さっきまでAIを遠巻きにしてたド素人による「AI(人工知能)の基本のk」
AI。わかっているようでわからない、なんかすごいやつ。
人間を超えるとか超えないとか聞く。
AI(Artificial Intelligence: 人工知能)について、そんなふうに捉えて遠巻きに見ている方も多いのではないでしょうか。
かくいう私がそうなので、えらそうなことを言う気はまったくありませんが、1月2日からなんだかこれを読んで勉強になったので、でもまだなんかわかったようなわからないような気がしているので、アウトプットしてもう少しAIとやらを捉えて見ようと思います。
そんなに難しい話ではないので、とりあえずは私と一緒に基本の「k」だけなめてみませんか。
※この時点では予期していなかったのですが、頭に残ったことを構成したらかなり大作の約6,000字になりました。基本の「き」くらいまではいったかもしれない。
AIとは
AI(Artificail Intelligence):機械により人間の知的活動を再現したもの(p.58)。人間の脳の仕組みをコンピュータで模倣したソフトウェアやシステムのこと(参考)。
AIに含まれる技術には、統計、機械学習、強化学習、シミュレーション、オントロジー(人間の知識を巨大なデータベースとして整理した概念)などがあります。
なぜAIが近年ここまで注目されているかというと、やはり以下のような技術の進化があったから。
①演算速度の向上:いわゆるPCの話。
②データ量の爆発的な増加:インターネットの話。
③アルゴリズムの劇的な進化:そして最近よく聞くディープラーニングの話。
専門用語はあとで載せますが、多層構造のニューラルネットワークに入る大量の画像、テキスト、音声などのデータに含まれる特徴を各層で自動的に学習するという構造と学習の手法がディープラーニング特有であり、これによりディープラーニングのモデルは極めて高い精度を誇り、ときには人間の認識精度を超えることもあります。(参考)
ときには人間の認識精度を超えることもあります。
AIはこのイメージが強いですよね。。。
AIが活躍するところの例
①自動車:省エネ、判断ミスによる交通事故の削減、人手不足の解消、受給のマッチングによる配車サービス
②金融:心理状態に影響を受けることなくアルゴリズムを使った超高速・高頻度取引
③医療:診断補助、容態予測、遺伝子解析
④教育:個々人の習熟度に合わせ最も適した課題を与えるアダプティブ・ラーニング
⑤HR:客観的なデータに基づいたマッチングや採用活動、タスク指示、人事評価
⑥クリエイティブワーク:画像生成、作曲、ロゴデザイン、記事コンテンツ
聞いたことあるようなことも、これから発展していくようなことも、印象的なものを載せました。
*
「機械により人間の知的活動を再現したもの」であるAIは、大量なデータの蓄積から「正しい答え」を学びます。
「AIはパッケージソフトのように買ってきて導入すればすぐに結果を出せるものではない。...(中略)... 継続的に育てる必要がある」(p.222)
そのため、間違ったことを教えたりデータが不正確だったりするとAIも間違える上、データがたまるまでは急な環境の変化には対応できません。
そうなんですよ。
ここからは、AIについてびっくりしたことを個人的に3つ切り抜きます。
AIについての勘違い①: 正確だから人間より信頼できる
・・・って思ってたの私だけですか?ここが一番びっくりしたんだけどレベル低すぎでしょうか?
「AIは万能ではない」という言葉は、本書の頻出フレーズと言ってもいいかもしれない。で、後ろのほうにもハッキリ書いてあります。
一般の情報システムは正確に動くのが当たり前であるが、AIの場合は間違えるのが当たり前なのである。(p.226)
「わたし文系だもん」という顔をしているそこのあなた、情報システムとかAIとかITとかが脳みその中で全部いっしょになってませんでした?
人間と比べて精度が高ければよしとするように、ある程度の割り切りが必要になる。100%の精度が求められる業務では、AIの出す結果を鵜呑みにせず、人間による確認が必須となる。(p.227・太字筆者)
え??AIって結局なんなんだっけ??人間?
ってなってきません?ここでAIがよくわからなくなりました。
(しかも、データを学ばせるときにご褒美をあげたり間違えたら罰したりするらしいよ???どういうこと?)
