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続:中国のスマートオフィス/スマートキャンパス事情 及びスマート検温サービスのご紹介

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続:中国のスマートオフィス/スマートキャンパス事情
及びスマート検温サービスのご紹介
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みなさま、こんにちは!
IngDan Japanの山田です。

今回は、前々回に続き、中国のスマートオフィス/スマートキャンパス事情や、ビルメンテナンスやファシリティマネジメントサービスを展開するグローブシップ様とIngDan Japanが共同でサービス開発した、画像認識・静脈認証を活用したスマート検温サービスについて、ご紹介したいと思います。


まず、スマートキャンパスにおける中国のこれまでの動きについて確認してみましょう。
オフィスのスマート化とは、従来活用していなかった技術やプロダクトを通じて、より安全・安心・快適なオフィスを作ることに貢献すること、と定義したいと思いますが、かつては、ドアに鍵をかける、といったシンプルなものから始まり、監視カメラやセンサーによって来訪者管理を行うといった流れで進化してきました。近年においては、センサーやカメラ、スマートフォン等の端末を通じて得たデータを収集し、ソフトウェアの活用により分析・解析を行うことにより未来の予測に繋げることで、価値を創出するような仕組みが生まれてきたことが特徴となります。

物理的に離れた空間を統合管理したり、過去から現在、未来予測まで含めて時系列に管理したり、来訪者やスタッフに加えて、オフィスに存在するモノの管理まで含めて統合することができるようになり、ある人が一定の期間において、どんな時間の過ごし方をしたのかを把握し、データを起点とすることで、未来の過ごし方に役立てるといった活用がなされています。

スマートキャンパス関連製品を提供するZK Teco社によれば、ソリューションを提供するためのプラットフォームとなる考え方があり、簡単な階層構造によって説明することができます。

第1階層:センサー
末端において、各種データを収集する装置となります。カメラやスマートフォン、各種センサーが該当します。従来と比べて、CPUコストが減少し、複雑な計算も可能となることで効果を高めており、例えば、顔認証は98%、文字認識は90%以上で認識可能です。顔認識の領域では、従来は人間が記憶に頼っており、認識できる個人の顔は5-10万人が限界とされていましたが、認識精度、認識数において技術の活用によりいずれも向上させることができました。車のナンバー認識にも画像認識が活用され99%以上を認識、コロナ禍においては検温も行われ、97%以上の精度で、一度に多数の人間の計測を行うこともできます。

第2階層:ネットワーク及びインフラ層
センサーで得た情報をクラウド又はローカルで処理します。
ローカル側で処理を行うメリットは、プライバシーの観点及び処理スピードが高速である点です。また、クラウド側で処理するメリットはコストがリーズナブルである点となります。

第3階層:アプリケーション
実際のシーンに適用されるアプリケーションです。様々な解析が行われることで、ユーザーに利便性向上をもたらします。各種センサーから収集したデータを解析することにより、例えば、ドアの開閉に関しても画像から姿勢を認識し、同じようにドアに大きな力がかかった場合でも、ただ強くプッシュしているだけなのか、本来権限がないにも関わらず強引に開けようとしているのか、子どもを連れているのか?荷物を持っているのか?等を判断することができます。また、風景の画像からバーチャルに線引きを行い、特定の領域を超過した場合に不正侵入を検知したり、それらの画像に対して、タグ付けが行われ、膨大な履歴の中から特定のイベントを検索することができます。壁や植栽、ゲートといったように画像に移った内容をモデリングすることによって、監視スタッフは現地に行くことなく、何が発生しているのかを把握することができるようになりました。

今回は、前々回に続き、中国のオフィスにおける具体的な利用事例を利用者視点、バックヤードの視点に分けてご紹介したいと思います。

それでは、今日のメインコンテンツにいってみましょう!


~ 目次 ~
【オフィス生活を支え、安全・快適を実現する仕組み】
【ビルメンテナンスや、バックヤードの効率化を実現する仕組み】
【スマート検温サービス紹介】 

~ メインコンテンツ ~
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オフィス生活を支え、安全・快適を実現する仕組み
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早速、オフィスのスマート化に繋がる仕組みが中国でどのように展開されているのかについてご紹介致します。

●スマート駐車場
一般的に駐車場を利用する際に、どのような作業を行っているのかについて確認致します。入場する際は、機械又はスタッフから駐車チケットを受け取りますね。キャパシティによっては待ち時間が発生しますし、雨の日等は、チケットを取る際に体が濡れてしまいちょっと気になりますね。場内に入ったら空いているスペースを自分で探す、又は誘導員の指示に従って車を進めることとなりますがなかなか空きスペースが見つからない場合もあります。用事が済み、駐車場に戻ってくる際はどうでしょうか。大規模な駐車場であればどこに停めたか思い出せないことは皆さん経験があるでしょうし、支払いの際、現金が足りない、支払いのやり取りが面倒、出る際も混雑によりなかなか出られないといったことも起こりがちです。

