インボイス制度、なぜ国民は怒るのか? 税の透明性と雇用の確保、両方を目指すべき
インボイス・現場負担の課題と透明性、不満の声
インボイス(適格請求書)制度は、
売手が買手に対して正確な適用税率や消費税額等を伝えるためのもので、
取引の透明性が向上し、消費税の適正な納税が期待されます。
そもそもインボイスが導入された背景は
消費税には二つの税率が
分けられてしまったことから始まります。
【飲食店にかかる税率】
消費税
8%:テイクアウト
10%:イートインetc
この制度により、売手は買手から求められた場合にインボイスを交付し、
その写しを保存する義務があります。
買手は仕入税額控除の適用を受けるために、
取引相手から交付されたインボイスを保存する必要があります。
しかしインボイスを保存できなければ、仕入税額控除ができず、
会社の負担が大きくなります。
インボイスには以下の項目が記載される必要があります:
適格請求書発行事業者の氏名または名称および登録番号
課税資産の譲渡等を行った年月日
課税資産の内容(軽減税率対象の場合、その旨も記載)
税抜価額または税込価額を税率ごとに区分した合計金額および適用税率
税率ごとに区分した消費税額等
書類の交付を受ける事業者の氏名または名称
インボイス制度の理解は果たして国民に広がっているのか?
現場負担の課題
インボイス制度の導入により、事業者には新たな負担が増加しています。
ある調査では経理担当者は立替精算に月平均100時間以上を費やしており、
特定の時期に業務が集中することが大きな課題となっています。
また、非経理担当者にとっても申請処理の煩雑さやタイムラグが問題となり、
インボイス制度が原因で業務負担が増していることが明らかになりました。
・会計現場の負担増
・クリエイターや零細企業の金銭的負担増
・インボイス資格者とそうでないものの差別
その結果、クラウド系のSaaSには業務量が増え、
会計ソフトの一部は得することになったでしょう。
しかし現場の声としては、そもそもこんだけ物価が苦しい中で
インボイス制度を導入すれば、クリエイターは果たして
どうなるでしょうか?
クリエイターの声は議会に届いたか?
この点は私としても問わなければなりません。
インボイス制度を受けた関連の被害
2023年度には、インボイス制度を巡る独禁法違反の注意件数が
67件中40件と6割を占めました。
時事ドットコムのニュースですので、よければどうぞ。
具体的には、農産物加工品の製造販売業者が登録を済ませていない農家に対し、
消費税相当額を取引価格から引き下げると一方的に通告した事案がありました。
あまりにもひどいです。
このような事例は、優越的地位の乱用に該当する可能性があり、
事業者への圧力として問題視されています。
しかしインボイス差別が起きているのは事前に予期されたにも関わらず、
この被害が起きたことは政府としてしっかり検証すべきでしょう。
もちろんインボイス全体を批判はしていませんが、
もう少し説明責任が必須ではないのか?
公正取引委員会はこのような不適切な行為に対し、
厳しい姿勢を取ることを表明しています。
政府の対策はどうなった?
政府はインボイス制度の導入に際し、
事業者の負担軽減を図るためのサポート体制を整えています。
2023年10月から始まったこの制度により、
約140万事業者が新たに消費税を納税する必要が生じました。
・窓口の創設
・一定の特例の整備
しかしインボイスの延期は選択肢にはありません。
政府は相談窓口やサポート体制を強化し、
制度の浸透と混乱の抑制に努めています。
確かにこれにより、事業者がスムーズに制度に適応できるよう
支援することを目指しています。
制度の背景と国際的な視点
日本のインボイス制度は、OECD加盟国の中で日本と
アメリカのみが国内取引に導入していない状況を変えるものです。
この点に関しては国際的な基準に合わせることは理解しています。
しかし結果としてただでさえ苦しいアニメーターや漫画家の
懸念に対し、真髄に解決するものはありませんでした。
制度開始後は、免税事業者からの仕入れに対する控除が段階的に減少し、
取引先との関係に影響を与える可能性があります。
てか、実際にインボイスを保有するとしないのでは、
差別が起きています。
決して政府の導入した制度で、
民間の営利活動に悪影響を及ぼしては
本来はならなかった。
だからこそ説明責任が求められます。
適格請求書発行事業者になるための経過措置もありますが、
3年でも事業者にとっては大きな負担となることが懸念されています
クリエイターと政府の溝を埋める対策を求む。
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