脱走癖

療育園と療育センターと関わりながら、過ごしていた頃、私達を悩ませたのは、自宅からの脱走、徘徊であった。

家事をしながら、次男を部屋で遊ばせていると、何だか静か…

居ない、靴がない

なんて事がよくあり、自宅付近をとにかく探しまわったことが多々ありました。

人間って、ヤバいってなると血の気が引くんですよね。引くと同時に諭吉は、舌から嫌〜な汁が出ました(ホントです)

大体見つかるのは、駐車場に止めてある車の前。次男はこの頃、車のエンブレムとか企業ロゴが大好きだったんです。
マジマジとエンブレム見て、傍に立つ私の存在に気づき、

貴女も来たの

的な顔で一瞬見て、またエンブレムに視線を戻す…みたいな事がありました。

それから、しばらくの間、玄関に通じるリビングのドアに、開かないように、突っ張り棒をセットしました。内鍵も開けちゃうし、赤ちゃんのベビーゲートも解除しちゃうから、アナログな突っ張り棒が一番優秀でした。

あと、大型ショッピングセンターとか行ったら、気がついたら居なくなってフラフラと単独ウインドーショッピングを楽しまれていたりしましたね…。家族でエレベーターに乗ってて、自分達が降りる階ではない階でドアが開いた途端に、次男が1人猛ダッシュで逃走した事もありました。

次男は手を繋ぐのがその頃苦手だったようで、親がちゃんと見てないからだなんて、経験した事がない人はおっしゃいますが、逃走犯…もとい次男は一瞬なのです。
例えて言うなら、

今何時かしら?と一瞬腕時計を見た瞬間
あら、あの服素敵だワとマネキンを見た瞬間

次男は大体こういう隙間時間を狙って逃走してました。

それから暫くは、子供用カートとかベビーカーにご乗車頂きました。
次男は体格だけはいいもので…なかなかな見た目でしたので、好機の視線はよく感じました。
でも、居なくなるよりマシだと、ご迷惑をお掛けするよりはいい!と暫くご乗車しておりました。

家族が居なくなっても、ケロッとクールにウインドーショッピングを楽しまれている姿を見て、私達夫婦は診断前でありながら、覚悟を決めていった時期でもあったかと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?