中国のスマート駐車場では、駐車場に入る際、画像認識によりナンバープレートを認識することで、待ち時間なくスムーズに入ることができ、空きスペースは大型ディスプレイ表示により可視化されすぐに空きスペースに進むことができます。また、iBeacon、スマートフォーンアプリの活用により自分の車の場所を忘れてもすぐ探し出せ、出場の際は再度ナンバープレートを画像により識別し、口座と紐づいた支払いアプリによって自動的に決済されるので、スムーズに出ることができます。

●スマートエレベータ
次にスマート化されたエレベータです。こちらについても一般的な使い方を確認してみます。エレベータに乗る際は、まずエレベータフロアに来て、呼び出しのボタン(ホールボタンと呼ぶようです)を押し、エレベータを呼び出します。偶々カゴがそのフロアにあればすぐにドアが開き乗ることができますが、そうではない場合、長い時間その場から動けず、待ち時間が発生します。カゴに乗り込み、今後は行き先階を指定する為ボタン(カーボタンというそうです)を押し、少し乗っていれば到着するというわけです。何気ない日常の風景ですが、どんな課題があるでしょうか。個人的にも一番、虚しく感じるのはエレベータが自分のいるフロアに到着するのを待つ時間です。後は、最近は感染リスクを感じてボタンをなるべく触りたくない、という要求も増えていますね。

さて、スマートエレベータ化した場合はどうなっているでしょうか。カゴの到着待ち時間を効率化する為には、適切なタイミングでそのエレベータに乗りたい人がいることを認識できるか、が鍵となりそうです。そこで、ゲートやエレベータ横にカードリーダーを設置することにより、又は顔認証により、そこに来た人を認識し、予め設定された権限も考慮した上で、エレベータを効率的に呼び出すことで利用率Upに繋げています。また、非接触での行先指示ができるよう音声コントロールが可能で、操作ボタンを押さずとも、行先を指定することができるようになっています。また、エレベータの基本情報、点検記録、メンテナンス履歴等の情報をQRコードに埋め込み、作業スタッフがすぐに参照できる仕組みが構築され、非常時には取り残された人がQRコードを読み取ることで、GPSが有効に使えない環境であっても正確な位置情報を送信することができ、救援の迅速化に繋がるといった事例もあります。

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ビルメンテナンスや、バックヤードの効率化を実現する仕組み
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施設の利用者だけではなく、設備・メンテナンス等のバックヤード側への応用も進んでおり、2つの事例についてご紹介致します。

●配電室検査のスマート化
配電室はあらゆる業界の業務に関する重要インフラとなっており、会社の資産や従業員の安全にも関わります。その為、配電設備の日常メンテナンスと管理品質を強化し、オペレーションの信頼性と安全性を向上させたいというニーズがあります。伝統的なやり方は、人間の作業によるもので、管理コストや安全性等の問題がありました。

配電室で活躍する検査ロボットについてご紹介します。設備は点検、修理又は長期停止の後にシステム運転を再開する場合や、重要設備の欠陥について追跡調査が必要な場合、設備に対して負荷が急増し、発熱やブレーキオフなどの異常が発生する場合において、送電網の信頼性が低下したり、大きな電力網事故が発生する危険性が高まります。そのような場合に、ロボットが人間に代わってあらゆるパトロールを行うことができます。

水平直線運動、垂直昇降運動、水平循環運動、先端が伸縮する運動等を駆使することによってあらゆる範囲・角度に対し視野を持ち、表面や局部等を分析することができます。ロボットは、部分放電、温度・湿度、赤外線熱イメージング、ガス放出等を感知するセンサーを搭載し、事前に複数の監視ポイントを設定することによって配電室全体を検査します。各設備の温度、電流漏れ、油井等を検知したり、履歴から傾向を分析することによって、リスクを判断することで、アラートを発することができます。

●変電所での検査のスマート化
次は電力会社の事例です。中国では、新たな変電所の増加に伴い、人員不足や無人、又は省力化した上でのスマートな検査手法が求められています。特に高圧、複雑な環境のもとでは、人体へのリスクも大きいです。昔ながらのマニュアルによる方法では、紙での記録等、人間の作業による管理方式が活用されており非効率です。作業スタッフの業務状況を可視化できず、スマート検査ロボットは、変電所の新型検査ツールとして人間にはできなかった品質で業務ができ、応用範囲が広く実用価値が非常に高いです。

配電室の検査ロボットと同様、様々なセンサーを搭載しており、スキャンによって多くの情報を収集することができます。システムは、変换器、互感器等の装置本体及び各スイッチの接点、バスバーコネクタの温度を検出することができます。システム分析、温度差対比、履歴分析等を用いて、設備の各データを分析し、発熱異常の判別と自動アラートの発信を実現します。

システムは統合システムとスマートレールカメラから構成されており、変電所の軌道巡回ロボットは主にコントロールセンター、水平直線運動機構、垂直昇降機構、トラックアセンブリ、センサーの5大部分から構成されています。検査時間やルート、目標等を柔軟にカスタマイズ可能で、ロボットが自主的に巡回検査を行ったり、最適なルートを生成し定期検査を行う、ロボットを遠隔で操作して活用するといった利用が可能です。

