもの!

本当によかったぁ〜。』


何度も何度も同じことを言う祖父。


今日の祖父は
まるで仏さんのようやった。
ほんまにほんまにあったかくて。 


またしばらく祖父には会えないな...
そう思いながら、
ナースステーションに挨拶。


入院初日に話をしてくれた婦長さん。


私の姿を見て、

『子供たちは?
よかったね!家でみてもらえてんのね!

いやぁ〜
あなた、めちゃくちゃがんばってるよ。
家でずっと仕事してるの?
ずっと1人でしょ?

しかも、
あの元気過ぎる子供たち(ムスコ)だもんね。
そりゃあなた、
めちゃくちゃ疲れるよ。しんどいよ。

それに加えて、おじいちゃんもだもんね。

あなた、本当によくがんばってる!
あんまりがんばり過ぎずにいてね!
あなたは偉いよ!』

あの日のムスコを見ていた婦長さんの言葉は、
私の心にズンと響いた。


わかる人は
ちゃんとわかってくれてるし、
ちゃんと見ていてくれてる。


帰宅。
いつも通り陽気なムスコ。
あんだけ泣いてたのは幻か?!というくらい
いつも通り。



突然子供らがガサゴソし始めて、

『母さん、目ぇつぶってー!!』
って言われて
なになに〜?!ってしてたら...

なんとまぁ!


いつも想っててくれて、ありがとね。
まだまだがんばるね!


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