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いつも振り回されてばかりの恋愛2<自分を犠牲にして尽くしてしまう>

前回の記事『いつも振り回されてばかりの恋愛1<私は愛されない人間なのか?>』ではFさん(33歳女性、会社員)の事例をご紹介しました。今回は、Fさんが相手の男性にどんなに振り回されても耐え続けた背景について見てみましょう。

ドタキャンされたり、音信不通になったりする彼とのお付き合いは辛くなかったですか、と尋ねると、

「辛かったけど辛いと言ったら面倒臭がられたりして振られてしまいそうで、怖くて言えませんでした。文句を言わずに支えて『いい彼女』でいることで、もっと好きになってもらえると思って」とFさん。

どうやらFさんは、自分の感情には気付いているものの、それを相手に伝えることに恐怖心を持っているようです。この恐怖心がどこから来るのか、幼少期を探ってみることにしました。

自分の気持ちを率直に伝えてはいけない、という感覚を、ご両親に持ったことはありますか、と尋ねると、

「両親は仲が悪くて喧嘩していることが多く、私は不機嫌な二人の気持ちを和ませようといつも顔色ばかり伺ってました。特に父は気分屋なので、父が不機嫌なときには言動に気を付けないと怒られてしまうこともしばしば。不幸そうな二人を見ているのが辛くて、なんとか笑顔にできないかと思い、私はいつもいい子でいて、両親のご機嫌をとろうと努力していました」

とFさん。

どうやらFさんは幼少期からご両親に対して自分の気持を伝えることが許されない環境にいたようです。このように、幼少期に相手の顔色をうかがい、それに合わせて自分の言動を変えることを強いられた経験を繰り返すと、大人になってからもついつい他者の意見や気分に合わせて行動するようになる傾向があるようです。そしてFさんのように、自分の気持ちを表現することが苦手になり、たとえ辛くても大丈夫なふりをして、相手を幸せにしようと自分を犠牲にして尽くしてしまう行動に出てしまうことがあるようです。


クライアントさんから受けるご相談にも、こうした自分の気持ちを知らず知らずのうちに抑え込んで、相手に合わせてしまうというものをよく耳にします。そして多くの場合、そのように行動する背景には「嫌われたくない」「もっと好きになってほしい」といった動機があるようです。

しかし、このように自分の気持ちを表現せずに相手に合わせ続けると、期待とは逆に、相手から大切にしてもらえない、という結果に終わることが多いようです。それはなぜなのか、次回の記事で探ってみたいと思います。

長谷川由紀

☆おことわり☆

本ブログ内の記事は、精神科・心療内科等での治療を代替するものではありません。必要に応じて医師・心理カウンセラー等に直接ご相談ください。本ブログの事例にて紹介されている人物や状況は、全て架空のものです。セッションを通して伺ったお話をブログにて公開することはありません。

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