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#53 自分が変わるということ

~変わってしまったことを嘆いてもしょうがない,それに合わせて自分を変えていくしかない~

先月の日経新聞プラスワンに,「コロナで気づいたこと挑戦したこと」という特集が掲載されました(2020/5/30)。気づいたことNo.1は「お金がかからない」ということで,移動と外食が減るだけでかなりのお金が節約できたようです。これでいくと,最近目にすることが多い「ミニマリスト」の生き方にも共感する人が増えるような気もします。家族とのコミュニケーションの機会が増え,免疫力を高めるために節制した日々を送ることで,もしかしたら肉体的精神的に豊かな日々を送ったのかもしれません。

またチャレンジしたことでは,要らないもの断捨離したという「ミニマリスト」的なものに加えて,キャリアアップのための勉強や「積ん読」になっていた本の読書など,知的にもプラスになる日々だったのかもしれません。またYouTubeなどの動画視聴や配信にもチャレンジした人が多く,これからの情報化社会の方向性を示唆しています。

このように見ていくと,今現在を何かが大きく変わる変節点のように感じている人も多いのではないかと思います。それがどのくらい大きな変化なのかについては,学術的にいろいろ指数化して客観的に比較する方法もあるでしょう。また,現代日本は戦争を経験していない世代が大半を占めているというのも比較の難しいところがあるかもしれません。

それでも,人間は自分の一生分しか生きられないので,今の時代の変化が他の時代に較べてどのくらい激しいのかは,主体的観察者としてみれば分からないと言わざるを得ません。しかしながら,そうゆう主体的な意味において今この状況は,価値観や行動様式の大きな変化を強いられるそれなりに大きな環境変化だといえるでしょう。

ところでコンサルティングの現場では,ゼロベース思考,破壊的イノベーション,ドラスティックな戦略転換といったことが求められています。思い切ったダウンサイジングやリストラ,ビジネスモデルの変更や業態転換,顧客との関係性の見直しと再構築など,これまでやろうとしていて後回しにしていた課題を,待ったなしでクリアしていくことが求められています。しかしこれらの選択肢に正解があるわけではなく,経営者は論理的帰結や蓋然性ではなく,意志としてこれらを選択していかなければなりません。

今この時期,政治や経済がどうあるべきかとかいう議論よりも,経営者ひとりひとりが人間としてどのように生きていくか,という内省的な哲学が求められています。現実とは自分がどのように生きていくのかという選択の結果であり,どう自分が生きていくのか,もっと進んで言えば,自分はどう変わるのかこそが,これからの経営の軸となるのです。

〔こありん先生チャンネル〕YouTube配信しています@(・●・)@

#ビジネス #エッセイ #コンサルタント #イノベーション #ミニマリスト #経営

正しいことより「適切なこと」に重きをおく,プラグマティックな実践主義コンサルタントです。経営の鬼門はヒトとカネ,理屈ではなく現実を好転させることをモットーとしています。 お問い合わせは,https://prop-fc.com/mail/mail.html