不安障害持ちのオタクが引っ越し後初めてGに遭遇した話

私は不安障害持ちのオタクだ。
そして先日初めて自宅内でGに遭遇してしまった。
ツラすぎるので最近流行りの自分語りをして現実逃避を試みた。
誰かが少しでもこの現実逃避に付き合ってたなら嬉しい。


私の不安障害について

切っ掛けは本当に些細なものだった。
膀胱炎。しかも数ヵ月も治らなかった。
泌尿器科系は精神的にくる。医療従事者の友人が言っていたが本当だった。
長引く膀胱炎の不安感から軽いうつ病も発祥した。
そして膀胱炎が完治してもうつ病の症状は残ってしまったのである。
思えばうつ病になる前から私の様子は徐々におかしくなっていっていた。
汚い手でトイレットペーパーを触ったから膀胱炎になったんだ。手を洗わなければ…また膀胱炎になる。
そういう漠然とした考えと膀胱炎の再発への不安感から手洗いを徹底しだし、消毒用アルコールが手放せなくなった。
やがて不安の感情のコントロールが出来なくなり、一日中寝ているようになった。
動けないのだ。物も食べられない。水も飲めない。
こういった状態が数週間続いたある日、少しだけ気分が良くなった。
正常な脳がこのままではさすがにマズイと警笛を鳴らした。
私は実家に帰ることにした。
暫く酷い生活をしていたが理解のある両親のお陰で数ヵ月後には回復した。
両親には頭が上がらない。本当に感謝している。
しかし、常に何らかの恐怖感や不安感が抜けない…これだけが残ってしまった。
これが私の不安障害の始まりである。
ちなみに潔癖症でなく、部屋はそこそこ散らかっているし外出先で何かを触ることに苦痛は感じない。
ただ人より手洗い、消毒の回数が多い。
買ってきたものはアルコールで拭きたくなる。そして、消毒したらそれまで。あとはあまり気にしない。
本当にそれだけなのだ。

オタク関係の話

私はライトなオタクだ。
コミケには数年に1度、どハマりしたジャンルがあれば行く。
Twitterではイラストを描いたりするアカウントを細々と続けている。フォロワー数は100人未満。
イラストを少しだけ描くがフォロワーからのイイネは貰えない。
検索で見てくれた人が10人程イイネをしてくれる、そんな絵描きである。
コラボカフェ等の催しは殆ど行かない。最後に行ったのはFF7Rのコラボカフェ前半である。
その前ハマっていたFF15はコラボカフェの度に1度は足を運んでいた。
グッズよりも場の雰囲気やコラボならではの料理、コースターの為のドリンクファイトを楽しむタイプである。
コースターは場所を取らずに保管できる所が好ましかった。
話は反れたが、そんなこんなでグッズはあまり買わないのでガチのオタクから見たらオタクと名乗るのもおこがましいレベルのライトなオタクなのである。
しかし学生の頃からのライトオタクではあるので集めた物自体はそこそこ多く、未開封のプライズフィギュアなんて山のようにある。
あと、可愛いぬいぐるみもなかなかの数所有している。
皆大切な宝物だ。捨てるなんて考えたことはない。
ずっとずっと保管していたい。そう思っている。

本題のGに遭遇してしまった話

実家は私が生まれる4年程前に建てた戸建てだが、私が小学校高学年になるまで家でGを見たことがなかった。
そしてその後もあまり見ることがなく自分では駆除をしたことがない。
恥ずかしい話だが実家で自室に出たときは親に駆除を頼んでいたのだ。
その後も一人暮らしやルームシェア、親戚の家等いくつかの賃貸物件に住んでいたことがあったが幸いにもGと遭遇した事はなかった。
そして現在の私の家は築8年程の内階段式、玄関を開けたら階段があるタイプのアパートの2階だ。
住み初めて3年以上になるが大きいのにも小さいのにも遭遇したことはなかった。
テレビで自粛の影響からか、害虫の増加が報じられていたので7月辺りからゴイスを玄関周りにぶちまるという対策はしていた。
なのにヤツは現れてしまったのである。

1匹目

ゴイスをぶちまける習慣を始めてから2ヶ月後、9月半ばの事だった。
生まれて始めて唐揚げを調理したその日、リビングでヤツと遭遇したのである。
大きさは1cmと少し。恐怖感から大きく見えただけで実際はもう少し小さかったかもしれない。
色は黒褐色、詳しくは見たくなかった。
軽くパニックになりながらゴキジェット片手にGと戦い勝利した。
ゴミ箱に捨てるのは恐怖以外の何物でもなかったのでヒカキン方式で近くの川原にぶん投げた。
帰りながら、前日国勢調査の封書が投げ込まれていた事。そのせいでドア一体型のポストが1日中開きっぱなしだった事を思い出し、そのせいだと考えた。
ならば入り込んだのはその1体でもう安心だと思っていたのだ。

