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54. 大学2年目のシーズンを終えたいま、思うこと。

2018年3月16日。
カンファレンスプレイオフ準決勝、ミネソタ州立大学との第2戦に0-2で敗北したことをもって、私たちLake Superior State University Lakersの2018-2019シーズンは幕を閉じました。

(パッと見で長えよ!って思った人は一番下までスクロールしちゃってください)

まずは今日の試合の振り返りから。
試合メンバーは昨日と同じでした。私は、13人目のフォワードとしてベンチ入りしました。ただ、試合開始から5分ほどたった時には自分の出番があり、そこからずっとレギュラーとして試合に出続けました。

今日の試合のパフォーマンスは、シーズン最高といっても良いものでした。1回目の出番では、自陣でパックを受け取った後、自分で足を動かして敵をフィジカルで振り切り、二人目の敵が僕につられてきたところで味方にパスを出し得点チャンスを演出することができたところから始まりました。やはり、1シフト目でいいプレイができると、自分の気持ちもたかぶるものです。その直後のシフトでは、本日最大の得点機を自ら作り出すことができました。敵陣で高く舞い上がったパックを、敵DFが取ろうとした瞬間に奪い、そのまま左サイドからゴールに向かって思い切りドライブ(切り込むこと)。キーパーをかわしてシュートを打とうとしましたが、惜しくも敵のスティックに当たりゴールはならず。しかし、その後も僕らのセットは攻め続け、最終的には相手の反則を誘いだすことができました。まあ、結果的にはゴールできていないので、決して満足できるわけはないのですが、それでも、チームにいい影響を与えることはできました。その後も、2ピリ、3ピリも、多くの得点機となるプレイを演出し続けることができました。今まで、2試合続けて良いパフォーマンスを発揮することができないことが多かったので、そこは一つ成長できたポイントだと思います。

試合が大きく動いたのは、1ピリの中盤でした。試合中、チームメイトと敵で、とあるコンタクトがあり、その後敵選手が氷上に倒れこみました。そこまでひどいものでもなく、その後彼は自らベンチへと戻っていきました。審判はその姿を見てはいたものの、止めることもなくそのまま試合を続行しました。そのプレイから1分経つか経たないかくらいまで、次のホイッスルが鳴ることはありませんでした。僕らは、何事もなかったように次のシフトに向けて動き出そうとしていた時、相手チームのキャプテンがなにやら審判と話しているのが見えました。そして、それから数秒後、審判はオフィシャル席に戻り、プレーのreview(見直し確認)を始めました。「先ほどのコンタクトが悪質なものだ」という相手からの抗議が入ったためです。ゴールシーンなどならまだしも、一度「問題ない」と流した通常のプレイを見返すということ自体そこまで多いものではないのですが、最終的に審判が出した判定は、なんと5分間のメジャーペナルティ。(本来であれば、普通の反則は2分)これに対して、もちろん僕らのコーチは抗議をするも判定は覆らず。つまり、5分間の数的不利な状況が余儀なく生み出されてしまいました。そして、チームはそこで2失点。最終的には僕らはこの2点差を追い詰めることができず、敗北が決定しました。

簡単な試合の振り返りはこんな感じです。決して、審判の判定が悪かったとか、そういうことを言うつもりはありません。結果的に僕らは2連敗してるわけだし、何度もあった得点チャンスを決めることが出来ませんでした。それを言い訳にしてはいけないと思います。

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毎年そうなのですが、シーズンを終えた瞬間というのは本当に不思議な感情を抱きます。「もう、来週は試合がないのか」と思うと、本当に力が入らないというか、心にぽっかり穴が開いてしまったような感覚になります。

スポーツというのは残酷なもので、悲しい思いをせずにシーズンを終えることができるのは勝者1チームのみです。それ以外の全てのチームには、どこかのタイミングで必ず終わりの瞬間が訪れます。

やっぱり、もっともっとこのチームでプレイし続けたかったし、そうできると信じていました。本当に本当に、毎日が楽しかった。

この1シーズンは、自分にとって大変価値のある一年になりました。これからアイスホッケー選手として競技を続けていくうえで、絶対に必要となる多くの要素を学ぶことができたと思います。