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スマート検温サービス紹介
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ご紹介しました通り、中国ではオフィスのスマート化が推進されている状況ですが、コロナの環境において、より安全で安心なオフィスを提供したいというビルオーナーや、そういった場所で働きたい、というオフィス勤務者のニーズが高まり、画像認識を活用した検温スタンドに顔認証や静脈認証機能を付加したサービスが普及しています。日本においても、そのようなニーズの高まりを受けて、この度、IngDan Japanは、ビルメンテナンスサービスを提供するグローブシップ様と一緒に、日本企業の皆様に向けてサービスを企画・展開する運びとなりました。
スマート検温サービス

オフィスビルや商業施設等において、最近はスタッフの方が入口で必ず検温を実施されるケースが増えています。しかしながら、これまでには必要のなかった業務が発生し、費用負担が発生しますし、何よりもスタッフの方、来訪者の方それぞれにおいて接することになり予防策を講じていたとしても感染リスクが発生します。また、体温異常者の方が発生した場合の対応に余裕がなくなることや、記録がアナログで正確さや管理において課題があります。こういった課題に対して効果を発揮し、オフィス、施設における安全・安心をご提供する助けとなればと考えています。

主な機能は次の通りです。まず、画像認識技術を活用し、素早く検温ができます。また、手をかざすことにより非接触で消毒を行ったり、必要に応じて顔認証や静脈認証技術を使った個人認証も可能です。マスク着用チェックや、マスク着用状態のままの個人認証にも対応しています。管理面では、機械のタッチパネルやパソコンを接続することで、モニタリング機能も標準装備されています。検温時間が非常に高速で(0.1秒/人)、測定誤差が少ないという特徴があります。

また、検温スタンドのハードウェアをご提供するだけではなく、面倒な導入・設置作業は全て我々にて行いますので、簡単に利用開始することができます。また、1年間のメーカー保証に加えて、設定、使い方等のお問合せについても対応致します。現在は初期設置費用は無料で、月額20,000円~/台、ご利用いただくことができますので、ご関心をお持ちの方がいらっしゃれば、ぜひ、お問合せ頂ければと存じます。
※価格はサービスプランにより異なります。

いかがでしょうか。
今回は中国のスマートオフィス/スマートキャンパス事情、についてご紹介いたしました。
様々なシーンにおいてオフィスがスマート化され、ますます快適で便利なオフィス生活が訪れる可能性を感じます。

次回は、中国の工事現場・建設現場で活用されるIoTソリューションについての事例紹介を予定しています。
次回もお楽しみに。

今回の内容についてのご質問、お問合せにつきましては、以下までご連絡ください。
ingdanjapan@infodeliver.com


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編集後記
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
センサーデバイスによる情報収集とAIやビッグデータ解析技術の組み合わせにより、世界がますます繋がり、安全・安心・快適な世界が広がっていきますね。
IngDan Japanでは、スマートオフィス/スマートキャンパスの領域について引き続き、中国のパートナーとも連携しながら、リサーチ・提携を進め、メルマガやWEBサイト等で情報配信を行って参ります。また、今回ご紹介したスマート検温サービスに続き、具体的なソリューションのご提供も進めていく予定ですので、どうぞご期待いただければと存じます。

慣れてしまって当たり前と感じている事柄であっても、改めて振り返ってみると実際には非効率だったり不便だったりすることは沢山あります。オフィスに到着してエレベータに乗り、自社のフロアに着き、支給されたカードを使って入室、休憩時や食事の際には高層階であればまたエレベータに乗って下まで降りてコンビニで買い物をする、会議室予約や来訪者の予約をする際には、社員向けの管理システムに接続して、空き部屋、スケジュールを確認し、予約登録を行う、調整が必要な場合や関係者に連絡を取り交渉を行って変更登録を行う、備品故障やモノの紛失時等必要に応じてビル管理会社に連絡を取りやり取りをする、等、1つ1つは大したことがなくても全体として考えれば実に沢山のやり取り、作業があることに気が付きます。これら全てにおいて、データの収集・活用を通じてスマート化に繋がるヒントがありそうです。

皆さんもオフィスでの生活においてどんなことが不満、不便なのか、どう解決できたら快適で気持ちいい生活が実現できるのか、お感じになることがあればぜひ声を聞かせていただければと思います。
我々IngDan Japanも、今回ご紹介した内容に限らず、継続して中国の事例を収集し、皆様に役立つ情報提供、一緒にソリューション化に向けた議論ができればと考えております。

スマートオフィス/キャンパスの事例・技術を活用して自社ビジネスの価値を高めたい、中国での事例についてまずはもっと詳細に知りたい、
こういった思いをお持ちの企業様に向けてIngDan Japanは価値をご提供できる可能性があります。
ぜひ、IngDan Japanにお問合せいただき、一緒に何ができるのか、会話させていただければと考えています。

次回は、工事現場・建設現場で活用されるIoTソリューションをベースについての内容紹介を予定しています。
ではまた次回、お会いいたしましょう。


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