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無口になった5歳の息子と一緒に、Nintendo Switchをプレイしてみたら

5歳の長男がここ最近、無口だ。

朝から晩まで、あることに熱中しているのである。

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長男が夢中になっているもの。それは、Nintendo Switchである。

3ヵ月前、わたしが個人的にやりたいゲームがあったことと、「まあ長男くんも、この先使うだろう」ということで、購入したのだ。

買ったばかりのころは興味を示さなかったものの、夫が長男の誕生日に『ポケットモンスター ソード』を買ってきてからは、一変した。

一日中、ソファに寝転がってプレイする長男をみて、

もうこのまま、「抱っこ~」とも言われなくなるのかな?

このまま小学生になって、「ママよりも友達!期」に入っちゃうの?

わたしは不安になっていた。親子の会話が減るには、あまりにも早すぎる。

Switchを買うのは、ちょっと早すぎただろうか……。

長男はもともと「超おしゃべり」というタイプではないが、Switchがくる前までは、お絵描きや工作をよくしていた。その合間に、わたしとのおしゃべりに花が咲くこともあった。

けれどいまは、ずっと画面を見つめている。

わたしは考えた。これも、成長の1コマなのかもしれない。

ただ、長男がなぜこうなってしまったのか、心当たりがあった。このところわたしは、3歳の次男のお世話でいっぱいっぱいだったのだ。

しっかりもので甘えベタな長男とは反対に、次男はやんちゃで甘えんぼう。わたしがすこしでも視界からいなくなると、「ママ―――!!」と大声で叫びながら探しにくるし、夜も全然寝ない。夜中もなぜか、5回は起きる。わたしは寝不足で、朝も遊ぶ元気がない。

長男はそんななか、退屈で、ふてくされていたのかもしれない。「どうせお母さんは、次男のほうへ行ってしまう」。そう思ってたら、Switchが家にやってきた。やってみたら楽しくて、夢中になった。

もしそうなら、申し訳なくて涙が出そうだ。

近ごろの長男は、こんな感じだ。

7:00 起床とともにSwitchを起動
7:30 「朝ごはんできたよー!」と声をかける(まだやってる)
    文句を言いながら電源をおとし、食べ始める
8:00 またSwitchやる
8:30 外に出る、遊ぶ、車に乗る
~登園~
16:00 公園
17:30 帰宅とともにSwitchを起動
夕食とおふろ以外、寝るまでやってる

……。わたしも幼いころゲームが好きだったから、気持ちはわかる。それはそれで、いいことだとも思う。(にしても、ちょっと減らさなきゃだけれど)

ただやっぱり、いちばんの問題は、親子のコミュニケーションが激減したこと。

これは、どうにかしなければ……!

わたしは普段、あるWebメディアで、「子どもたちの憧れの職に就く方たちをインタビューして、『どうやって育ってきたのか』をご本人(とその保護者)にお聞きする」という連載記事を書いている。

そのなかで、保護者の方たちが、こんなことを仰っていたのを思い出した。

『一緒にやってみようよ!』『ママと対決しよう!』と声をかけて、一緒に挑戦してきました
「完全独学で2年」17歳のグラフィックデザイナーが、デザインをビジネスにするまで

大人が勉強することも大切、とお父様。子どもが『YouTuberになりたい』と言うなら、YouTubeのことを勉強してみる
15万DLヒットゲームの開発者。大学1年生のえふぇ子さんが「好き」で活躍できる理由

……これだ。

長男はいま、Switchに夢中になっている。

じゃあわたしも、同じソフトを1からプレイしてみよう。よくよく思い返してみたら、長男くん、「ママも〇〇エリアに行ってみて?」って、何度も声をかけてくれてた。

長男くん、わたしにも見てほしかったんだ。

そんなこんなで、わたしは『ポケモンソード』を真剣にプレイしはじめた。いつもなら、自由な時間ができたとたんにPCを開いて仕事を始めてしまうのだが、ポケモンソードはもう、子育ての一貫と思うことにした。

そもそもSwitchを買ったのは、いつか長男と一緒にプレイしてみたい、という気持ちもあったから。それなのに、つい仕事に目がいって、放置してしまっていた。

『ポケットモンスター ソード』は、主人公が世界中を旅しながら、モンスターをつかまえたり、バトル大会でメダルを集めたり、街を散策したりするシミュレーションゲームだ。

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なにこれすごい。グラフィックきれい……

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街並みもおしゃれ。

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楽しい、楽しい。服と髪型もチェンジしちゃおう。

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キャンプもできるの!?

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これはハマる……!

といった具合に、わたしは想像以上にはやく、ポケモンソードの世界にのめり込んでいった。

すると長男に、ある変化があらわれた。

わたしに、話しかけてくるようになったのだ。

「このポケモンは岩タイプだから、草の攻撃がきくよ!」
「このとびら開ける前に、手持ちのポケモン全回復しといたほうがいいよ」

長男の指導は、次第にヒートアップ。なんなら、わたしが自力で進めたいところまで「おれが進めてあげる」と交代してくる。ちょっとモヤモヤするけれど、得意げなようすは可愛らしい。

今日、わたしが強敵と戦うシーンがあった。いつものように、横から指示をだす長男。

「このワザ使って!」
「キズグスリ!キズグスリ!(ポーション的な薬)」

わたしのポケモンは、残念ながら全滅。「あーーーー!!!」と、2人でのけぞりながら声をあげた。

そこで、思った。ひさしぶりに長男の、こんなに活き活きした表情をみたな、と。

父も母も、「ゲームばっかりさせて」と眉をひそめる。わたしももちろん、朝から晩までプレイするのがよいとは思っていない。

けれどNintendo Switchは、「長男」と「わたし」の間を、接着剤のように埋めてくれたのだ。しばらくは、親子のきずなを深めるツールとして、やり込もうと思う。

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