見出し画像

怖いなら、今はまだその時じゃない

昨日、示唆に富んだビジネス書を読んだ。その内容はまだ咀嚼できていないので、紹介は別の機会に。今日はその本を読んでいる時に思い出した話をしたい。

2年ほど前、社会人3年目の私は「仕事とはなんぞや」と悩み、図書館で借りたビジネス書を読みあさっていた。読みながらよく、胸が苦しくなる思いをした。

ビジネスとは、他者に働きかけて望む未来を勝ち取ることだ。だから、その方法論を書いたビジネス書は他者を巻き込むことを中心に構成されている。行動しなければ未来は変わらないから、実践を求める。

自ら精力的に人との関係をつくること。人を動かそうとすること。それは心の奥底で人が怖いと思っている私には、ハードルが高すぎた。無意識のうちに「こんなの無理」「怖い」と感じ、「私はちゃんとしたビジネスパーソンになれない」「お金を稼げない」と劣等感を持った。そんな自分をさらに嫌いになった。

いま思うのは、ビジネスに打ち込むにもタイミングがあるということ。人が怖いなら、そんな自分を嫌いになるぐらいなら、ビジネスなんて考えないほうがいい。甘えられるものは甘えて、逃げられるものは逃げて。自分の身を守るほうがいい。

実際、ここ1年半の私は仕事からよく逃げた。こころを守るためと言って仮病も何度か使ったし、苦手な交渉ごとを上司や先輩に頼る場面も多かった。それでもなんとかなると知った。私は私のままでどうにかなると知った。

人との関係に安心できるようになったら、仕事をつうじて望む未来を手に入れたいと思える日が来るかもしれない。ビジネスを学ぶのは、それからでも遅くない。私はいま、そのスタートラインにいる。

ビジネス書に打ちひしがれていた頃から2年。たくさん逃げて、たくさん休んで、やっと私はビジネス書を読めるようになった。それは一見、マイナスからゼロになっただけにも見える。だけど、この間に身についた自分の心と向き合う習慣は、何物にも代え難い大きな武器。自分に自信がなかった人にしか手に入れられない貴重な武器だと思うのだ。

社会人だからってビジネス書を読まなくてもいい。怖いなら、今はまだその時じゃない。

最後まで読んでくださってありがとうございます! いただきましたサポートは、さらに自分の心と向き合い、表現するための学びに充てさせていただきます。