#182 無料の代償は怒り・・・ニューヨーク1人旅 2018年11月18日(日)18日目・・・3

fresh&coで、自分でもびっくりするほどスムーズに注文できたサーモンサンドイッチだが、ゆっくり味わっている時間はない。14:30にはカーネギーホールについていなければいけないので、少しかき込み気味に食べた。

カーネギーホールの入り口で、お目当てのプログラムを探したが見当たらない。困っていると出入り口で日本語を話している男性がおり、プログラム名を伝え、入り口を聞いた。すると、Zankel Hall at Caregie Hall(ザンケル・ホール)とのことで、出入り口は正面ではなく、建物横の別の出入り口とのことだった。何だよ、規模の小さいイベントだから箱も小さく、出入り口も横かよ……。少々ガッカリしながら建物の右横に回ると、小さな出入り口にはすでに何人かの人たちが並んでいた。私はチケットがないので、少し待った後、1番最後に入った。

出入り口の入ってすぐのところに置かれたテーブルの上には、名前の書かれた封筒が並んでおり、中にチケットが入っているらしかった。
昨日の申し込みメールの返信には〝チケットを用意しておくので、受付で名前を言ってくれればよい〟とのことだったが、その封筒の中に私の名前はなかった。
昨夜、Kさんとメールのやり取りをしたのに、Kさんはどうやら私のチケットの用意を忘れていたようだ。Kさんに聞くも、しどろもどろ。他の対応に追われていて、話せなかった。

散々待たされたが埒が明かず、結局、名前も番号もないチケット入りの真っ白な封筒を、奪うように自分で取った。
集客するだけしておいて、いざ来たらチケットはないし、説明も詫びもない。ぞんざいな扱いに段々怒りがこみあげてきて〝これで合唱やピアノ演奏がへたくそだったら、途中で毒吐いて退場してやる!〟と大人げなく腹を立てた。無料につられて来たくせに。

さらに怒りに追い打ちをかけたのは、チケットの配布が15:00~となっていたこと。14:30だというから、日曜礼拝を途中で抜けて、サーモンサンドイッチも味わう暇もなくかき込んで、大急ぎで来たのに、チケットは無いは、チケット配布まで30分以上待たされるは、チケットがなくて困っているのに説明も詫びもない。
10000歩譲って、こんなことNew Yorkでは当たり前なのかもしれないが、
これを恋焦がれているNew Yorkで日本人にされたことが悲しかった。
同時に怒りも込み上げた。
さらに、出入り口からロビーに入っても、会場に入るまでさらに待たされた。そしてロビーで私の怒りはさらに膨れ上がった。

ほとんどの客が日本人なのだが、その無神経な態度にイライラした。
会場へのドアがまだ閉まっているのに〝ちょっとぉ~、まだなの?〟と言いながらドアを開けて入ろうとするお婆さん。心の中で〝準備中なんだから待ちなさいよ。準備が整ったら係の人が教えてくれるよ〟と文句を言った。
さらに、子どもたちがお行儀悪くキャーキャーはしゃぎながら走り回っているのに、誰も注意しない。いくら建物横入り口の、小さなホールでも、一応伝統と格式あるカーネギーホールなのだ。もう少し格調の高さを重んじても罰は当たらないと思うのだが、皆、あまり気にしていないようだ。
もし、走り回っている子どもが、自分の子どもだったら、間違いなくひっぱたいてゲンコツものなのだが、まさか私がするわけにもいかず、不愉快になりながら黙って立って待っていた。

なんだかんだ言っても、無料だ。タダで見られることにつられて来たのは、間違いなく自分なのだから、ここはグッと堪えることにした。

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