my vacation is over.
本搾りオレンジ飲みながら、Youtubeを真剣に見ている彼女が
「青いTシャツが欲しい」
なんて言い出すんじゃないかって、僕はデスクにむかいながらソワソワとしていた。
「なつめぐの声がかわいい」
なんだ、平成フラミンゴ見てるんじゃなかったのか。あんなに夢中だったヒゲから、心を乗り換えたみたいだ。
「narumiさんのファンじゃなかったっけ?」
「二人とも好き。声が好き。」
そうか。今度はこの、ココイチでNARUTO全巻を読破した上に、名作ドント・ルック・アップを3分で消費するサンダル履いた男に、僕は負けたのか。
「僕とドングリどっちが好き?」
なんてセリフは
「私と仕事どっちが大事?」
みたいでダサすぎるだろ。僕もドングリも彼女にとってはどっちも大切な存在だろうし、僕はドングリに負けたってぜんぜん辛くはなかった。
シイタケの100倍は、この声の高い変な人のことを見てきたつもりだ。僕のドングリ愛は、彼女のドングリ愛に負けていない。
だからどうか神様、ほんの一瞬でもいいから、この本業もないのに副業探す変な男の承認欲求が満たされますように。
春樹のノルウェイの森を読みながら、「誕生日おめでとう」って声に出して言ってみた。
僕の10日間の療養生活は終わりを迎えた。