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文章力がちょっとだけアップする、簡単なコツ

今日は文章を書くのが苦手!という方に向けて簡単なコツをシェアしたいと思う。
編集職歴数年の私が偉そうに発信していいのやらという気はするが、過去仕事でインタビュー記事を書いた際に、著名人から何度か「今まで受けたインタビュー記事の中で一番良かった!」とお褒めいただいたこともあるので、開き直って公開しようと思う。

たくさんの原稿を読んで気づいた文ヘタな人の特徴

私は以前のポストでも書いたが、特にライティングについて学んだことはないが「そこそこ」に文章が書ける。
まぁ「そこそこ」なので、正直めちゃくちゃ上手いとは自分でも思っていない。
だが、一般的には小説家やライターを目指していない限り「そこそこ」書ければよいのである、日常の文章なんて。
自分の言いたいことが、読み手に伝わるか。
読み手がストレスなく情報を得ることができるか。
これが最も重要である。

私は自分自身がテクニックを意識せず「なんとなく」で文章を書いていたため、最初は何が文章の良し悪しを決めるのだろう?ということがわからなかった。
だが、多くの原稿を校閲する中で徐々にそのポイントに気づき出した。

一言で言うと、私の思う「悪い文章」は「流れが悪い」
ものだ。読んでいて上手いなと思う文章は何よりテンポがいい。
音楽を聴くようにスラスラと頭に入っていく。

今日は文章の流れをよくするために、初心者でも簡単に取り入れられるコツをいくつか紹介したい。

①構成から考える

私は記事を書くときに、まず構成を考える。
まずは「この記事で伝えたいポイントは何なのか?」「誰が読者なのか?」という前提を書き出してみる。
そして、それにそって構成を考えるようにしている。

記事のような体裁のものならば、全体の中で最も大事なのはタイトルと見出しである。
見出しをさらっと流し見して、文章を読みだす読者もいるからだ。

なので、私の言う構成作成は
・記事で伝えたいポイント
・ターゲット(読者イメージ)
・リード(冒頭の文章)
・タイトル(ここではあくまでも案。最終的に記事を書いたあとにタイトル案を10コくらい出して決定する)
・文中の見出し
・結び文

を考えることだ。

書き出し、俯瞰してみたときに「いや、このカテゴリはもっと前で話した方がわかりやすいな」などとパズルのように構成を組み替えていくことも多い。

構成をまず書く癖をつけると、驚くほど記事全体の質があがる。
少なくとも「この記事何が言いたいの?」というツッコミは受けなくなるだろう。
論文でも、レポートでも基本的には同じである。

しょっぱなから、こんなことを書いた後に告白しにくいが、私はこのnoteに関しては構成を作っていない。
思うがママに書き殴っている。
さらにさらに正直に言うと、推敲もほぼしていない。
子育ての合間に命を削りながら書いているので(大袈裟か)文章の乱雑さは、どうかお見逃し頂きたい。

②1文を短くする

構成を決めてようやく執筆作業に入るわけだが、文章が苦手!と思っている人は是非「1文を短くする」ことを意識して書いてみてもらいたい。

文章には温度がある。
言葉のチョイスや表現はもちろん、敬体(です・ます)か常体(で・ある)の選択、そして文章の長さ。

小説を想像するとわかりやすい。
江國香織と馳星周の小説の温度感は全く違う。
村上春樹が村上春樹たるのは、それが村上春樹しかしない表現の集合体だからである。

こう書くと「私も私なりのオリジナリティがほしい!」と考えてしまうかもしれない。
だが、初心者はそこに捉われるべきではない

読者が唸るような絶妙な表現や言い回し、比喩などは確かにカッコいい。
だけれども、かなりの技術力がないと単に文章が長くなり、冗長的になるばかりで何も伝わらない。

また次のパートで詳しくは書くが「ねじれ文」のミスを犯しやすくなる。
初心者は文章を切る!短くする!これをまず意識すると良い。
少々子どもの作文っぽくなる懸念はあるが、それでも何が言いたいのかわからない文章よりはよっぽどいい。

③読み返して練り直す

noteのポストは殴り書きのまま世の中にだしてしまっているが、仕事で文章を書くときは、それはもうしつこいくらいに読み返して、文章を練り直している。

ここでは書き手としてではなく、一読み手としての意識が大事になる。
読者のつもりで読んでみて、詰まることなく最後までスムーズに読めたか?
記事のポイントを理解できたか?
これをとことん追求する。

とはいえ「読み返しても何が悪いかわからない」というケースもあるだろう。
その場合はまずこれをチェックしてみてほしい。
先述の「ねじれ文」である。

「ねじれ文」というのは、主語と述語の関係が崩れてしまった文章のことだ。
どういうことか?
以下を見てほしい。

私の趣味は、幸せです。

- おいおい、どうした?なんかやばい宗教入った?

昨日のご飯は、歩きました。

- 近未来的すぎやで!

と、このように短文で見るとそのおかしさは一目瞭然である。
だがこれが長文になると、こんなことになる。

私の趣味はカフェの可愛いケーキを食べたり、おしゃれなお店に行って素敵な写真を撮ったりして、たくさん美味しいものに囲まれているのはすごく幸せです♡

なんとなく言いたいことはわかる。
だが「私の趣味は」の主語に対して、文章を長く続けすぎてしまって、結論が「すごく幸せです」と謎の着地を決めてしまっている。

これは、文章を切らずに長く書いているうちに、書き手が主語を忘れてしまうから起きるミスである。
いやいやこんな間違いしないでしょ?と侮るなかれ。校閲をしていて1番多いのは、この問題なのだ。
プロのライターですら、しばしばこの罠に陥っている。

解決方法は簡単で、文章を分ければいいのである。

私の趣味はカフェの可愛いケーキを食べたり、おしゃれなお店に行って素敵な写真を撮ったりすることです。
たくさん美味しいものに囲まれているのはすごく幸せです♡

はい、修正完了。簡単にねじれ文を解消できる。
(そもそもの例文の酷さはさておきw)

ちなみに読み返すときにおすすめなのは音読である。あまりに長い文章だと難しいかもしれないが、5000文字程度の記事なら私は基本音読するようにしている。
声に出して読むと流れの悪い箇所がよりわかりやすい。

伝える力をアップしよう!

いかがだろうか?すぐに使えそうな簡単なコツを紹介してみた。
他にもまだまだあるので、需要があれば書いてみたい。

noteを書き出してから、何人もの友人が「感動した!」「すごく文章が好き」「ファン!」とわざわざ連絡をくれた。

泣くほど嬉しい。
ぶっちゃけちょっと泣いた。
この嬉しさを表現できるスキルが足りないのが口惜しい。
私も日々研鑽を重ねて、いつか村上春樹ばりの美しい文章でその想いを伝えることを、ここに宣言しておきます。


本代に使わせていただきます!!感謝!