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街頭活動をしない候補はやる気がない?

 統一地方選の1ヶ月前にもなりました。平日の朝夜や休日には人通りの多い場所では多くの候補予定者が演説やビラ配りをやっていることと思います。わたしもその1人として多少この手の活動はしているところですが、こればかりに注力するということはやってません。

 この点について、単純に街頭での活動量を「やる気」や「頑張ってるかどうか」の指標として見られてしまうと「やる気のないやつ」とも見られかねないので、その意図について2つの点から書いておこうと思います。

① 街頭での活動量を重視することへの疑念

 まず1つは、街頭で活動を行うことそのものへの疑念です。そこで行っていることは結局のところ宣伝です。自分がどういう立場であるのか、どういうことをやっていきたいのかという演説をしたり、それをビラなどの形で配布したり。

 それがまったく無意味とは言いませんが、宣伝はあくまで宣伝であって、中身を伴うものではありません。やたらCMをやってるけど味はイマイチなお菓子みたいなものも世の中にはあります。宣伝広告費に金をかければ原材料費が割を食うというのは一般的な話。それと同様に、誰にとっても時間は有限ですから街頭での活動を増やせば増やすだけ他のことに充てることのできる時間は減っていくというのが道理です。

 「単純接触効果」というのは政治に関わるとやたらと良く聞く話です。

単純接触効果とは、元々興味がなかった物事や人物に対して、複数回接触を繰り返すことで、興味を持つようになる心理的現象です。たとえば、CMに流れている曲を毎日聞いているうちに、自然と覚えて、歌ってしまうなどが単純接触効果に当てはまります。

https://go.chatwork.com/ja/column/work_evolution/work-evolution-099.html

 要するに、とにかくたくさん有権者と接することで認知度を高め、それが関心、最終的には投票につながるということです。

 だからこそ候補者の人たちは中身そっちのけで街頭に繰り出すわけですが、それはともすれば「宣伝だけをうまくやれば中身がなくても政治家になれる」ということにもなります。実際のところ、国政選挙でも地方選挙でも、何となく思い浮かぶ方がおられるのではないでしょうか。

 わたしとしては、あくまで中身本位で政治家が選ばれるべきで、宣伝に必死になるあまりにその中身をおろそかにするというのは1人の候補としても、また有権者としても本末転倒だと感じています。さらに言うと、それこそが政治家の質の低下、それによる自治体サービスの停滞を招いているとさえも思います。

 したがって、限られた時間の中で多少は宣伝活動をやりつつも(ちなみに前回は政治活動としては完全にゼロでした)、できる限り中身のある発信を着実に行うということにも注力したいと考えています。

② 日常生活も大事にしたいという思い

 もう1つは、日常生活も大事にしたいという点です。これは1つめとも関連しますが、出馬のためにすべてを投げ打つ覚悟を求めるような、これまでの選挙のあり方への疑問の裏返しです。

 我が家には子どもが2人いまして7歳と4歳。妻もフルタイム勤務で家事育児はほぼ半々でやっています。妻も了承済みなので公開しますが、2022年度の役割分担はこんな感じです。送り迎えはもちろんのこと、食事だって作ってます。

これらのタスクはきっちり等分

 夜は夜でお風呂やら歯磨きやら寝かしつけに時間もかかり、自由になるのは子どもが寝た後の早朝か深夜の時間帯に限られます。

 これら家事育児のタスクを妻側に押し付けてしまえば朝も夜も街頭に行けるのかもしれませんが、このご時世に妻の犠牲のもとに活動することは、それ自体としていかがなものかと思います。妻にも妻の人生があります。人任せにしておいて演説やビラで「子育て当事者です」とか言っちゃうのはやや欺瞞だと感じるのはわたしだけでしょうか。

 子守りを外注するという選択肢もありますが、これについてもあまり積極的ではありません。日々接していると腹が立つことも多々ありますが、逆上がりができるようになっただとかひらがなが書けるようになっただとか、子どもたちの成長の姿を見られるというのは貴重なことだし楽しみでもあるためです(腹が立つことも多々ありますが)。これをただの「面倒ごと」と割り切ることは心情的になかなか難しいものです。

 仕事を続けていることについても同様です。幸いなことに非常にやりがいのある仕事を気の良いメンバと楽しく日々行えています。


 これらのすべてが日常であって、その日々の生活を大切にしつつ、普通の人が政治家を目指すことのできる世の中であってほしいとわたしは思います。なぜならば、基礎自治体の政治家という立場を考えたときに当事者性というのはきわめて重要な部分だと考えるためです。

 国政などと比較して狭い範囲の自治体の中での住民の代表者という位置づけが強く、普通の住民とほぼ同じような生活をしているからこそ、今の目の前の課題や困りごとに同じ目線で気付くということも可能になります。

 逆に言うと、浮世離れした生活を送っている人からはやはり浮世離れした的はずれなアイディアしか出てこないのではないかと思われます。


 もっとも、とはいえただの素人が出れば良いというのもまた違う話だと思っています。そんな人が政治家になったとしても行政側に良いように操られて何の価値も発揮できないというのが実際のところでしょう。

 単に当事者性だけではなく、何らかの専門的なスキルはまともに政治家として活動するためには必要かと思います。この点について、わたしの場合であれば元行政マンとしての実務経験だったり、様々なサービスを使ったデータ分析だったりします。

まとめ

 今回は、あまりまだ街頭に出ていませんが、その理由や意図について書いてきました。直近の活動量という点ではきわめて地味な存在ではあるかと思います。ただ、およそ6年ほど、少しずつこの中央区の子育てに関する話題を中心に発信を続けてきました。短距離走ではなくて、マラソン的な目線で見ていただけたら幸いです。


 今回書いている内容は理想論だと思います。ただ、わたしはわたし自身の理想を大事にしたいです。それは、今回やっていることが次に続く人の道になるためです。こんな形でも選挙に出られるのであればやってみよう、と思う人がいるかもしれません。大げさな言い方をすると、選挙のあり方を大きくアップデートできるかもしれません(逆の言い方をすると、現状で必死に街頭に出ている方は今の選挙のその歪みを一生懸命維持・補強しようとしているとも言えます)。

 そして、こういった考え方に賛同していただける方が30-40代の共働きで子どものいる家庭の割合の多い中央区には多く存在していることを信じたいと思います。それで駄目ならすっぱり諦める。今回はそれくらいの思いでやっています。

 まだ誰を推すのか決めかねている人は(直近だけでなく)過去の活動も踏まえた上で選択をしていただきたいですし、これまでのわたしの発信を見て「なんかええことやってるやん」と思っていただけた方はぜひぜひ忘れずに投票所に行っていただけたらと思います。


 まあ、こんな理想論を偉そうに語った直後ではありますが、選挙は結局なかなかに厳しいものでして、さらっと負けたりします。出馬表明がわずか1ヶ月前だったりと色んな無茶はあったものの、前回も負けました。

 だからこそお願いしたいのは、少しでもご賛同いただけた方には活動を支援していただくこと。ポスター貼りだったり、ビラ配りの手伝いだったり。ほんのわずかな時間でも構いません。

 以下のフォームからカンタンに登録できます。参加の程度は人それぞれなのでお気軽に登録お願いできればと思います!





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