大学一年目はプレイ資格や怪我で試合に多く出れない時間を過ごし、ようやく二年目に入り「自分が活躍するときが来た」と思っていたものの、ふたを開けてみればチームの中心選手になるどころか、レギュラーにも入れない日々。試合に出れたとしても、出番は数回のみで全くポイントができずにただただ月日が流れていく。そして、自分がそのような状況の中、チームは連勝を続けここ数年で最高の結果を残していきました。

今思えば、この時間が一番つらかったかもしれません。「マジで今年1ポイントもできずに終わるんじゃないか?」と毎日不安と焦りに押しつぶされそうになっていました。(ここがまだまだ僕の弱いところでもありますが・・。)

この時の僕を支え続けてくれたのが、僕を取り囲むすべての方々でした。家族や友人、そして、日本からずっと応援を続けてくれた皆さんの存在です。大袈裟でもなんでもなく、「応援してくれている人がいる」という事実は、どんな時も僕の背中をずっと押してくれました。

今年は、「成長過程を届ける」というテーマを基にツイッターやnoteで正直な感情をたくさん表に出していました。最初は自分でもどうなるのか分かりませんでしたが、僕の思いを受け止め、見守り続けてくださった皆さんには本当に感謝してもしきれません。つくづく、発信を初めてよかったと心から思います。

だからこそ、初ゴールを決めることができたときの喜び、安堵というものは言葉には表しがたいものでした。何より、その瞬間を多くの人と一緒に共有できたことが、本当に幸せでした。自分のことのように喜んでくださる皆様の反応を見て、アスリートとしてこのうえない幸福をかみしめることができました。結果的に、今シーズンは2ゴールのみという成績で終わってしまったことは非常に残念です。もっともっと皆さんに吉報を届けることができたらよかったのですが、これはすべて自分の実力が形となって表れたものですので、しっかりと受け止めます。数字はうそをつきません。

ただ、数字は良いことも同時に教えてくれます。先ほど調べてみたら、1月19日以降、今シーズン最終戦となる3月16日までの、計15試合に全て出場することができていました。シーズン序盤は遠征にさえ連れて行ってもらえなかった僕がです。シーズン後半、そしてプレイオフという最も大切な時期にこのように試合に出続けることができたことは、一つ成長を実感できるポイントかと思っています。

そして、ベンチには入ったものの試合に一度も出れずに終わったミネソタ州立大学とのレギュラーシーズンマッチ。本当に悔しい思いをしましたが、このプレイオフでは、同チームに対し私は主力として出番をもらい続けることができました。プレイオフ敗退が決定した後、チームメイトの一人に「この前このチームと戦ったときは一度も出番がなかった優希が、今日は試合の最後の最後まで出番をもらったんだ。本当にいい動きをしていた。これは君が勝ち取ったことだし、成長したという最大の証だよ。コーチもそれを認めてるんだ。」という言葉をかけてもらったときは、目頭が熱くなりました。

他にも、「プレイが軽い」とコーチに言われていた僕が、シーズン後半には「Tenacityのあるプレイの見本」としてミーティングで紹介されたりと、多くの場面で自身の成長を感じることができました。

ただ、今まで何度も言っているように「ただ試合に出るだけ」では全く満足しておりません。もう、大学4年間の半分が終わってしまいました。残りの2年間で、結果を残さなければ、僕の北米でプロになるという道は絶たれます。僕に残された大学リーグの試合数は80試合あるかないかです。きっとまた、あっという間に時は過ぎていくことでしょう。プロになるためには、ここで結果を出すしかない。「いいプレイだった」「惜しかった」じゃやっぱりだめ。誰が見ても分かるような成績を残すこと。今の自分にはそれが必要です。

きっと、この一年間で身をもって学んだことは、未来の自分を助けてくれるはずです。いつになるかわからないけど、何年後かに今の時期を振り返って「ああ、こんなこともあったなあ」と笑えるような選手になれるように。

大学3シーズン目となる来年度、同じ失敗を繰り返さないよう、しっかりと準備を続けたいと思います。そして、そのシーズンが終わったころには新たな選択肢が自分の手元に見えているように。


大変長くなってしまいましたが・・・最後に言いたいのはこれだけ。

皆さんのおかげで、最高に楽しい一年間でした!本当にありがとう!皆が大好きです!


そして、最後にお知らせ。
一年間の応援の感謝を込め、とある企画を考えています。まだ詳しいことは言いませんが・・またいつかツイッターにてお話します!お楽しみに!

最後まで読んでくださりありがとうございました。

三浦優希




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