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【仮想レジアカ】フレキシブル編成とは(随時更新)

仮想レジアカは、作曲家向けオンラインアカデミーです。2020年6月・7月の二か月間を仮想のレジデンスと仮定して、一分の作品をプロフェッショナルな演奏家と交流しながら作り上げていきます。詳細はこちらの記事(文字をクリック)より詳細をご覧ください。

仮想レジアカでは、今回ソロ・デュオ編成以外にフレキシブル編成を設けています。仮想レジアカにおけるフレキシブル編成とは

どの楽器でも出来る編成の作品。特定の楽器や、特定の人数ではなく、究極どんな楽器(楽器・声・ノイズや動き何でも)でも、一人でも10人でも出来る編成を意味します。演奏家以外に作曲家も(作曲家の希望次第で)演奏に参加することができます。

要は「楽器編成を指定しない」「どの楽器でも出来る作品」のことを指しているんですね。色々な可能性を秘めているジャンルです。

「なんで編成を指定しないのか」

それを考えていくと、逆説的ですが、

「これまで、どうして編成を指定していたのか」
「どうしてピッチやリズムを書かなければいけなかったのか」


にも繋がってくると思うんです。当たり前だったことを疑ってみる、そこから新しい創作の萌芽が生まれることを期待しています。

どの楽器でも演奏できる→それって結局どうなるの?

ここからは楽曲を幾つか挙げながら、その可能性について見ていきたいと思います。

・フレデリック・ジェフスキー(Frederic Anthony Rzewski)「パニュルジュの羊」

・ルイ・アンドリーセン(Louis Andriessen)のWorkers Union

・ジョン・ゾーン(John Zorn)の「Cobra」や「Hockey」

・シュトックハウゼンのティアクライスなども、多くの異なる楽器編成で演奏されています。

テリー・ライリー(Terry Riley)「In C」もフレキシブル編成としてよく演奏される楽曲のうちの一つです。

アンサンブル・ノマドのバージョンも素敵です。

割と新しいものだと、ヨハネス・クライドラー(Johannes Kreidler)の Stil 1Peter Ablingerの作品なども、フレキシブルな楽器編成で演奏できるものとして挙げることができます。

自由な記譜、選択可能な音楽

グラフィックノーテーションで書かれた作品の中には、ピッチやリズムを指定しないだけでなく、編成も自由である作品があります。例えば、アール・ブラウン(Earle Brown)「Folio & 4 Systems」、

ローマン・ハウベンシュトック=ラマティ(Roman Haubenstock-Ramati)の作品など。

番外編

番外編として、デンマークの作曲家、シモン・ステン=アナーセン (Simon Steen-Andersen)のStudy for String Instrument #1 も挙げておきますね。こちらは、弦楽器であれば何でもオッケー(今や弦楽器でなく、スライドが付いているものならオッケーになりつつあります)。弦楽器という縛りの中でのフレキシブル編成の作品です。ピッチではなく、タブラチャーによって動きが指定されています。

テレワークでフレキシブル編成作品

そして最後にテレワークを利用したものとして、藤倉大さんの「Longing from afar」をご紹介します。ここで楽譜より藤倉さんの言葉を引用します。

この作品は、かっちり書かれていない、どの楽器、どの声で演奏しても良い、曲の長さも自由という作品です(中略)この作品は、他の多くのオープンスコア作品とは異なり、リーダー/指揮者が一緒に演奏する人たちと話し合って、音楽をデザインできるように作られています。藤倉大

時代に即したアイディアですね。テレワーク+どの楽器でも参加できる楽曲となっています。※楽譜は、藤倉大さんのホームページより無料でダウンロードすることができます。

みなさんのフレキシブル編成作品へのアイディア、聞かせてください。

これまでの記事まとめ

今後のスケジュール(随時更新)
音楽動画作りの基礎の「き」。
仮想レジアカ対談ー大瀧拓哉(ピアノ)×山田岳(ギター)
仮想レジアカ対談ー薬師寺典子(ソプラノ)×木村麻耶(箏)
仮想レジアカ対談ー北嶋愛季(チェロ)×橋本晋哉(チューバ)
仮想レジアカ対談ー黒田鈴尊(尺八) ✖ 今井貴子(フルート)
仮想音楽家レジデンス・アカデミー(公募記事)
前回の仮想音楽家レジデンスの報告・作品紹介
ギターを知ろう(エレキ編)
チューバ・セルパンを知ろう(歴史編)no.1
チューバ・セルパンを知ろう(歴史編)no.2


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