AgriTech⑤

今回はDataという観点から書いていこうと思います。

農業におけるDataとはどういうものなのかを考えるにあたっては、「見える化」という言葉が深くかかわってきます。

「見える化」とは、農業における環境(温度、湿度、CO2ガス)や経営についてを数値化等で可視化し、データとしていつでも確認できるようにすることです。

収集するデータは様々です。
例えば、クボタでは食味・収量センサ付コンバインで、ほ場のタンパク値・水分・収量データを収集しています。
そして、そのデータに基づき、翌年度、ほ場ごとに改善計画を立て、施肥量電動調量田植機・トラクタ(+車速連動、インプルメント)を使い、ほ場ごとに施肥を実施するというものです。

また、「見える化」に特化した企業であるPLANT DATAでは、光合成や蒸散のリアルタイム計測、クロロフィル蛍光計測による光合成機能評価、植物生体情報のインフォグラフィック化を行っています。(https://plantdata.net/news.html)

さらに、農林水産省の委託プロジェクトである「人工知能未来農業創造プロジェクト」においては、葉色等の外観データを収集し、AIを用いて病害虫の発生リスクを分析する技術も研究開発されるなどしています。(https://www.pwc.com/jp/ja/press-room/outsourced-project171018.html)

最近では、日本アイ・ビー・エム株式会社は、株式会社カクイチの、ナノバブルウォーター とITを活用したアクアソリューション事業において、農業事業者に適確にアドバイスを行うシステムと、スマホアプリの構築を支援し、運用を4月より開始しました。
このシステムは、農園やビニールハウスに取り付けたセンサーから収集した、照度、湿度、気温、土壌の水分、地中温などのデータを収集・蓄積し、AIで時系列の因果関係を分析します。その分析によって「見える化」された、最適な散水のタイミングやバルブの設定をもとにナノバブルウォーターを散水することにより、農作物の収穫量や品質の向上を可能にしました。(https://www.kaku-ichi.co.jp/aqua/2020/04/14/2592/)

このように「見える化」はAgriTechには不可欠な概念となっていて、農業の何を、どのように見える化し、どのように活かすかが重要です。


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