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ケーニッヒスべルクの街を、頭の中に精密に組み立てる

 バーチャルツアの醍醐味は、何枚もの写真を見ているうちに、次第にイメージが組み合わされてきて、街の姿が浮かび上がることだ。
 ある段階で、いくつもの写真が整合的に、矛盾なく組み上がる。この瞬間は快感だ。一度経験すると、中毒になるだろう。

 実際の場所を知っている場合には、この快感は味わえない。ケーニッヒスベルクは決して訪れることができない場所だから、最適の対象なのだ。
 これまで2回にわたって紹介してきたケーニッヒスべルクの写真をもう一度整理し直し、上の拡大地図と照合しつつ、頭の中に街を構築しよう。

 ポイントは、時計台が城のどこにあるかである。私は最初、城の北側と思っていたので、どうしても写真が整合的にならず、混乱した。
 実際には、下の写真にはっきり写っているように、城の南西の角にある。

 カント通りを少し南に行ったところから振り返ってここを見ると、下の写真のようになる。

 丸く低い塔。上が三角形になったファサード。そして、内側に時計台と並ぶ(時計台が内側にあるので、城の北側にあると思ってしまったのだ。実際には、これら3つは、同じ場所にある)。
 なお、上の航空写真で分かるように、丸く低い塔は、このほか、北西と北東の角にもある。

 上の写真は破壊された城。
 南の川から北をむいて撮っている。上の写真とほぼ同じ角度だ。遠景に見えるのは、Altstädter Kircheと思われる。

 城の西にある広場は、Gesekusplatz。
 下の2枚はGesekusplatzを撮ったもの。左の白い建物は同じものだ。


 ところが、奥にある建物が、上の写真では塔の左にのび、下の写真では塔の右にのびている。一体どうなっているのか?ここでまた混乱してしまった。
 答えは、つぎのとおり。
 上のはGesekusplatzの真西から撮っている(東方向を見ている。だから、写っているのは城の西側)。それに対して、下のは南東から撮っている(北西方向を見ている。だから、写っているのは城の南側)。

 位置の同定が難しいのは、下の写真だ。
 Gesekusplatzのどこかなのだが、この停留場はどこにある?左に見える丸い塔は?

 下の写真はMünzplatz。これは、城の北東の角にある広場(「時空を超えて、いまは存在しないケーニヒスベルクを歩く」で城の北西の角と言ったのは誤りだった)。
 上の航空写真だと、一番下。時計台と対角線上になる位置。  下の写真の真ん中にある通りはJunker通り。地図を見ると分かるように、この突き当りにあるのがAltstädter Kirche

 下の写真もMünzplatz。右側に見えるオベリスクが上の写真と微妙に違うようにも見えるのだが、後ろにある建物も同じだし、Junker通りやAltstädter Kircheも同じなので、同じオベリスクであると分かる。
 オベリスクは、航空写真の下のほうにわずかに映っているように見える。なお、オベリスクは対称の位置に2つあることが航空写真で分かる。


 左に見える丸い塔は、城の北東の角にある塔。
 この写真は、西北西方向を見ている。

 下の写真は、Paradeplatz。

 これは、城から少し北に行ったところにある庭園だ。上の地図の範囲外になる(「時空を超えて、いまは存在しないケーニヒスベルクを歩く」で城の北西の角と言ったのは誤り)。
 この写真は、南西方向を見ている。
 左端に城の時計台と低い塔が見える。
 なお、遠景に教会の塔が2つ見える。
 右はAltstädter Kircheだと思われる。
 もう一つ有名な教会はSteindammer Kirche (Polnische K.)だが、これは細長い尖塔が特徴なので、写真には写っていないと思われる。

 上の地図で北東方向から城に突き刺さるように入っているのが、Schloßteich。teichは、ドイツ語で「池」のこと。




 これは、城の北東だ。写真は、Schloßteichの南端から撮ったもの。南西方向を見ている。
 地図を見ると分かるように、右側に移っている建物の向こう側がMünzplatzになる。
 右に時計台。左にある塔は、城の北東にあるもの。Münzplatzの写真に写っているものと同じ。
 時計台の右に見える特徴ある建物は、上の航空写真の下の方に写っている。

 下はBergplatz。上の地図の右端近くにある。電車が通っている通りは、地図を見ると「フランス通り」となっている。


 遠景に城の時計台が見える。
 Roßgartenはこのさらに東になる。

 下の写真の中央が郵便・電報局。下に城の時計台。


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