オルタナティブ宇宙ロック
段々と秋めいてきて、夜なんかはとても過ごしやすい。空気が澄み始め、星々も輝きを増す今日この頃、ふとACIDMANが聴きたくなったので今回は彼等の音楽について書き綴りたい。
今や映画ゴールデンカムイのタイアップでスマッシュヒットを飛ばしている「輝けるもの」ですっかりお馴染みのACIDMANだが、個人的には高校生の頃から好きなアーティストなので、世代的にも代表曲は「赤橙」なのではと思ってる派。当時は周りでACIDMANを聴いてる友人が数人いたため、私も詳しくはなかったが何曲か聴いていた程度。
実際にのめり込んで全てのアルバムを聴き漁り、ライブへ足を運ぶまでになったのはバックホーンに沼った後なので、大学生になってから。
宇宙を始めとする星や自然、生命にまつわる楽曲が多く、3ピースサウンドのシンプルな構成から繰り出される壮大なスケールと美しさが彼等の魅力。
テーマがテーマなのでスピリチュアルで哲学的な世界観とも取れる音楽性なのだが、案外ACIDMANが好きだという人は周りに多く、皆は一体どういう視点で彼等の音楽を聴いていたのか今更ながら結構気になるところ。
私の場合はカッコよさやオシャレさよりも“美しい“という形容詞が先立つバンドだと今でも思っている。ここまでエピックに無限の宇宙の広がりを3ピースで表現できるのはACIDMANかイギリスのMUSEぐらいだろう。国際宇宙ステーションとかでライブして欲しさすらある。
気を抜くとVo.の大木伸夫さんは素粒子の話をし始めるらしい。音も光もその全ては素粒子で構成されていて云々みたいなことをMCでも言っちゃうんだからもうかっこいい。バンドマンでありながら薬剤師の資格まであるとかどこまでかっこいいんだ。
そんなACIDMANの好きな曲をいくつか紹介したい。もしかしたら皆さんにとっての定番曲はないかもしれないけど、マイフェイバリットを何曲か。
1. FREE STAR
この曲、学校帰りの星が綺麗な夜に自転車漕ぎながらよく聴いていた。「たった一秒で世界は変わるんだよなぁ」なんてこの曲の歌詞と星空に気を取られていたら、ガードレールに突っ込んで自転車のカゴ及びライトを破壊してしまった記憶がある。ともあれ美しき大名曲。
2. アルケミスト
大木さんがパウロ・コエーリョの小説アルケミストを読んで書いたという曲。エジプトを目指して旅をする羊飼いの少年のお話。ラストサビに繋げるCメロからの光を解放してゆくような展開で感極まる。優しく力強いこの曲で魂が浄化されること間違いない。
3. SILENCE
1stアルバム「創」の再現ツアーの時に聴けて死ぬ程嬉しかった。
DEEP FOREST Why do you say!!
DEEP FOREST Why do you say!!
求めつーづけるッ!!我が身ィィーとッッ!!
の掛け合いパートをライブの時に完璧にこなせたので何の悔いもない。
4. CARVE WITH THE SENCE
アルバムに1〜2曲は収録されるACIDMANの激しい系ナンバーの一角。繰り返されるコーラスパートが印象的な疾走感あるロックチューンなのでライブでも盛り上がる曲。激しいACIDMANを求める方はこの曲からどうぞ。
5. リピート
20年も前の曲だが色褪せない名曲。ストレイテナーのホリエさんがfeat.したこのSecondlineバージョンが至高。無くしてまた繰り返して「何を手に入れた?」と訴える大木氏のメッセージが今尚刺さり続ける。
6. prana
サンスクリット語で息吹という意味らしい。煌めくようなアルペジオが夜明け前の美しい地平線を思わせる。力強いドラミングが乗っかり、激しさを増し、開けていく曲展開は最高。太陽が昇り、空を深い青に染めてゆく情景が浮かぶ。
7. UNFOLD
季節の移ろいと共に聴きたくなる曲。悲しげで儚く、世界の終末を思わせる退廃的な雰囲気が良い。大自然の中で聴くと語彙力と感情が消し飛ぶ。MVの空に昇っていくCGの飛行物体を見ているとSF映画「メッセージ」を思い出す。
因みにアルバムは12枚も出ていて、全て良いアルバムなのだけど、敢えて一番好きなアルバムを挙げるなら「LIFE」かな。ALMAやLoop、and worldなんかも捨てがたい。
秋が深まり出すこの季節に聴いて欲しいバンド。静と動を駆使し、ここまで宇宙を奏でる唯一無二のバンドは今の邦楽シーンにはいないので、ゴールデンカムイから入った方々にも是非たくさん聴いて頂きたい。
私も今夜はSecond lineのアコースティックアルバムを聴きながら寝ようと思います。輝く星に明日が見えるまで僕らは手を伸ばすのです。
おやすみなさい。
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