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同時代に生きる音楽家のインタビュー、エッセイなどを月刊でお届けします。紙媒体のマガジンを目指して、記事ストック中です。 【音ポスト】 【ゆきちか日々の書簡 (不定期)】 【今日の… もっと読む
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2019年4月の記事一覧

ゆきちか日々の書簡 02 * カイロの音楽祭

コンポーザー二人の毎日のやり取りを切り取ったもの。きほん何気ない話です。今回はわたなべさんが先日訪れたエジプトの音楽祭のお話。 ---------------------------------------------------------------------------- わたなべゆきこ 作曲家、ケルン在住、四歳児の母。次は6月デンマーク! 森下周子 作曲家、ベルリン在住。5月はひたすら作曲月間! ---------------------------------

ゆきちか日々の書簡 01 * チルテレ

コンポーザー二人の毎日のやり取りを切り取ったもの。きほん何気ない話です。今回はわたなべさんがはまってるチルテレと、音楽構造の話。 ---------------------------------------------------------------------------- わたなべゆきこ 作曲家、ケルン在住、四歳児の母。カイロの音楽祭に行ってきました。 森下周子 作曲家、ベルリン在住、博士号やっと取りました。 --------------------------

坂田直樹に〇〇について聞いてみた(4)

——坂田直樹に〇〇について聞いてみた、早くも最終章になりました。ここでは、このインタビューの中で比較することになった、わたなべ作品「空中ブランコの閑」についても触れていきたいと思います。 実はたまたま坂田さんが「月の影を掬う」を書いていたときに、私も「空中ブランコの閑」を書き始めていたんです。しかも、作曲中は「月にかける橋」が仮題だったんですよ。 へぇ!そうだったんですね、面白い偶然! ——なのでどこかで坂田さんの作品タイトルを見かけて「あ!まずい!被ってる(笑)!」と

坂田直樹に〇〇について聞いてみた(3)

——坂田さんは、2018年にクラリネットとピアノのための「月の影を掬う」という作品を発表されました。私も偶然、2018年終わりにクラリネットとギターの曲を書いていて、テーマが似ていることから、この二つの作品を比較しながら、お話を進めたいと思います。 まずこの「月を掬う」というタイトルについてお話を聞かせてもらえますか? クラリネットには低音域のシャリュモーと呼ばれる音域と、クラリーノ、クラリオンと呼ばれる中音域があって、この二つの音域はかなり音色も異なってるんですよね。一

坂田直樹に〇〇について聞いてみた(2)

——事前に出したアンケートで「作曲家は職業として成立すると思うか?」という問いに対して「すると思う」とお答え頂いたんですが、私自身は難しさを感じています。坂田さんの考えを聞かせてもらえますか? アンケートには「職業として成り立つ」と書いたんですが・・・正直言うと狙ってできることじゃないよなって思ってます。我々の世代もみんな大変そうだけど、どうしてるの?と聞きたいですよ(笑)。周りを見た時に、藤倉大さんとか、そのご活躍を見ると出来ないことはないよなって思うんですけれど。 —

坂田直樹に〇〇について聞いてみた(1)

作曲家 坂田直樹さんにインタビューしてきました。坂田直樹さんは1981年生まれ、愛知県立芸術大学を卒業後フランス留学をされて、今現在は東京とパリを中心に活動されている作曲家です。同世代として常に刺激を頂いている作曲家の一人でもあります。坂田直樹さんウェブサイト (インタビュアー:わたなべゆきこ) ——坂田さんは、フランス留学の前は、日本では愛知県芸で勉強されてるんですよね。愛知県芸での学びについて、少しお伺いできますか? 当時は、将来「現代音楽をもっとやっていきたいのか」