月光と太陽光

漢字は、成立時の概念を表している。
月という漢字は、三日月の形
日という漢字は、太陽の形を示すとされる

だが、話はそう単純ではないようだ

月は満ち欠けし、形を変える。
三日月だけが月ではない。
ならば、満月はどう表現されたのだろうか。
この疑問の答えは
夜という漢字が教えてくれた。

夜は大と夕に従い、人影が横斜する形。
人が臥せって休息する時と解釈されるが
そうではないと思う

これは、満月の月光により、人影ができる様とみた方が適切である。

夕は半月の形とされるが、月の字形とも互易する。
夕方に半月が見えるのは、月齢7日前後の上弦の月の頃。

朝は、草と日と月よりなり、早朝を指す。
日の出頃に太陽のそばに三日月が見えるのは、月齢27日前後にあたる。

昼は、聿(いつ)と日に従う漢字であるが、昼の暗い状態を表す。日に暈(かげり)がある形とある。
この解釈ははなはだ意味不明である。
昼に日暈とは、太陽ではなく、おそらく、月と深く関わると推測する。
そもそも、日とは、太陽なのか。

夜が満月からくる概念ならば
昼はその対極、つまり新月。

新月の頃は、月はほとんど見えず、姿を消す。
月光は見えず。つまり暗い。

日は、太陽ではなく、月の光と解釈するのが適切だと考える。

日は、古文の象形では陰陽のマークにも似ている。

月が満ちていき、欠けていく。
陰陽は太陽と月の関係ではなく、もともとは月の満ち欠けを指したのではなかろうか。
時代と共に、光は月と太陽に分断され、二極化した。

そして、月は陰とされ、欠けているものと認識されるにいたったのではなかろうか。

さて、古代、朝、昼、夕、夜という概念が月齢によるものであったなら、
太陽を基準にした現代の一日とは、なんとスピードの速い事か。
朝昼夕夜が28日周期だったならば
現代人は28倍ものスピードで暮らしていることになる。

古代の人々にとっての光が、何を指したか。
それを漢字が教えてくれた。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?