メモオフIF2周年に寄せて

メモオフシリーズの“最新作”「メモリーズオフ -Innocent Fille-(メモオフIF)」が2018年3月29日発売して2年が経った。

もう2年、まだ2年。あれから、世界中がこういった状況になっているだなんて思いもよらなかった。

首相から長期戦という話も出たが、焦らずにじっくりとできる範囲での対策を続けていきたいと思う。

さて、本題に入ろう。今日のテーマはメモオフIFについて、だ。

メモオフ1stが既に20年前。プレイステーション版を繰り返し、繰り返しプレイした福岡の高校生が今では東京でVRゲームの宣伝をやっていると考えれば、人生とは本当に何が起きるのか分からないものだ。

思春期、青年期を共に

学生時代、僕はとにかく沢山のアドベンチャー(ノベル)ゲームに触れてきた。

ときメモにはじまり、センチメンタルグラフティ、to heart、Kanon。久遠の絆、まぼろし月夜、こみっくパーティー。Lの季節、ファーストKissストーリー。

悠久幻想曲やデバイスレインもアドベンチャーという意味で忘れてはならない名作だ。

なかでも僕はKID作品をこよなく愛する学生だった。ただ、メモオフの世界観は、福岡で冴えない学生だった僕にとって「こんな学生生活を送りたい」正確には「送りたかった」という仮想現実を提供してくれるものになっていた。

だからこそ、現実の時間の流れとリンクするところがあった「#5 とぎれたフィルム」までが特に好きだった。

高校を卒業してかなりの時間が過ぎた当時の僕にとって「#6 〜T-wave〜」は眩しすぎた。限定回帰を狙い舞台は澄空に戻ったことも大きかったのかもしれない。

あの頃のような瑞々しい気持ちが消えかけた20代中盤を経て30代へ。ところがどうだろう。

30代も中盤に差し掛かったところでプレイした「#8 Innocent Fille」は大人びた主人公・楠瀬 累のお陰もあってかすんなりと世界観に入ることができた。

一番意外だったのは最も気に入ったヒロインが志摩寿奈桜だったこと。僕はこれまで双海詩音や寿々奈鷹乃、藤原雅、観島香月、嘉神川クロエ、南雲霞など比較的クールだったり、ツンデレの要素が強い女の子が好きだったはず。

「#8 Innocent Fille」であれば日紫喜瑞羽がタイプであるはずなのだ。それがどうだろう。シナリオと演技、何よりも年下を可愛く思うようになった心境の変化に伴って、志摩寿奈桜にどハマりした。

人生、何が起きるか分からないものである。

信くんというストーリーテイカー

高校、上京、社会人。メモオフの歴史。そして、僕自身のこれまでの歴史。この2つを重ねて想いを馳せるだけで、それだけで目頭が熱くなってくる。

主人公は変わっても世界は地続きだった。稲穂信(信くん)がずっとつないできたバトンは確かに存在していたのだ。

いわゆるギャルゲー、恋愛アドベンチャーゲームにおける親友の役割を大きく変えたのが信くんだ。

WHITE ALBUM2の飯塚武也がいい味を出していて、彼を気に入ってしまったのも信くんの影響が大きかったように思う。

新しい視点から彼の成長を感じ、これまでに出会ってきた女の子たちと久しぶりの再開を果たす。

ここまで来ると理屈じゃない。人それぞれ、プレイヤーそれぞれで全く感じ方が違うゲーム。それがメモオフIFなのだ。

そう、メモオフIFはただのゲームではなかった。一つの作品の完成度とは別のところにある、プレイヤー側の心に寄り添い包み込み、「見守ってくれてありがとう」というメッセージが詰まっているように感じた。

そんな稀代の名作に対して、僕は改めてこの詞が浮かんだ。

ありがとう この気持ちより
送りたい言葉がなくて

あがらない雨ははないんだよ より

メモオフIFが発売されて2年。今日、関東では雪が降っている。外出を自粛する中で興味がある方はぜひメモオフIFをプレイして欲しいと思う次第だ。

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