2匹目

しかし、次の日私は見てしまった。
外出先から帰宅し玄関の電気をつけた時、壁を歩く小さい5ミリ程のGを。
もちろん泣きながら駆除した。黒褐色のGだった。
玄関だし、もしかしたら私と一緒に入ってきてしまったのかもしれない。
最近アパートの共有スペースで野生のGを見かけたので、外から入り込んだのだろう。そう思いたかった。
私は階段を上り洗面所で手洗いうがいをしシャワーを浴び、安らぎのリビングに辿り着き水を飲む為にキッチンへ向かった。
そこで衝撃の物を目にする。

3匹目

朝コーヒーを飲んだマグカップを水に浸けていたのだが、ここにも黒褐色のGが浮かんで死んでいたのである。
玄関ではなく、2階のキッチンに。もうやだ。絶望だった。
慌ててブラックキャップを買いに走った。ゴキジェットも追加購入した。
部屋中にブラックキャップをばら蒔いた。
その日はご飯も食べられず恐怖と戦いながら睡眠薬を飲んで寝た。
次の日は休みだった。いつもなら休みヒャッホー!とか言いながらダラダラ過ごすのだがこの日は違った。
Gがまだいるに違いない…そればかり考えている。ベッドから起き上がれない。
この感覚には覚えがあった。うつ病のときのそれだ。
結局その日はご飯も食べられず、一日中死んだように縮こまって生活した。

4匹目

それでもさすがにトイレには行きたくなる。
意を決してトイレへ行き帰ってきた際に、何となくリビングの一番奥にある窓の下を見た。黒い何かが落ちている。
よく見たら死にかけて引っくり返っているGの赤ちゃんだった。
急いで殺虫剤でトドメをさして捕まえた。背中に2本の白い線があった。
ググったらクロGの幼体だと出てきた。
恐怖感から、こういうものは徹底的に調べないと気が済まないタイプなのであらゆるサイトを調べた。
クロGの幼体は移動距離が少ないため屋内で見かけたら間違いなく部屋で繁殖しているらしい。
頭が真っ白になった。確かに徹底的に綺麗にしているかと言われればそうでもない。
それでも今までGなんて見たことも無かったこの家で繁殖…
そして、卵は棚の奥やベッドの下等の物陰に産み付けられていてその数は…
もう何も考えたくなかった。何も考えずにブラックキャップの数を倍に増やすことにした。
そうしてその日も何も食べること無く、終わったのである。

5匹目??

次の日も休みだった。しかし、宅配物があったので頑張って受け取った。
その時玄関に黒くて丸いものが落ちていた。ゴミだろうと靴で踏み潰した。

バリバリッ!

足の裏で音がした。慌てて踏んだ所を見ると黒いゴミが消えている。
嫌な予感がして靴の裏を見た。
何かが潰れていた。何かは分からなかった。白い中身が見えた。しかも、どこかは分からないが動いていた。
慌てて靴の裏に殺虫剤を撒いて外の地面に擦り付けた。
もう限界だった。親に泣きながら電話した。
親の声を聞いたら涙が止まらなくなった。
小さいのが出てくるってことは大きいのもいる、他にも沢山いる!恐い、助けて!泣きながらそんなことを言った。
親には、ブラックキャップはそんなにすぐに効くわけ無いんだから暫く我慢しなさいと言われた。
本当に絶望しかなかった。安らぎの我が家が地獄のホラーハウスになったのだ。

誰か助けて

気づけばもう完全に不安障害が悪化していた。
朝から晩まで家を見回してはGがいるのではないかと不安になる。
殺虫剤をそばに置いてないと恐くて仕方がないのだ。
絶対にこの家にまだいる。赤ちゃんGがいたのだから…親もいるに違いない。
本当に恐怖だった。どこにいるかわからない。全ての物陰に怯えながら過ごした。
そのうち全てのものを捨てたくなった。拘って買った家具も、給料1ヶ月分出して買った冷蔵庫も。楽しく見ていた筈のテレビも、全てのものがゴミに見えた。
あんなに大切にしていたオタクグッズやぬいぐるみが全てGの温床に見えた。
だって隙間があるんだよ、暖かいんだよ、いるかもしれないよね、卵が産み付けられている可能性もあるんだよ。
ご飯を食べたら匂いなどにつられてGが沸く。引っ越したい。でも引っ越してもGが沸く。
もう、毎日こんなことばかり考えている。
何も食べてないのに吐いて、水も飲めなくなってきた。
それでも不安と恐怖でずっと泣き続けて。
大切にしていたもの全て捨てたくなって…大事なオタクグッズ、全部処分したいなんて思いたくもなかった。
どうしてこんなに不安になるのかも分からない、どうしてこんなに恐怖を感じるの分からない。
ただ漠然と、この部屋にいるGに怯えているのだ。
これがバカみたいだって自分でも分かっている。なのにどうしようもない。どうすればいいのかも分からない。
唐揚げなんて作らなければ良かったのかな。もう嫌だ。

誰か助けて。

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