そういえば、AI翻訳ツールを使っても結局ぜんぶ翻訳しなおしてるわ。
AIについての勘違い②: 将来AIに仕事が奪われる
AIによって雇用が失われると心配している人は、特別な資格のいらない比較的単純な仕事ほど、AIに代替されると考える傾向にある。ところが、現実はそうでもない。たとえば、弁護士や医師といった知的専門業務は、AI導入を進めやすい領域であったりする。(p.147)
弁護士や医師のほうが、事務作業員よりもとって代わられやすい!これも衝撃!全然知らなかった。
弁護士や医師が「AI導入を進めやすい」領域である理由のひとつは、良質なデータが完備されているため。体系立てて整理されており、かつ文法もデータ自体も正確性が高いものであるため、AIが分析しやすいらしい。
また、知的専門職は人件費が高いため、AIに置き換えたときのコスト削減効果が大きいから。弁護士事務所にとっては痛手だけども、社会的に見ればサービスのコストが下がり「弱者が容易に専門家に相談できる世界は悪くない」(p.28)。
逆に言うと、データが曖昧な「知見が溜まりにくい・分析しにくい・コミュニケーションや’’常識’’が必要とされる」業務は不得意領域であり、かつ一般的に高給でない仕事はAI代替の研究対象となるには時間がかかるらしいです。
例えば以下。↓
・たまにしか発生しないトラブル対応(データない・バイトの方が安い)
・業務内容が次々に変わる業務(お弁当のおかず詰めなど)
・お客様と話しながら手を動かす高度な技術(美容師など。かつ「公務員を金髪にしない」などの常識を働かせる必要もあるためw)
AIにとっては、ベテラン従業員がこなしている事務仕事は医者や弁護士などの知的職業よりも難易度が高い。(p.193)
「AIによって雇用が失われる」と心配をしてしまうのは、2013年にオックスフォード大学のマイケル・オズボーン准教授が発表した「今後10年〜20年の間に人間が行う仕事の半分近くがAIに奪われる」という論文が有名になってひとり歩きした結果でしょう。
AIに何ができて何ができないか、とかはきれいにまとまっているので本書に譲ります。
AIについての勘違い③: ディープラーニング = 機械学習= AI
ここらへんのワードなに?もうぜんぜんわからん!ということでまとめます。さっきまで「機会学習」だと思ってたし。
ついでに、いろいろな用語も一緒にどうぞ。
機械学習:大量のデータを用いてAIを賢くさせる手法。もしくは、人間が自然に行うタスクをコンピュータに学習させる手法。人間のようにたくさん学べば学ぶほど賢くなる。(機械学習がAI技術の代名詞だと思っている人も多い)
強化学習:機械学習の一種。試行錯誤を通じてコンピューターがうまくいく方法を自ら学ぶ手法。
深層学習(ディープラーニング):機械学習の一種。人間の神経細胞(ニューロン) の仕組みを模したシステムであるニューラルネットワークがベースになっている(参考)。多層構造のニューラルネットワークに大量の画像、テキスト、音声データなどを入力することで、コンピュータのモデルはデータに含まれる特徴を各層で自動的に学習していく。
AIと関係がある言葉
よくわからない言葉、まだまだあります。
アルゴリズム:問題解決の方法や手順を一般化するもので、プログラミングを作成する基礎となる。AIは多数存在するアルゴリズムの総称。
IoT(Internet of Things):モノがインターネットにつながっていること。センサーで感知したデータ、画像、テキストなどの情報をインターネット経由で分析を実行する場所に送る。(参考:p.60)
ビッグデータ:それだけでは「大量のデータ」という意味でしかないが、精度の高いAIは大量データを活用している場合が多い。(参考:p.62)
(そもそもAIとビッグデータを結びつけて考えてなかった。)
シンギュラリティ:人工知能(AI)が人類の知能を超える転換点(コトバンク)。2045年ともいわれる。
(賛否はともかく覚えておいたほうが良さそうなワード。)
狭義ではAIと関係がない言葉
まず言い訳すると、ここらへんで「てかそもそもITってなんなんだっけ?AIってITでいいの?」「プログラミングってなんかAIと関係ある?!」とすらなってきたわけですね。なので整理させてください。
ITってなんの略か言える人?「インターネット・テクノロジー」じゃないんですよ!
IT(Information Technology):インターネットなどの通信技術やコンピュータの技術の総称。日本語では「情報技術」。
ちょっとよくわからないけど、「インフォメーション・テクノロジー」だけでなんかわかった気になりますね。
ITは情報技術、AIは人工知能技術。AI(人工知能)はITに含まれ、今後はAI(人工知能)を活用したIT技術というものがより実生活に取り入れられていくのがこれからの時代の流れだそうです。(こう聞くと普通)
プログラミング:人間の意図した処理を行うようにコンピュータに指示を与える行為。(wikipedia)
プログラミング自体はAIを作ることじゃない。ただ、AIによるプログラミング自動化は着実に進歩していることも確かだそう。
「プログラマーの仕事はソースコードを書くことではなく、AIが自動生成したソースコードを『確認する』という仕事に変わっているかもしれません」という説明が案外いちばんわかりやすかったです。
AI実装におけるハードル
基本の用語や、どこに使われているかがなんとなくわかったところで、実装における課題。法の整備や倫理問題や、と色々あるのだけど、印象に残ったものをまとめます。
①著作権問題
AIが作った絵に著作権はあるのか?
