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恋のトキメキはどうして終わる?1<トキメキが起きる仕組み>

出会った頃は相手のことを考えただけでドキドキワクワクしたのに、しばらくしたらドキドキしなくなった。これって別れるべきサイン?(Aさん、女性、20代学生)

相手の猛アプローチで始まった恋愛で最初からトキメキを感じなかったが、交際してみるといつの間にか相手が大切な存在になった。けれど、最初のトキメキがなかったのでこの関係はどこか間違えているのではないかと不安で結婚に踏み切れない。(Bさん、女性、30代会社員)

トキメキがなくなるともう終わりだなと思ってすぐ別れてしまう。その結果、数多くの人と付き合ってきたけど、結婚に至らなかった。ずっとトキメキを与えてくれる運命の相手なんていないのか?(Cさん、男性、40代会社員)

このようなご相談をクライアントさんから受けることがしばしばあります。恋のトキメキは楽しいものです。そしてこのドキドキ、ワクワク感を道標に、多くの方々が行動し、大切な意思決定をします。しかし、そもそも「トキメキ」「ドキドキ」「ワクワク」とは何なのでしょう。今回はその正体を探ることで、今後の恋愛に役立てていただければ幸いです。

結論からズバリと申し上げますと、この「トキメキ」は脳内のドーパミンと呼ばれる物質により作り出されているといわれています。このドーパミンは、脳内に放出されると喜びややる気といったポジティブな感情が得られるため、通称「快楽ホルモン」と呼ばれたりします。

このため、ドーパミンは楽しいことをしているときに出るホルモン、と解釈されることもあるようですが、実際は少し異なるようです。より厳密にいうとドーパミンは、「期待していたよりも大きな報酬が得られた」という、自分の予想・期待が良い意味で間違っていたときに放出されるといわれています。

では恋愛ではどのようなシチュエーションでドーパミンが放出されるのか、以下の事例を使って考えてみましょう。おそらくドーパミンが放出されているであろうと予測される場面の文末に(★)を記したので、ご参考にしてください。


D子さん(20代会社員)は、密かに職場の先輩E太さんに憧れていました。しかしハンサムで仕事もできるE太さんなんてとても自分には手の届かない存在…と思っていたところ、E太さんから突然食事のお誘いが(★)!

E太さんも私のこと好きなのかしら、と嬉しくなってしまうけれど、もしかすると先日仕事でE太さんの手助けをたくさんしたから、単にそのお礼かもしれない…とあまり期待しないようにして、D子さんはお食事に。するとE太さんが別れ際に、今度映画を観に行かないかとデートに誘われました(★)。まだまだE太さんが自分を好きだなんて信じられないままデートに行くと、なんとそこでE太さんに告白されてお付き合いすることに(★)。

お付き合いが始まってからも、まだ自分がE太さんの彼女だなんて信じられず、メールや電話が来る度にD子さんはドキドキしてしまいます(★)。

予測に過ぎませんが、以上の(★)を記した箇所でドーパミンが放出されると考えられます。放出箇所の共通点はいずれも、「まさかE太さんが自分に好意を持っているなんて」という、現実が自分の予想を上回ったときです。そして今後も段階的に関係が深まっていく過程や、お互いの知らなかった部分を知る過程では、まだ相手が自分がどれだけ受け入れてくれるか分からない、いつ関係が終わってしまうか分からない、という不安がつきまとうため、その分だけ期待を上回る報酬が得られる機会が多くなると考えられます。その度にドーパミンが放出され、「トキメキ」を感じさせてくれる期間が持続することでしょう。

しかし、残念ながらこのトキメキには必ず終わりがやって来ます。次回はトキメキの終焉についてお話します。

☆心理の英語メモ☆
英語でトキメキは"Spark"といいます。 "I have a spark with him" (彼にときめいています)といった具合に使われます。

長谷川由紀

☆おことわり☆

本ブログ内の記事は、精神科・心療内科等での治療を代替するものではありません。必要に応じて医師・心理カウンセラー等に直接ご相談ください。
また、本ブログの事例にて紹介されている人物や状況は、全て架空のものです。セッションを通して伺ったお話をブログにて公開することはありません。

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