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【子育て】9月入学で子どもたちの未来はどうなるの?

こんにちは、ユキコ@アジアで働くワーママ(@SanoYukiko)です。

9月入学について、文部科学省が、

小学校に、2021年から9月入学を導入した場合、どのような学年の区切り方が考えられるのか、2つのオプションを提示した

ことで、ここ数日、報道がかなり盛り上がっていますね。

文科省は、(今年度の導入は見送るという方針をふまえて)2021年度導入という仮定に基づいて課題整理をしているのだと思うのですが、今の報道のはちょっとミスリードなのかもしれないなーと感じています。

という問題意識に基づいて、今日は、本ではないのですが、先日の自民党の9月入学に関する検討会に有識者として参加された慶應義塾大学・中室牧子先生のスライドをご紹介したいと思います。

【追記】ご本人の解説記事がありました。

実はわたしは、公共政策大学院の2年間で、この客観的データ(科学的根拠)に基づく政策判断(Evidence-based Policy Making)のトレーニングを嫌というほどやりました。(正確には、「やらされました」だな。本当につらかったし…涙)

政策はデータだけでは決まらないと思いますが、それでも、政策決定者は、きちんとした政策判断の根拠を示すべきと思います。(とコ〇ナ対応の時もずーっと思ってたけど…)

わたしが個人的に気になっているのは、

「9月入学は本当に妥当なのか?」について十分に議論がつくされているのか?その際の政策判断の根拠は何なのか?

ということです。

報道をみていると、「長引く休校により学力低下や学力の格差が生じる可能性がある」という課題と、「教育システムの国際化」という別の課題が入り混じっている感があります。

「何のための9月入学なのか?」という政策目標をしっかり設定したうえで、9月入学以外にその目標を達成できる政策手段がないのか、夏休み返上といった話もでていますが、こういったさまざまなオプションと比較検討(←このプロセスでEvidence-basedなアプローチが登場する)されたうえでの「9月入学」なのかどうか、よくわからない。9月入学ありきになっているようにすらみえなくもない。

さらには、仮に9月入学が導入されるとしても、2021年度以降になるようなので、それまでにはまだ1年以上あるわけで。

いま、休校になっている子どもたちは、既に3か月近くの学習期間が失われており、かつ、義務教育なのに自治体ごとに対応がバラバラすぎることに親の方も戸惑いと不安があると思うので、「いまココの課題」に対しても、もっと目を向けてほしいなと思ってしまいます。

(と書いていて、これは、教育の問題であると同時に、コミュニケーション戦略の問題なのかもしれない(あえてそうしているのかもしれないけど)という気もしてきました…)

教育は子どもの未来、そして日本の将来を左右する重要なファクターです。

「9月入学」が導入された場合、その効果がエビデンスに基づいて検証されるのは、今の小学生がだいぶ大人になってからで、その頃にはたぶん、わたしの寿命はもう尽きていると思われます。

教育の効果というのは、そのくらいの長期間にわたって影響を及ぼすものだということ。

小学1年生の子どもを持つ親としても、引き続き、「9月入学」の動向には注視していこうと思います。と同時に、家庭/個人レベルで自分の子どもために何ができるのかも考えてみたいです。

教育制度が重要であることに疑問の余地はないけれど、かといって、いまのこの状況で、誰かが何とかしてくれることを待っているだけでは、時間が過ぎていくだけかもしれないですから!

ちなみに…

うちの長男は、日本の教育制度では今年4月から小学1年生、インターだとまさに9月入学(正確には8月スタートだけど)で、半年遅れのスタートになります。近い将来、日本に帰ってきたら、(日本語力も含め)この学習の遅れや学力格差の問題に直面する可能性があるな…。

中室先生といえば、こちらの本。子育て中の親御さんは一読の価値あり。

2015年に書評めいたことを書いてました。

津川先生との共著もあります。夫が買ってたけど、わたし、まだ読んでないな…。

Evidence-Based Policy Makingといえば、去年のノーベル経済学賞は、この権威である3名の教授が受賞しました。

こちらの安田先生の記事が非常にわかりやすいので、ご関心ある方はぜひ!

建設的な政策議論のためにも、研究者の皆さんには成果の発信を続けていただきたいです!

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