AIに助けてもらって描いたものはどこまでが著作権に入るのか?
1秒で絵が描け膨大なデータを持つことができるAIなのに、人間が著作権侵害してしまったら訴えられるのか?
②国や企業の責任問題
自動運転で事故が起きたら、責任はメーカーなのか?運転者なのか?
各国がAIを戦争に使わないという保障はできているのか?
③日本企業はちゃんと世界についていけるか?問題
著作権、個人情報保護、企業の責任問題などなどを鑑みると、社会全体のことではなく、「危ないことはやらない」と自組織を守ることだけど考えてしまうと二の足を踏んでしまいそう。
米国などの諸外国は失敗を恐れず開発を進めるケースが多いが、日本は失敗に対して慎重であるため周回遅れになりやすい。(p.240)
④ 感情や戦略、人材不足などのソフト面
「とりあえずAI使ってなんかしたほうがいいらしい」だとうまくいかない。現場が「AI導入?仕事を奪われちゃうかもしれない」と思っていると実装まで辿りかない。ビジネスの実際の現場では、案外こういう面でハードルがあるようです。
日本の大学のAI研究者のレベルは、欧米と比較して遜色ないといわれる。(中略)... ただしあくまで研究者であり、実務に活かせるサービスを開発できる人材は、欧米の方が多いかもしれない。(p.208)
思ったこと:データを制するものがAIを制する
ふと帯を見たら「AIを制するものがビジネスを制する」と書いてありましたが、読んでいて思ったのは「データを制するものがAIを制する」です。
この本を読むと、色々なことがAIでできる世の中になるんだなとワクワクすると同時に、すでに世界ではGAFAをはじめとする企業による売買合戦が起こっているような印象が芽生えました。
というのも、そもそもデータがないとAI技術を洗練させていくことはできないから。そしてAI人材はどんどん価値が上がっていくから。
人材確保のためのAI技術ベンチャーの買収、データ源確保のためのサービスの売買、データ取得や技術をもつ人材確保のためのラーニングツールの無料公開や投資、大学への寄付などあらゆる手で水流がコントロールされていくように感じました。
仕事やキャリアに活かす考え方
別の新聞記事で、AI人材を3つに分けているのがわかりやすかったので紹介します(2018年5月12日・日経産業新聞(お父さん本に挟んでおいてくれてありがとう))。
①AIサイエンティスト(研究開発・技術系職):数理モデルや論文から最新技術を実装できる。あるいは自ら論文を発表できる。
②AIエンジニア(応用開発・技術系職):既存のAIをソフトで実装でき、学習モデル開発に参画できる。
③AIプランナー(企画・非技術職):基礎的なAI関連の知識があり、現在の可能性と限界を知り、業務での活用法を企画できる。
企業に必要なAI人材は、ビジネスがわかり、データ分析ができ、データをソフトに落とし込めなければいけないが、これをひとりでできることは少ないため、チームで最適に実装していくべき、と本書には書かれていました。
この本で2回ほど書かれていたのは、やはり「AIに仕事を奪われるかもしれない」ではなく、「つまらない仕事はAIにやらせて面白い仕事をする」「AIの技術でこんなことができないか」と考える、共存していく姿勢が大事だということです。
実際これからどう関わっていくかはさておき、決して無視できない存在になることは間違いなく、もっと勉強していきたいと思いました。
まずは英語の翻訳ツールに弊社の決算発表資料で使うワードを教え込むところからやりたいです。
まとめ
① AI(Artificail Intelligence):機械により人間の知的活動 (脳) を再現したもの。得意不得意があるが、人間のそれとは異なる。
金融、医療、自動車、教育など、優良なデータが蓄積しやすい分野、かつ人件費削減効果が大きい分野に注目が集まる。
② 機械学習: 大量のデータを用いてAIを賢くさせる手法。
③ ディープラーニング: 機械学習のひとつ。多層構造のニューラルネットワークに入る大量の画像、テキスト、音声などのデータに含まれる特徴を各層で自動的に学習する。
④ うまく活用し共存することが大事。
参照
ディープラーニングについてもっと知りたい人はこちらが詳しかったです。
私のようにITとAIが混線してきた方へはこちらがおすすめです。
そして本記事の大元はこちら。
やばい!3:00。
(2020.1.1.のnote↓)
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