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黒石 新宿鮫Ⅻ

気づけば12巻目。前回出てきたグループを追いかける話。続きではないけれど前回のエピソードや登場人物を引きずっている。ここから読み始めても良いけれど、できれば一つ前から読んだほうがスムーズかもしれない。

12巻も続いていて、しかも同じ新宿署を舞台にした別シリーズもあって登場人物が入り乱れていて、そんなエピソードもちょっと出てくるけれど、それはそういう話だと思って流せるなら11巻12巻だけでもストレスなく読める。
謎を追いかける刑事の話だが、謎の対象が分散的なネットワークで構成されるグループなので登場人物の知っていること知らないことにバラツキがあり、読み進めていくことで全体が少しずつ鮮明になってくる。
一方で謎の先にいる人物についても並行して書かれていて、それが一致する瞬間がとても気持ちが良い。

シリーズでは度々主人公が警察に存在する矜持が書かれているが、今回はそれに対峙するように自分が正義だと信じている人物が登場する。
現在のネットでも自分が正義だと信じている人が萌え絵を批判して炎上したりする。スマホという表現さえなく、地図アプリくらいしか現在っぽいものは出て来ないけれど人間の描かれ方は実に今風でとても興味深い。

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