外資撤退は、中国にとって致命的

 米中貿易戦争によって中国での生産が不利化し、この結果、外資の撤退が始まっている。
日本企業の中国担当者の約4分の1が脱中国を志向していると日本経済新聞が伝えている。

 どの国も、工業化を開始するときには資本が必要だ。1970年代末からの中国の工業化にあたって重要な役割を果たしたのは、外貨だ。
 「改革開放政策」で、中国は経済特区など作って、そこに外資を誘致した。それ以降も、外資は中国の成長に重要な意味を持ち続けている。

 中国が受け入れた外資の中で重要な役割を果たしのが、華僑の資本だ。
 中国の急速な工業化は、香港などの華僑の資本によって支えられたと考えることができる。

 香港のデモの問題は、このような経緯と切り離して考えることができない。
 10月5日、香港政府は半世紀ぶり「緊急条例」を発動し、デモ参加者が顔を隠すのを禁じる「覆面禁止規則」が施行された。

 しかし、中国が強硬策をとれば、外資の中国からの引上げを加速させることになりかねない。

 それは中国経済にとって致命的な問題をもたらすことになるだろう。



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