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こだわりの道具は必ずしも家庭向きではない

私は若い頃は料理人だったので、調理道具などは家で使うものでもプロ仕様のものを喜びますが、しかし、それがそのまま妻や娘が使いやすいものかというと、そんなことは全くない、ということを家庭生活のなかで知ります。

プロ仕様のものでも、一般家庭で使いやすいもの、使いにくいものがありますが、だいたいは、プロ仕様のものは一般の人にとっては、使いにくいものになるようです。

スキルがある人に使いやすいものと、それほどスキルが無い人に使いやすいものは「かなり違う」のですね。これは調理道具に限らず。。。車や自転車などもそうです。

プロ用のものに限らず「こだわりの道具」。。例えば、厚くて重い蓋付きの鋳物鍋、蒸し焼きにも使える鍋を私は欲しいと思うのですが、妻や娘が「重いのは扱いにくいし、洗いにくいし、収納の時もめんどうだし、メンテが大変なのはイヤ」ということで、採用を却下されます。

フライパンなども、プロ用や、工芸品的な重いのはダメ。

なので、妻も娘もテフロン加工の軽いフライパンを買ってくると喜んで使います。包丁も、プロ用ではあるけども、程よい大きさと軽さ、汎用性のあるものが使いやすいようです。

実際、家庭の日常の調理道具は「軽い」というのも利点なんですよね。

しかし、料理のプロであっても、軽くて実用性と耐久性に優れたものがあれば使いたい、という心理があります。プロは肉体的にも重労働ですからね。(もちろん、適度に重いからかえって楽に使いやすいものもあります)

プロ仕様の道具も、時代が代わり、新素材などが出てくると変わって来ますね。

というわけで、私の好みの調理器具を、妻や娘の許可無く買うとヒンシュクを買う、というお話でした。

。。。それと、私も個人的に良く感じるのですが、工芸品的なものの生産でも、このような「一般の人が実際に必要としている、使いやすいもの」という視点が必要だよなあと思ったりします。

「これは工芸品としてはキレイだけども、実用的には向かないなあ」という「道具」が割と多いのです。

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