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同時代音楽のための月刊マガジン【無料】

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同時代に生きる音楽家のインタビュー、エッセイなどを月刊でお届けします。紙媒体のマガジンを目指して、記事ストック中です。 【音ポスト】 【ゆきちか日々の書簡 (不定期)】 【今日の… もっと読む
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#山根明季子

コンポジションの時間 in 松本 開催

(有料全文公開記事です)さっきょく塾は、2018年にスタートし、2023年に五周年を迎えます! 多くのゲスト音楽家の方、またさっきょく塾生のみなさんに支えられ、この五年という節目を迎えることができました。 さっきょく塾では、音楽思考を言葉にすること、そしてそれを共有し感じ合うことを学びの主としてきました。「創作の技術」や「良きとされていること」を教えることではなく、各々の表現者が表現したいことを言葉にするお手伝いをしたり、どこかで知ったつもりになっていた言葉や概念をもう一度

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音ポストやります。作品募集します。

昨年秋から始めたオンナ作曲家の部屋 (jwcm/女性作曲家会議がやっているオンラインサロン)。様々な会話の中から、ふとアイディアを思いつくこともあったり、もともと持っていたアイディアをブラッシュアップさせたり、非常に刺激的なプラットホームとなっています。本企画「音ポスト」は、そんなオンラインサロンから派生したスピンオフ企画としてスタートする、新しい個人プロジェクトです。 音ポスト?「キクラボ」のネーミングの由来ともなった「聴くラボ」プロジェクト。もともとは山根明季子さんが提

2019-10-04

「今日のこぼれ話」作曲の纏わるこぼれ話を不定期(有料・無料)でお届けします。本日お届けするのはさっきょく塾今期のゲスト講師で、作曲家、山根明季子さんの一言。「作品を聞く」ことについてお伺いしました。以前のインタビュー記事はこちらから。 (わたなべ)さっきょく塾オンラインサロンでは、昨年から「聞いてくださいシリーズ」というのをやってるんですね。サロン生に自作品をアップしてもらって、それに対してみんなで感想を言い合う。レッスンとか、作品の良し悪しを評価する、というよりは、みんな

山根明季子に〇〇について聞いてみた(4)

この15年とこの先の15年――私にとって一番象徴的だったのは、2006年の第75回日本音楽コンクールで水玉コレクション No. 1を発表された時で、日本の現代音楽シーンが揺れた!感覚があったんですよ。女性作曲家が賞を取った、ということであれば、原田敬子さんが一位、斉木由美さんが二位、三位が菱沼尚子さんだった1993年もそうだったんだけど、山根さんのときは何か「新たな時代が来た!」という感じがして。 同時期に小出稚子さんが出てきて、もう物凄くポップなテーマで、カラフルな音楽を

山根明季子に〇〇について聞いてみた(3)

作曲家という職業――大きな賞を取ったら委嘱が来て、それでご飯が食べられるようになる。若い頃って漠然とこう考えていたような気がするんです。それで、まずコンクールに出さなきゃ、賞歴がないとダメなんだって。今でも少なからず、そういった風潮ってあると思うんだけど、実際その先行投資が実を結ぶんだろうかって思うんです。若手が馬車馬のように走らされて消費され、何かの形になる前に腐ってしまうっていうことはないんでしょうか。 消費的に感じることはあるよね。クラシック音楽の作曲家は日本で職業と

山根明季子に〇〇について聞いてみた(2)

色・形・素材感 ――作曲する上でよく言われる4つのパラメータ【ピッチ、音価、アタック、強弱】って数値化しやすい、可視化しやすいものだと思うんです。コントロールしやすく、構築していくのに適している要素ですよね。それに比べると、山根さんの言う三つのパラメータ【色、形、素材感】はとても抽象的な概念です。例えば「ここは緑で、感触はふわふわ」って言ったら感覚としては分かるんだけど、それをそう聴こえるようにするには、また別のテクニックが必要な気がするんです。実際楽譜を前にその感触を掴もう

山根明季子に〇〇について聞いてみた(1)

水玉からキラキラドローンへ「ちょっときいてみたい音楽の話」は、同世代の音楽家に、その音楽について、また思想について直接本人に聞いてしまおうという対談シリーズです。四人目は作曲家の山根明季子さん。20年来の友人でもあります。(インタビュア:わたなべゆきこ) ――(わたなべ)山根さんと言えば代表作である「水玉コレクション」に始まり、最近では「キラキラドローン」など、パッと脳裏にイメージが浮かぶようなビビッドな言葉選びが印象的です。 丁寧に言葉を絞り出す姿勢がまさに山根さんの音