マガジンのカバー画像

同時代音楽のための月刊マガジン【無料】

103
同時代に生きる音楽家のインタビュー、エッセイなどを月刊でお届けします。紙媒体のマガジンを目指して、記事ストック中です。 【音ポスト】 【ゆきちか日々の書簡 (不定期)】 【今日の… もっと読む
運営しているクリエイター

#村上淳一郎

村上淳一郎に〇〇について聞いてみた(3)

ヴィオラ奏者、村上淳一郎さんインタビュー第三弾。現代音楽とオーケストラの関係性、音楽の欲望の話から、最後は村上さんが思う音楽の形について(インタビュア:わたなべゆきこ) 音たちの存在――(村上淳一郎)僕ね、「音たち」みたいな感覚を持っているんです。恐らく普通の見方で言えば、楽譜があって、そこにおたまじゃくしが書いてあって、身体を使うことで音が出る、という順序なんだけれども、実は逆なんじゃないかなって思う。弾いている時の僕の感覚としては。この「音たち」一つ一つに、既に人格があ

村上淳一郎に〇〇について聞いてみた(2)

ケルンWDR交響楽団の首席で、ヴィオラ奏者の村上淳一郎さんのインタビュー第二弾。現代音楽を演奏するモチベーションの話から「音楽の本質」へ(インタビュアー: わたなべゆきこ)。 「たかが」と「されど」 ――(村上)僕ね、音楽って二面あると思うんです。「たかが音楽、されど音楽」。 (わたなべ)たかが音楽、されど音楽? ――「たかが音楽」のほうは、音楽なんだから何でもあり、自由で良いじゃないか、という考え方。そして「されど音楽」っていうのは、やっぱり何か、、、魂の救いがあった

村上淳一郎に〇〇について聞いてみた(1)

ちょっと聞いてみたい音楽の話、11回目は、ヴィオラ奏者の村上淳一郎さんをお迎えします。ケルンWDR交響楽団の首席奏者として活躍されている村上さん。普段聞けないオーケストラと現代音楽の関係について、お話を伺いました(インタビュアー: わたなべゆきこ)。 オーケストラと現代音楽 (わたなべ)このインタビューシリーズはこれまで、作曲家や同時代の音楽シーンに関わりのある演奏家の話を聞いてきましたが、オーケストラで演奏する音楽家と話すのは初めてなんです。作曲家として指揮者と交流するこ